藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
【大掃除一点豪華主義その5】細菌の温床、冷蔵庫内にも使える除菌スプレー「クイックル Joan」
2019年12月17日 06:00
おかしい。
今年もまた、師走が来てしまった。
時間の経過、早すぎではないだろうか。2019年がもう終わるとか嘘だろう。
じつとカレンダーを睨む。
謎に埋まる予定……この多忙すぎる12月中に、所謂「大掃除」などに着手できる隙があるとは思えな……かったりはしないだろうか。
テラスやベランダ掃除にはもう寒い。ホコリをむやみに立てれば喉が痛む。キッチン換気扇の油など、低温で固まる冬にわざわざ落とすのは手間もコストもかさむ。
せいぜい、手を付けられるとして、お正月を迎えるにあたり最低限の玄関まわり少々の掃除と……年末年始の食材のスペースを空けなければならない冷蔵庫くらいだろう。
そう、冷蔵庫掃除をするなら、冬が断然、いい。
掃除中、庫内の食材はレジ袋などにインして、冷えさらばえた玄関あたりに置いておくだけで悪くせずに済む。屋内気温すら野菜室並みに寒いという、この気温を活かせる。凍ったものが詰まっている冷凍庫の掃除も冬が旬だ。
とはいえそんな冷蔵庫の掃除というもの、どれくらいの人が意識的に行なっているものだろうか。
これは筆者の十数年にわたるヒアリングと観察の限りであるが、「冷蔵庫」を即ち「安心安全万能食品庫」のように思い込み、なんでもぶっこむわりに掃除はしない(しなくても平気?)と判断する傾向が市井にはあるように思う。
そんなハズはない。冷蔵庫に入れておいても野菜など食材が傷んだり、腐ったりカビが生えたりするようなことは存外よくあるではないか。
しかし時折、そんな現実には向き合いたくない心象の現れなのか、食べかけの瓶詰めや調味料やジャム類を(たとえ見た目にあやしくカビているなどしても)捨てずに大事に冷蔵し続けている事象にも遭遇する。今すぐそれを食べろと言われて躊躇するものを保存し続けても意味はないのだが。
冷蔵庫、とくに野菜室というのは、実は細菌の検出数が、「キッチン」全体の中でも大変多い箇所である。いうまでもないが野菜の多くは「土」に接して生長し、収穫されて私たちの元に届く。その土には雑多な細菌が含まれている。
落ちた土そのもののほか、干からびた野菜の皮や葉のクズなども野菜室の底面からはよく見られるが、これらも雑菌の温床である。うっかり見て見ぬ振りで放置したり、ただ洗剤拭きやら水拭きをして綺麗にしたつもりで、そのじつ細菌の増殖を手助けしてしまったりする。となれば、冷気が内気循環である冷蔵庫内全体をも汚染しかねないのだが。
そんな「冷蔵庫内掃除」と、菌を減らすべく「除菌」という作業を行なうにあたり、これを同時に行なえるとても便利な「消毒用エタノール」という道具がある。ただ、冷蔵庫メーカー側が、この「消毒用エタノール」の使用を忌避、あまり「いい顔」をしないことが、この仕事をしている筆者にとっては、長年のネックだった。
「消毒用エタノール(アルコール)」が有機溶剤の一種と捉えられ、冷蔵庫内外の素材(プラスチック類)を変質させたり傷めかねないというのがその主な理由だ。まあそれは致し方ないところがあるものの、非常にどこかすっきりしない思いで「自己責任のもと」消毒用エタノールでの掃除や除菌を行なうことを、ずっと推奨せざるを得なかったのである。
先日発売されたばかりの、花王の新しい除菌スプレー「クイックル Joan(ジョアン)」は、「ノンアルコール」を謳っている。
メーカー名 | 花王 |
---|---|
製品名 | クイックル Joan(ジョアン) |
実売価格 | 436円 |
その成分は「ローズマリー水、抗菌剤、安定化剤、除菌剤」との表記で、謎めくほどにシンプルである。抗菌分には「乳酸菌生まれの発酵乳酸」を配合しているとあるが、使用にあたって「酸」の香りは一切しない。
わずかなローズマリーの香りがするだけで、これで除菌スプレーと言われてもイマイチぴんとこない程度にパンチがない。驚くほど「やさしい」印象のスプレーなのである。
イメージとして「除菌効果があるっぽい」刺激臭の類が皆無であり、スーッとするとかヒリヒリするなどといった手肌に感じる違和感すらもない。
おそらくはその安全面に開発の労を割いたのだと思うので、「パンチがない」などと言わずに、冷蔵庫掃除、除菌に活用するのがいいのだろう。
ともかく、優先順位から言えば野菜室からだ。野菜類を取り出し、「クイックル Joan」スプレーを吹き付けたキッチンペーパーで側面や底の汚れを浚う。
汚れがひどすぎる場合は引き出しごと取り出してシンクで洗ってしまうのが手っ取り早い。その後スプレーで「拭き」除菌効果を維持させる。
ぜひ野菜室以外の箇所も、小分けに拭き掃除を済ませていこう。謎の瓶詰めは今年中に捨てよう。