三洋、徳島県の防災システムに太陽光発電システムと蓄電池を納入

徳島県立南部防災館

 三洋電機は、徳島県が開発を進めている「多機能防災システム」向けに、太陽光発電システム「HIT太陽電池」と二次電池「蓄電用リチウムイオン電池システム」を納入したと発表した。既に徳島県内の県営施設に3台設置され、3月31日より稼働しているという。

 多機能防災システムとは、太陽電池/蓄電用リチウムイオン電池/LED照明/LEDディスプレイを組み合わたもので、災害時には災害情報を表示したり、停電中に非常用電源として付属のACコンセントから携帯電話や充電池などを充電できる。また、通常時には、商用電源を使わずに、夜間照明やイベント情報の表示もできる。さらに太陽電池の出力が不足する場合は、蓄電用リチウムイオン電池を安価な夜間電力で充電し、システムを安定的に作動できるという。1ユニットの電力量は1.56kWh。

 今回設置されたのは、徳島県内の子供向け教育施設「あすたむらんど」、徳島県立南部防災館、徳島県立工業技術センターの3カ所。

 同社は徳島県内にリチウムイオン電池の主要拠点を持つため、徳島県を事務局とする産学官連携の「徳島県次世代エネルギー活用促進研究会」において、リチウムイオン電池を活用した地域産業の活性化に向けて産学官共同で取り組んでいる。同研究会ではこれまで、徳島県庁内に「LED内照式道路標識」、徳島大学に「多機能防災システム」などを設置している。

 三洋では、徳島県庁の敷地内に、電動ハイブリッド自転車の電池が充電できる駐輪場「ソーラー駐輪場」も設置するなど、太陽電池や充電池の活用事例を積極的に紹介している。今後も「創エネ(太陽電池)」と「蓄エネ(二次電池)」の技術を融合できるシステムの開発、商品化、普及を進めていくという。
太陽電池パネルを搭載している下段が電池搭載部分




(小林 樹)

2011年4月18日 14:39