藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

新アタックZEROパーフェクトスティックが“やば!” 粉洗剤の煩わしさゼロ

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
アタック ZERO パーフェクトスティック 51本入り

夏休みの課題の一環として「家庭での洗濯方法を細かくヒアリングしたい」と中学生の子供が言ってきた。

生まれた時にはiPadが家にあり、息をするようにインターネットを繰ってきたZ世代。ちょっと検索すれば母親の書いた適当な記事がヒットするのは知っている。でも自宅の洗面所を見ても、記事と整合せず訳がわからないのだという。

まあ、無理もない。筆者の仕事の都合上、わが家の洗濯機棚には常時5~6種類の洗濯洗剤がスタンバっている。洗濯洗剤のみならず、各種漂白剤や柔軟剤も含めズラリ十数本。洗濯し慣れていない家族が洗濯しようとして、どうしていいかわからず絶望した例は数しれない。

「じゃあ、まあ、基本的なところでね」とおもむろに説明を始める。

わが家においては、日々なるべく清潔な衣類を身につけられるようにするのを目的に洗濯をしています。いいですか? まずは目的をはっきりさせることが大事。

この“清潔”というものの目安は、洗濯して乾いた後、できるだけ黄ばみなどなく、かつ無臭であること。わが家においては、だけど。この辺のラインは人それぞれでいいところ。

で、まあ、わが家には今、野球部とかサッカー部の子供がいるわけじゃないし、食べこぼす乳幼児も、もういない。となると、衣類が汚れる原因は、泥土や食べ物ではなく、ほぼほぼ、汗とか分泌物。割と、見えにくい、わかりにくい汚れ。

あと、大人女性が多いから、洗う衣類はいわゆる「お洒落着」がメイン。という個別事情に照らして言うと、日々こまめに洗う限りは、それほど強力な洗剤は必要ではない。

で、基本的に洗剤の洗浄力の強さは、洋服の素材を傷めるのとトレードオフなの。だから基本的にうちの洗剤は、弱アルカリ性から中性のマイルドめなラインナップで、ほぼ液体。

粉末洗剤じゃなくて液体洗剤ということ。ただまあ、洗浄力的にはやっぱ液体より粉末なんだけど。うちに野球部の子がいたら粉末一択なんだけど。

と言ったところで、「液体と粉末ってそんなに違うもんなの?」と子供から質問が飛ぶ。

「違うね。界面活性剤の濃さが。液体はやっぱり薄まってる感ある」

「へえぇ」

「でも液体は扱いやすいのね。汚れの気になるところに原液を滴らせたり、とにかく、いちいちこうやってお匙ですくわなくていいでしょ?」

「今のは、ピュッ、ピュッて」

「そう、従来のお猪口みたいなので計るのも面倒だけど、ピュッてハンドル引くだけのやつは相当ラクだよね」

「お猪口に入れるのちょっとウザくない?」

「あとね、粉末って案外むせるんだよね。なんでか」

「粉、危険!」

「そうだ。だけどね、これ見て」

「何これ、棒?」

「これね、粉なんだけど、棒なの。計らなくていいの、最新式なの」

「やば!」

棒状の洗剤

そう、これが出たてホヤホヤのアタックZERO、パーフェクトスティック。2023年において今更ながらの粉洗剤リバイバル。

でも粉だけど、スティック。あの悪名高い計量スプーンで計る必要がない。粉が、ギューッと透明フィルムで棒状に凝縮されているスティックなのだ。

この使い方は、パッケージからこのスティックを取り出し、スイッチを入れる前の洗濯機の洗濯槽に入れるだけ。

使用方法はパッケージ裏に記載

ポイントは、洗濯物の「底」に置くこと。これで溶けやすくなるらしい。洗剤を入れるための引き出し? を開ける必要すらない。で、洗濯開始。

「やば! でしょ。最新グッズ。これ、なんか一周した感あるよね。実際のところ、うちには汚れ的にちょっとオーバースペック感はあるんだけど、やっぱりバスタオルとかってどうしても臭みが出やすいから、これくらいの洗浄力はあっていいし、そう、バスタオルとか汗臭いベッドパッドとか洗うのにちょうどよい強さなの」

「へぇ!」

連続して使ってみると洗い上がりの残香も少なく、「清潔」の匂いがするのがわかる。清潔「な」というより、清潔「の」匂い。

とても良い。わたし好みだ。

「でもこれ、出たてホヤホヤの商品すぎるから、このスティックでの洗濯方法を学校に提出するのにはちょっとアレかもなぁ」

「じゃあ、似たような結果が出るこれまでの方法はどんななの?」

「それはね、過炭酸ナトリウムの粉を弱アルカリ性洗剤と一緒に使うっていうやり方があって、まずこの引き出しのここにこれとこれを……」

「うわ、いちいち、めんど!」

そうそう、めんど! 面倒くさいんです。洗濯。洗濯機に丸投げのはずなのにね。ちゃんとやろうとすると、細々と気を遣う。工夫も要る。

そんな、うわめんど! な手間や気遣いや作業の積み重ねによって、やっと享受できるのが、皆さんが「当たり前」だと思っている、家庭の快適なお洗濯なんです。

スティック1本入れるだけで済む分のささやかな時短を笑えるのは、洗濯をしてない人だけなんだと、お母さんは思うんだよなあ。

パッケージ裏の成分表など

【お詫びと訂正】(9月26日18時10分)
記事初出時、掲載製品について「アタック ZERO パーフェクトスティック 7本入り」と記載しておりましたが、正しくは「51本入り」でした。お詫びして訂正いたします。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。