ぼくらの自由研究室

ペットが留守番中だっていつも一緒! スマホで操作できる移動式留守番カメラ「ilbo」

いつもペットと一緒にいられれば、それ以上に素晴らしいことはない。でも、仕事や学校に行かなくちゃならないときもあれば、家族の誰かに預けて家を空けなきゃならないときもある。

そんなときに役立つのが、外出先から部屋の様子が見られるWebカメラだ。ただし、ふつうのWebカメラだと、ペットがカメラの前にいなければ写らない。ペットのお気に入りの場所に向けておいても、気まぐれな子は部屋をウロウロ。外出先からペットの姿をWebカメラで捉えるのは難しいことも多い。

エクストランの移動式留守番カメラ「ilbo(イルボ)」。自走式のWebカメラなので、ペットがどこにいても外出先から探索し、その姿を捉えられる

でも、この移動式留守番カメラilboなら、部屋を自由に走り回れるうえ、ペットに声をかけたり、ペットの声も聞いたりもできる。カメラは左右360度回転(パン)できるほか、上下(チルト)にも振れる。

だからペットがいつもの場所にいなくても、外出先からilboを遠隔操作して部屋の中を探索することだって可能だ。

スマホには映像と一緒にコントローラーのボタンも表示される

自宅でスマホをWi-Fi接続できれば、ほかに必要な機器はなし!

ilboは自宅の無線LANを使って外出先のスマホから操作するので、インターネット回線と無線ブロードバンドルーターが必要になる。正しい用語で説明すると難しそうに思えるが、要は自宅でスマホをWi-Fi接続できればOK!

また、いまのところiPhoneやiPadが対応しているが、秋にはAndroidにも対応するという。いずれにしても専用アプリをダウンロードし、説明書どおりに設定すればうまくいくだろう。

ちょっと難しいのは、スマホの接続先をilboにしたり、自宅の無線LANにしたりというところだ。これさえクリアできれば、あとはスムーズにユーザー登録できるだろう。

けっこう広い範囲が見渡せてびっくり! 映像の遅れとロボ感覚の慣れが必要

充電ステーションを部屋の隅に置いてみると、8畳程度なら部屋全体を見渡せるほど視野が広い。画面の解像度は640×480ピクセルなので、スマホのカメラの精細さに慣れてしまうと荒い感じもする。しかし、外出先から動画を見るとなると、データ通信量もかさむうえ、スムーズな映像を見るのが難しいので、まあ妥当な解像度というところだろう。

左上のGO OUTボタンを押すと充電ステーションから自動的に離脱する
充電中はステーションから外れないようにロックがかかるため、GO OUTボタンで切り離しを行う

ilboの操作は簡単だ。カメラ付きのラジコンを操作すると思えばいいだろう。まずGO OUTボタンで充電ステーションから切り離し、スマホに表示される左側のコントローラーで前後左右に動く。左右はハンドルを切るというより、その場で回転するので、部屋全体をくまなく見渡せるのが特徴だ。

左のコントローラは進行方向。三角ボタンで前後に移動し、LRボタンでその場で左右に回転する。いずれも押している間だけ動くようになっている

操作に慣れが必要なのは、カメラの映像が1~2秒ほど遅れて表示される点。方向転換をして「ココ!」というところでボタンから指を外しても、通り過ぎてしまうので注意しよう。また、段差の近くを走らす場合も注意が必要。8mm以下の段差は乗り越えることができる仕様だが、ロボット掃除機のような段差回避機能はないため、自分のハンドル捌きで回避しなければならない。ilboからの映像は1~2秒遅れるので、もう少し段差まで近づけると攻めて行くと、落ちてしまうので注意してほしい。

写真では部屋の中から操作しているが、実際には外出先からキャリアのデータ回線(3GやLTEなど)経由で操作できる。もちろんフリーWi-FiスポットなどからのアクセスもOK

部屋の映像は、コントローラーのボタンと同時にスマホの画面いっぱいに表示されるので、大きく見やすく、操作もしやすくなっている。

また、右側のボタンでカメラを上下にチルトできるので、ソファの上で寝転んでいるペットの姿や玄関のヒンヤリした場所で涼を取るペットの姿などもしっかり捉えられる。

ちょっとテクニックがいるのは、ilboの車両ならぬロボ感覚。チューリップのように裾が広がったデザインになっているので、イスの足の隙間を走らせる場合などは、スマホの画面で見る映像と実際の幅とのギャップが難しい。

右側のコントローラーでは、カメラを上下にチルトできる
上方向に70度、下方向に20度カメラを上下に振れる。また、カメラのまわりには赤外線ライトが搭載されているので、ソファの下や真っ暗な夜でもまわりを探索できる。ただし白黒映像になる

最初は高さの感覚がつかみにくい。ilboの目線は床上20cm程度。小型のワンちゃんなら首あたり、ちょうどミニチュアダックスフンドやカニンヘンダックスフンドあたりの視線だろう。いつもの自分の視線から見ている風景とはかなり異なるので、高さの感覚は幅以上に難しかった。とはいえ、自分の家なので、何度か使っていれば感覚は身につく。

カメラの目線は、小型犬がフセをしたときの目線より下。ふだん自分の目で見ている床から1m以上の視線とは、かなり違う風景なので、最初は高さの感覚が難しい
左上にあるFASTボタンを押すと早く動く。ボタン表示はSLOWに切り替わる。こうして速度を2段階で切り替え可能だ。また、通常は部屋の音声がスマホから聞こえるが、マイクボタンを押している間は、こちらからペットに声をかけられる
ソファの下に潜る場合や、ペットに近づく場合は速度を落として進む。カメラは上下に動かせるので、ソファにいるペットもしっかり写せる

また、速度を2段階に切り替えられるので、慣れないうちは低速で使うといいだろう。廊下など長距離を移動する場合や慣れてきた場合は、高速モードに切り替えれば素早く移動できる。

なお、ロボット掃除機とは異なり、電池がなくなっても自動的に充電ステーションまで戻ることができない。電池残量はスマホに表示されるので、電池がなくなりそうになったら、自分でilboを充電ステーションまで操縦する必要がある。目標となるグリーンの目印もセットになっているので、画面中央に捕らえるようにして進めば、うまく充電できるだろう。多少のズレはあっても自動で補正され、充電ステーションにたどり着くと、自動的に180度向きを方向転換し充電モードになる。

充電ステーションに戻る場合は、グリーンの目印を画面中央にくるように動かす

動きは静かだが、ビビリなペットはまず動かさずに慣らしてあげる

わが家の定吉くんは、好奇心旺盛でAmazonなどから箱が届くと、とりあえずニオイをかぎにくる。ひとしきりクンクンしたあと、定吉くんのOKを貰ったら箱を開ける。すると再び定吉のニオイ検査が始まる(笑)。

こんなペットならば、まず問題なくスグに慣れてくれるだろう。ロボット掃除機のような派手な音は立たず、スーッと静かに走るので、定吉くんの場合は「またご主人のへんなオモチャかよ?」的な顔をして、そしらぬ素振り。

充電ステーションに戻る場合は、グリーンの目印を画面中央にくるように動かす

ロボット掃除機に慣れているマルチーズの定吉くんは、ilboを見てもまったく怖がらない。コレだけ近づいてもガン無視だ(笑)

でも、ちょっと怖がりな子の場合は、まずは充電ステーションに置いたままで、慣らしてあげるといいだろう。

ilboにはスピーカーとマイクが内蔵されているので、ペットに声をかけたり、ペットの声を聞くこともできる。最初はご主人がいないのに、なぜだか自分の名前を呼ぶ声がするので、首をかしげるかわいい姿が見られるはずだ。

右側にある緑のマイクボタンを押している間、こちらからペットに声をかけられる。ご主人の声がするのに、そこにはご主人がいないので、定吉も不思議そうにしていた

慣れてきたら追いかけっこをして遊ぶなんて楽しみ方も。また、カメラの死角でどうしても姿が見えない! という場合は、「定吉、散歩行くぞ!」「もやし(きゃべつつ)あるぞ!」などという、それぞれのワンちゃんのマジックワードを声がけしてあげれば、部屋の隅から飛び出してくるだろう。

なお、充電時間は3時間程度で動作時間は連続で移動させると2時間程度、待機状態で6時間程度だ。電池はおよそ300回の繰り返し充電が可能で、別途バッテリーのみの販売も行うということ。さらに、じつは隠し機能があり、ilboが学習リモコンにもなる予定。早ければ年末のバージョンアップで、エアコンやテレビの電源を消し忘れても、ilboで電源を切りに行くなんて技も可能になる。

※この記事はペトハピの記事(2016年9月30日掲載)を転載したものです。

ペトハピ

2015年4月にImpress Watch ペット特集としてスタート。同年10月に「ペトハピ」創刊。2017年5月にインプレスから独立し、ペトハピ株式会社として運営中。ペットとオーナーが、どのように共生し、お互いに幸せになっていくかを提案するWebメディア。

https://pet-happy.jp/

藤山 哲人