10分こそうじ

カビが出にくい家にするには? 梅雨の湿気対策と便利グッズ

年に一度の大掃除より、日々の“小”掃除。整理収納アドバイザーとお掃除スペシャリストの資格を持つ筆者が、1日の終わりに10分でできる掃除や片付けのポイントをお伝えします
梅雨シーズンの困りごと。カビ対策を万全にして住まいを守りましょう

最近になって、少しずつ季節の移り変わりを楽しめる雰囲気になりました。気温や天気の予報に、一喜一憂する人も多くなったのではないでしょうか?

春・夏・秋・冬、暑い季節・寒い季節。それぞれの時期で着る物が変わるように、家のお掃除も季節に合わせて変える必要があります。特に高温多湿のこれからのシーズンは、気温の変化に加えて、湿度にも対応しながら大切な住まいを守ることが大切です。カビや雑菌・悪臭が発生しないようにするための対処法を知って、快適な環境にしましょう。

ただ、湿気=悪役のように思われがちですが、人間にとっては必要不可欠な存在。肌やのどの潤いを守るだけでなく、湿度が低下するとウイルスの活動が活発になります。

では、湿度が何%になれば、悪役に変身するのでしょうか? 一般的には湿度75%以上でカビが増殖すると言われています。

入浴中のお風呂はもちろん、洗濯物を部屋干しするだけで周辺は一気に80%近くまで上昇します。しかし湿度が高いだけではカビは発生せず、「湿度+温度+汚れ」、この3つの要素を放置しておくと爆発的にカビが発生します。

カビ発生の条件

・湿度75%以上
・温度20~30℃
・ホコリ・皮脂などの汚れ

梅雨時期や冬の暖房が効いた窓周りなどは、カビが発生する条件が揃っているのがわかります。夏場に家中の温度を下げるのは難しいですが、湿度を下げたり汚れを減らすことはできそうです。

換気して湿度をコントロール。雨の日はどうする?

湿度を下げるためには、まず換気! お風呂や洗面所、トイレなどの水回りの換気は必須です。リンビングや個室などは、窓換気と扇風機、サーキュレーターなどを併用し湿度を下げましょう。エアコンの除湿機能を使うのもいいですね。

雨の日に窓を開けたくない場合は、壁についている換気口を全開にして、キッチンの換気扇をつけるといいでしょう。

雨の日は換気口を全開にして、キッチンの換気扇を回しましょう

換気口がない場合は、窓を開けます。空気の通り道を作ってあげるのが湿度を下げるコツです。

押し入れや下駄箱、シンク下などの開けっぱなしが難しい場所には、扇風機を当てるといいでしょう。このあたりは定期的に物を取り出し、奥まで風を当てるのが理想です。

空気の対流がない収納の裏や壁沿いは湿度が高く、カビが隠れている可能性があります。頻繁にお掃除できない場合、市販の除湿剤を使って極力湿気を下げる方法も。

除湿剤はプラスチック容器に水分を溜めるものから、狭い場所でも置けるスタイリッシュな商品、紙製パッケージやゴミを50%削減しながら吸湿が早いものなど、さまざまな商品があります。

これらの注意点として、除湿剤に溜まった水は塩化カルシウム水溶液のため、金属が錆びやすくなります。水道の水を流しながら排水口に捨てるようにし、使用したハサミも水で洗いましょう。

さまざまな除湿剤が市販されています。手前から時計回りに、コジット「パワーバイオ(シンク下用、クローゼット用)」、オカモト「水とりぞうさん」、エステー「ドライペットクリア」、白元アース「ノンスメルドライ」
コンパクトな下駄箱専用タイプも(ノンスメルドライ 下駄箱用)

汚れもカビの原因。掃除機+ひと手間で除去

もうひとつのカビの原因である汚れもしっかり対策したいですね。換気しにくい収納の中は、特にホコリが溜まりがちです。押し入れ・クローゼット・下駄箱は、衣替えの時期に一緒に掃除しましょう。

掃除機だけではホコリは完全に取れないので、水拭き+乾拭きも。この手間でしっかり除去できます。

カビが発生してしまったら、どうする?

水回りなどにカビが発生した場合は、カビ取り剤を使って取り除きます。このとき、ブラシやスポンジで擦り広げないことがポイントです。

押し入れやクローゼットなどの壁に発生した場合は、壁用カビ取り剤が有効です。壁の素材にはビニールクロス・土壁・漆喰などさまざまな種類があるので、それぞれに適した使用方法を確認しましょう。

市販のカビ取り剤にはスプレータイプが多いので、飛び散らないよう、面倒でも容器に移し替えて、下から上へ刷毛(はけ)で塗ることをおすすめします。カビ取り剤を使用するときは床や周辺の環境に気を付けて、必ず換気しながら行なうことが大切です。

カビ対策には市販の便利なアイテムも活用してみましょう。カビの発生を抑制する目的で販売されているお風呂用燻煙剤や、バイオの力でクローゼットのカビの発生を抑制するものなどがあります。

一度発生してしまうと厄介なカビ。季節に合わせた対策で、梅雨を乗り切りましょう!

クローゼットに吊るすだけでカビ対策ができるコジット「パワーバイオ 押入れのカビきれい」
丸 マイ

整理収納アドバイザー、クリンネスト(お掃除スペシャリスト)講師。個人宅の整理収納サービス「mawaru暮らし」主宰。片づけ苦手主婦だった自身の経験から、楽に片づく収納提案を行なっている。ほかにも、子供からシニアまで幅広い層へ片づけや掃除の楽しさを伝える講師としても活動中。