藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

カインズの個包が便利な漂白剤 溜めた洗濯物のニオイにも

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
CAINZ 衣料用漂白剤 粉末パック 10包入

昨年の後半は、筆者ばかりが出張だ推し活遠征だと慌ただしかったのだが、今年に入ってからはめっきりおとなしいのである。代わりに筆者以外の家族がひっきりなしに「北海道の帯広へ雪を見に」「福島でスキー」「友達10人と京都1週間」「幼馴染と大阪USJ3泊」などと出かけては多量の洗濯物と一緒に帰還するのである。

冬場とはいえ、汗をかいて湿って2~3日醸せば通常よりやはり臭う。その合間、遠出はしないまでも仕事に出て不在にする折、「これ普通に洗濯しても臭い落ちはやばいから酸素系漂白剤入れて洗濯してね」とお願いして筆者も出かけるのだが、筆者以外の家族は手に付く粉とか液体とかの洗剤をとにかく嫌う。

愛用のワンハンドルプッシュなら使えるのだけど……。そんな折に発見したのが、カインズオリジナルのラインナップにある、個包の酸素系漂白剤なのであった。水に溶けるフィルムに包まれているため、洗濯機にそのまま投入してしまえる。

個包タイプ

おさらいすると、衣類の洗濯の際に使う「漂白剤」には大きく3種類があるのだが、わかりやすく形状で分けると「粉」と「液体」がある。

今回レビューするような「粉末」の漂白剤というのは「酸素系漂白剤」という括りで、主成分は「過炭酸ナトリウム」によるものだ。

主成分は「過炭酸ナトリウム」

「過炭酸ナトリウム」は炭酸ソーダと過酸化水素が2:3の割合で混在した白色の粉末で、金属や水と反応する性質を持っている。

洗濯をするにあたり、水に溶かすと、過酸化水素ガスをブクブク放出して炭酸ソーダになり、このときの液性は弱アルカリ性となる。ブクブクする反応の際に衣類の汚れを分解することで見えなく(不可視化)する効果があるというしくみだ。

一方「液体」タイプの「酸素系漂白剤」もある。以前別の記事で詳しく書いたが、平たくいえば液体酸素系漂白剤の主成分である過酸化水素も汚れを酸化分解することで見えなくする点では過炭酸ナトリウムと同じ。でも液性が酸性なので、アルカリでタンパクが変性してしまう「絹」や「毛」といった繊維にも使うことができるという特性がある。

ややこしいのは「液体」漂白剤には「塩素系漂白剤」も存在する点だ。

こちらの主成分は「次亜塩素酸ナトリウム」であり、ご存知の方も多いと思うが、塩素系というだけあって、ほぼにおいのない酸素系に比べ、こちらはわかりやすく「塩素臭い」。

また恐ろしく酸化力が高いので、白いものを白くする以外に使えず、繊維によってはボロボロに分解されてしまうので、木綿やポリエステルなどにしか使えない。わざと色素を落としてケミカルウォッシュするのに使うのが特殊な例だ。

というところの「粉」の「酸素系漂白剤」というものは、絹や毛(シルクやウール)以外の下着やタオルなどに広く使える。

強めたアルカリでタンパク汚れや皮脂汚れを溶かすし、ある程度の除菌効果も見込めるので、洗濯の際に洗剤に加えて使えば菌の蔓延による異臭も減る。ぜひ溜めた洗濯物には使っていただきたい剤だ。

これなら、個包なら、粉、計らなくていいから! 洗剤をプッシュした後、洗濯槽に放り投げとけばいいから、1個! 1個入れるだけでいいから!!

また過去の記事でも既出だが、タオルやバスタオルが「臭う」のに辟易している方もぜひ過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)の併用、さらには「つけおき」をぜひ試してみてほしい。

方法は、手近な5L程度のバケツに臭いタオルを入れ、この粉末パックを1つ入れて、40℃程度のお湯を注いで30分ほど浸し「つけおき」する。30分経ったらその「つけ汁」ごと洗濯機に入れて通常通りに洗濯するだけだ。

花粉時期など、花粉でもないのにとにかく「粉」に鼻や喉が反応して厳しい人は多いだろう。個包になっていることで粉を吸うリスクが激減するこのアイディア商品、ぜひうまく活用してみてほしい。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして20年以上活動。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、10~20代の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。