藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
臭い&刺激少ない「AURO」のおかげでカビ取り作業のストレス減った
2024年7月2日 07:40
カビ、カビ、カビ。例年、春から夏までカビのことばかり考えている。真夏になってカビが消えるわけではないのだけど、夏本番になるともう、しょうがない、どうでもいいという気分になってしまうのは、ここのところの盛夏が暑すぎてカビのことなど考えている場合じゃなくなっているせいだろう。
あるいは暑さでカビの生育すら妨げられているような気さえする。だいたいカビ取りのためにせっせと身体を動かせるのも、カビが蔓延するのも、どちらも「程よい」気温・湿度である間だけなのだし。
加えてカビ取りが億劫なのは、その営みがひたすら「イタチごっこ」な点のみならず、いわゆるカビ取り剤の「次亜塩素酸ナトリウム」に、暴露すると少なからぬ肉体的ダメージをこちらが被ってしまうせいだと思う。
次亜塩素酸ナトリウムよりも若干マイルドな「二酸化塩素」なり、よりダメージの少ない「消毒用エタノール」を利用する方法ですら、噴霧したスプレーの飛沫を少しでも吸ってしまうと、むせたり酔ったりする。気分も悪くなるし、どっと疲れる。
とはいえ、ただ水拭きしたり擦り洗いしたり洗剤拭きしたりするだけでは、胞子を飛ばしたり擦りつける作用でますますカビが増えてしまい、掃除は頑張っているのに「イタチごっこ」がハイペース化するという不条理な思いをする。
高温多湿が恒常化するのも毎年のこと。その生長自体はただただ自然の摂理とはいえ、本当に毎年毎年、カビカビカビカビ、どうにかならないものか。無駄な抵抗かもしれないが、新しいアプローチはないのだろうか。
というところで、ドイツ発、AUROのオーガニックなカビ取り用品は、目新しい。いわゆる「カビ取りスプレー」の主成分が「ホウ砂(ほうしゃ)」だったりする。
「ホウ砂(ほうしゃ)」......というのは、馴染みのある人には馴染むが耳馴染みのない人には全く正体不明の素材だろう。知っている人も掃除利用ではなく「スライム作るのに使うよね」といった感じではないだろうか。
平たくいえば、ホウ砂とは鉱物由来のアルカリ剤だ。消毒作用があるため防腐、カビ取りにも用いられる。そんなこの「カビ取りスプレー」の特筆すべきところは他の素材によるものに比べて臭いがなく、刺激性が非常に低い点。またスプレーとはいえ粘度の高い液体が出てくるタイプゆえに、飛沫を吸引してしまうリスクも低い点だろう。
個人的には、食品添加物としても使われる「ソルビン酸カリウム」がメインに含まれている「カビ取りシート」と併せて浴室の天井、高所の壁といった次亜塩素酸ナトリウムを使いにくいエリアのカビ取りに使うのが便利だ。刺激性が限りなく少ないため、気分が悪くなる心配なくカビ取りの作業ができる。
「カビ取りシート」の不織布は生分解性の高いレーヨンでできており、柔らかくて引っ掛かりがないため、水回りではなく居室の壁などの柔らかいビニールクロスの掃除にも適していると感じる。こちらの湿り気成分もほとんどにおいがないので、クローゼットや寝具周りを含む居室のカビ取り作業を行なうことにストレスがない。
ただスプレーとシート、いずれも、いわゆる「漂白効果」はないので、壁紙や目地に入り込んだ黒いカビが白くなる(色素が破壊される)といった劇的な変化は見えない。もちろんプラスチック上に「乗って」いるようなカビ入りの汚れなどは拭き取れば落ちるので無くなりはするが、強力な漂白まで期待されているような場合には肩透かしのような感想を持つかもしれない。
カビ取りも含めて掃除というのはイベントごとではない、本来は日常の作業だ。カビは取れても、剤に暴露して肉体的ダメージを受ける度合いは低いに越したことはない。どのようなものを使うにしろ、常にその効果によるメリットと、自分や家族の身を守る安全性とを、天秤にかけるような感受性や価値観が必要だと思う。
コストも含めてどれをどのように使うのか、決めるのはいつも自分自身なのだ。