藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

ガラスのようでガラスじゃない、シリコンコップ「shupua」を愛用してわかったこと

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です

 「透明」であるものは清潔である。

 この感覚の出処はいったい何なのだろう。

 「透明」なコップに注がれた透明な水は、冷たくて美味しい気がする。けれども「透明」なガラスコップは繊細で割れやすい。だから小さい子どもや、ペットや、手元のおぼつかない家族のいる家庭などでは、使いたくても、なかなか使いにくいのではないかと思う。

 シリコンコップ「シュプア」を初めて見たのは某ミュージアムショップだった。

 手頃な大きさのコップだなと手にとって、それが「シリコン製」なのに驚いた。シリコンがこんなに透明度が高いものだったなんて知らなかったのだ。

 「すっごーい」と単純に感心し、即購入。我が家にはもう乳幼児はいないのだが、私が粗忽でよくコップを割る。そうして、愛用してわかった使い勝手をレポートしたい。

シリコンコップ「shupua(シュプア)」
メーカー名信越ポリマー
製品名シュプア SPA-001-CL
実売価格1,944円
意外なほどある安定感

 それまで持っていた「シリコン」のイメージにペラペラ感、というものが私の中ではあったのだが、案外どっしりしており、重みがある。水などを入れた際に、あまり倒れる心配が生じない。底部に厚みを持たせたデザインゆえなのだろう。

滑りにくいグリップ感

 「シリコン」らしく、グリップ感があり、つるりとしたコップの割に非常に持ちやすい。もっとも手を滑らせても割れないのだけれど。このグリップ感のおかげで手に持った際に力を入れずにすむ分、軽く感じる。意外な使い勝手である。

普通の洗いやすさ

 樹脂ゆえに、口紅などが付いてしまうと、じゃっかんガラスに比べれば貼りつく感がある。ただ、食器用中性洗剤とスポンジを併用して洗えば、汚れ落ちは普通だ。

ちょっと不思議な口当たり

 「シリコン」の薄い部分が口に当たる。じゃっかん、その柔らかさに違和感は生じるが、使っていれば慣れる程度だ。

お湯は入れられるが熱さに注意

 耐熱温度が200℃なので、お湯や熱いお茶、コーヒーなどを入れても問題ない。割れもしない。ただ、あまり熱いものは入れないほうがよさそうだ。なぜかというと本体が熱伝導しにくいので、手に持ったときの感覚で「あまり熱くない」と思っても熱いものが入っている場合がある。火傷しても困る。

重曹では洗えない

 アルカリ洗浄剤は使用しないでくださいと商品サイトにある。クレンザーも使用不可である。

ニオイがついて落ちない場合はどうしたら?

 樹脂もので身近な「密閉容器」などを使っているとあるあるなのだが、この「シリコン」も飲み物のニオイを吸着させてしまう懸念はある。その場合、食器用中性洗剤で洗った後、ひたひたの熱湯での煮沸が推奨されている。コップを煮る図はシュールだが、困ったら試してみよう。

 「メラミン樹脂」などを筆頭とした、既存の「割れない食器」の類の持つ、消し難い「安っぽさ」をどこまで払拭した使い勝手が期待できるかはまだ未知数。けれども、こういった高級感を醸し出す「割れない・安全な」食器が市場を席巻するのは、これから老いていく世代として諸手を挙げて歓迎すべきなのではないかと思った。

透明度が高く、高級感を醸し出している

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。

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