藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
超軽量86gの折りたたみ傘。撥水効果でたたむのも楽!
2021年4月27日 07:30
小型化と軽量化とは、すなわち進化の方向である。
筆者は長年、友人知人間で「大荷物人」として名を馳せてきた……。あまり名誉なことではないにしろ……、小学生の時点で片鱗どころかその素質は開花しており、高校生の段階でできあがり、以後数十年間、通常の外出でも一泊旅行以上の量の荷物を携行して生きてきた。それはほとんど習性であり、容易に変えようがなかった。
その習慣に待ったをかけたのは四十肩の発症である。ここ数年、かばんそのものに加えて必携の「財布」も「手帳」も、どんどん小型化や軽量化を自分内で推し進めてきていた。
とはいえ大荷物人が大荷物人たる最大の理由は「もしものときに備えねば」という強い意志にある。なかでも高頻度かつ初歩的な「もしも」である天候不順に確実に対処するべく携行したい「折りたたみ傘」は、財布レベルに必須荷物のひとつでありつづけた。
これまでいくつもの折りたたみ傘を渡り歩いてきた……。そして激化する夏の暑さと紫外線対策として、ここ二十数年は日傘にもなることが望ましいとして選んできたそれらは、常に時代の最先端素材の更新記録でもあった。
そうして2021年、筆者は86gという驚異的な重量の折りたたみ傘を手にすることとなった。開口一番、なんだこれ、となるような軽さである。にわかに傘とは思えない軽さである。手にした段階では「これ使えんのかな」と単純に訝しんでしまった。正直、心もとなすぎる重量感なのである。86gというのは!
そして先日、出先で天候が急変し、予定が迫っていたので雨上がりを待つことができなかった。
筆者は意を決し、また万を持して、この最軽量を謳う折りたたみ傘を開き、春の嵐の中に躍り出た。
風が強すぎて、500mほど歩く途中に5回も傘がひっくり返ったものの、ほぼ上半身を濡らすことなく駅にたどり着くことができ、驚いた。
傘の「軽さ」は何のデメリットでもなかった。軽さは携行時のみのメリットではないのだ。片手で持つもののため、それ自体が軽いと、ぎゅっと握れて身体の近くに引き寄せていやすいなど、良い面しかないことを思い知る。
さらに驚くべきはその生地の超撥水効果。駅に着き半分畳んだ状態でパッパッと軽く振っただけで多量の水滴が全て落ち、そのままクルクルと畳むと全く濡れていない状態にまでなった。そのため、なんとそのままカバンに傘本体を放り込むことができた。
今のところ、これが日傘としてどの程度役立つのかはまだわからないが、スマホ、財布と共にいつも持ち歩いている今日この頃なのである。