藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

掃除を忘れがちな電気ケトルに、月イチのクエン酸洗浄

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
T-fal 電気ケトル洗浄剤

筆者には、わかっているができない(できていない)ことが多分野にわたり実にいろいろあるのだが、そのうちの一つが「水分をしっかり摂る」ということで、しかもその水分が「コーヒーではない」ものをというものである。

筆者は、日々、1日に4杯も5杯もコーヒーを飲む。なので、うっかり「コーヒーではない水分って何……?」と戸惑ってしまう。

いや、それはまあ水や白湯のことである。わかっている。でも全然飲めない。もっと言うならコーヒーを飲むのすらも、かなり頑張ってのことであり、相当意識していないと本当に水分自体を摂らない(摂り忘れてしまう)のだ。そんなの身体にいいわけないのだが、要は生活の悪癖のようなものなのである。

そう。しかし、かつて、そんなダメ部分を一歩前に進ませてくれたのが、いわゆる「電気ケトル」という家電であった。多分いま我が家で、というか私自身にとっては冷蔵庫、炊飯器に並ぶかけがえのない家電といえるであろう。コーヒーを淹れるにも、水筒に詰める白湯を作るにも、とにかく電気ケトルありきだ。

ところで、あらゆる道具・ものとは、使用頻度に比例して汚れる。ゆえにもちろんこの電気ケトルもそれなりに汚れる。でも使用頻度がとても高いから、その汚れが気にならないというかあまり汚いということが意識にあがりにくい。このへんの感覚というのは、あんまり合理的でないのが不思議だ。

なので、こういうものは「汚れた!」と自分が認識する感覚に頼らず、およそ「定期的」に手入れをしてしまうのが正しい姿勢なのだと思っている。

そんな電気ケトル「あるある」の汚れ(水垢、スケール)は、今どきクエン酸で溶かし落とすのが家事界の定説である。今回紹介する「T-fal 電気ケトル洗浄剤」は、ケトル洗浄1回分ずつのクエン酸が個包されている。そのため「ケトルに水を満水まで入れ」「1包分入れてかき混ぜ」「蓋を閉めて沸騰させ」「1時間放置し」「冷めたら中身を捨て、洗い、すすぐ」というプロセスを遅滞なく踏める。言ってみればそれだけの商品である。

クエン酸で洗浄する

しかし洗浄1回分、「15グラム」のクエン酸というのは、個包で見てみるとわかるが案外たくさんの量である。もしも初めて市販のクエン酸などを使って電気ケトル洗浄をしてみようという人なら、軽く動揺するのではないかとすら思う。

あるいは、もし今までに自分でクエン酸を使っての水垢洗浄を試みつつ、うまくいかなかった経験がある人がいるとすると、クエン酸の量がいささか少なすぎたのかもしれない。と推察できる程度に、多い。

「洗剤(洗浄剤)を適量使う」……というのは、当たり前すぎてくだらないことのようでいて、これが案外キモというか、「わかっていてもできない」ことの筆頭だったりするのではないだろうか。

というわけで、今月も筆者宅電気ケトルの、月イチの定期洗浄が終わった。ついては今度こそ綺麗なケトルで沸かした白湯を……きちんと、もう少し頻繁に……飲もう……と思っている。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。