藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

空き家にダイソーの強力ネズミ捕り、手間もコストも最小限

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
強力ねずみとり

ネズミを見たことがあるだろうか? 出先や屋外ではなく、家の中で。筆者は、2回ある。

1回は洗濯槽の中に1匹(元気に生存)、1回は掘り炬燵の底に2匹(飢えかけていたがかろうじて生存)。いずれも手近な段ボールやザルなどを駆使し、なんとか生捕りにして庭に放した。

ネズミがいたのは自宅マンションではなく、関東近県の田園地帯の民家(親の遺した一戸建)で、定期的な掃除に出かけた際のことだった。

それはちょうど2年ほど前。立て続けに、行くたびに見かけたので、毎度結構なショックを受けた。

あるマンガの中の有名なセリフに、「戸棚のウラはネズミの卵でいっぱいだー!! わぁぁぁぁ」というのがあるが、まさにそういうモノローグがパニック状態で自分の裡を流れていった。まさか卵ではないけれど、どこに、巣が? わぁぁぁぁ。怖い……。

一体彼らは果たして、なんの目的で、どこから来たのだろう。ネズミたちは決して大きくはなく、サイズとしては500円玉に毛が生えた程度であり、よく見ると小さくて可愛いのだが、それだけに「気持ちが悪い」と思った。

母がまだ生きていた頃、一度この家の納戸の掃除中にミイラ化したネズミを素手で触ってしまったと厳かに電話で報告されたことがあり、自分が触ったわけではないのに身の毛がよだった。まあ、その頃からいることは、いたのだ。

家の中に思いがけない哺乳類がいるのは単純に嫌な感じがする。本当に彼らはどこで殖え、どこから侵入し、私の目に触れるに至ったのだろう。わからない。

そのまま2年が経ち、その後はネズミの姿を見ていないものの、見事駆逐した実感もまるでないので、どこかしらのタイミングで何かしらの対処はしたいと思っていたのだった。

私が見たのは郊外の家だが、近年、都市部のドラッグストアやホームセンターの棚に「ネズミ捕り」関係が拡充しているのには気づいていた。また都心に近い戸建に住む知人の家に実際にネズミが出て困っているという悩みなどもチラチラ聞こえてきていたが、リアリティがいまいち無かった。自分の目で見てわかったのは、世の中で増えていようがどうしようが、いざ対峙すると途方に暮れてしまうという感覚だ。

たかがゴキブリにすら手を焼く非力なわたしたちが、哺乳類ネズミに対して一体何ができるのだろうか。仰々しいイメージのいわゆるネズミ捕りを設置するのか、あるいは猫を飼うか。筆者は猫を飼ったことがないのだけど、そもそも今どきの猫もネズミを獲れるのか?

とりあえず猫のいない暮らしの中で怯えつつ手近にできるネズミ対策として、100円グッズのネズミ捕りが取り入れやすいのは確かだ。金額的にも非常にハードルが低い。

そんな選択肢の一つであるのがダイソーの「粘着ねずみとり」だ。仕組みはシンプル、ただ粘着力の強いシートを広げて置くものである。

パッケージ裏面の設置例を参考に置く

間違って指で触れたら面倒なことになるので注意が必要だが、その分、威力はうかがえる。パッケージを開いて設置するだけの手間は最小限だし、投じるコストも5カ所いても550円、10カ所でも1,100円。当たり前だが、ものすごく安い。

設置後2カ月が経過。筆者は幸か不幸か、まだ捕獲した状態を確認したことはない。設置しているのが普段住んでいない家なので、捕まえたところで始末が厄介なのは免れず、正直困るという気持ちはあるものの、何もせずに放っておいて空き家をネズミの楽園にしたいわけでもないので、痛し痒しだ。

まあ実際のところ、見事捕まえたという報告も捕まえられていないという報告も、どちらも不名誉なので、その点でも痛し痒しなのだけれど。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして20年以上活動。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、10~20代の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。