バルミューダデザイン、“自然界の風”を送る扇風機


バルミューダデザインの「GreenFan(グリーンファン)」
 バルミューダデザインは、人にやさしい“自然界の風”を送る扇風機「GreenFan(グリーンファン)」を、5月中旬に発売する。希望小売価格は33,800円。Web通販をはじめ、家電量販店やインテリアショプ、カタログ通販でも販売する。同社ホームページでも受注を開始している。

2種類の風をブレンドして“そよ風”を演出

バルミューダデザイン 寺尾玄 代表取締役社長
 “自然界の風”を送ることをテーマとした扇風機。バルミューダデザインの寺尾玄代表取締役社長によると、これまでの扇風機の風は人工的で、涼しさや心地よさが味わえなかったという。

 「自然界の風というのは、空気が面で移動してくるため、人間に当たってもやさしく感じる。しかし扇風機の風というのは、羽根1枚1枚で切り取られた空気の塊が、回転しながら人に当たっていた。そのため、ボンボンボンと体に当たる脈動感があり、これが“粗い”“固い”“人工的”に感じられるため、涼しくなかったり、長く当たり続けることができなかった」(寺尾氏)

 そこで本製品では自然界の風を再現するために、回転するファンの形状を、内側と外側の2重構造とした。外側のファンは内側よりも約2倍の風量を送り出す設計となっているため、内側の羽根の前方で負圧が発生。外側の風は、本来はファンの外側に広がっていくはずが、負圧のため内側に引っ張られ、ファンの約40cm前方で全ての風が一点に集中する。ここで風がぶつかり合い、空気の塊がなくなった後で、風が大きく拡散、面で移動する空気として、自然の“そよ風”のような、やさしい風に生まれ変わるという。

 同社ではこれを「グリーンファンテクノロジー」としている。寺尾氏は同テクノロジーを「1枚のファンから、2種類の風を出して、風の方向を変化させる技術」と説明する。

ファン部カバーを取ると、内側と外側に2つのファンが用意されているのがわかる外側は内側の2倍の風量となる
内側の風量が弱いため、負圧が発生。外側の風が引きつけられぶつかるが、これにより、風がそよ風のように広がるという従来の扇風機は、空気を切り取ったような風が送られるため、人工的に感じられるという

従来の扇風機との、風の広がり方の違い。GreenFanは広範囲に広がっているファンの前方1mほどのところで、風の揺れを確かめてみた。動画は1段階から4段階へ順番にパワーを強めている

DCブラシレスモーターで省エネ効果。サーキュレーターとしても使用可


 この“そよ風”を演出するために、モーターには一般的の扇風機で搭載されているようなACモーターではなく、デジタル制御のDCブラシレスモーターを採用。このため、一般的な扇風機の回転数が600回転に対し、GreenFanでは半分以下の250回転(最小)と、出力を抑えた運転が可能となっている。

 DCブラシレスモーターの採用により、消費電力も低減。最小でも4W、最大でも21Wと、一般的な扇風機の約30Wよりも少ない数値となっている。

 運転モードは4段階。1~3段階ではやさしい風を送り、4段階目では、ファンの回転数を高めた「サーキュレーターモード」となる。同モードの風の到達距離は約8mで、同社では“サーキュレーター専用機に匹敵する”風が出せるとしている。

やさしい風を送るため、回転数は従来の扇風機よりも半分以下に抑えたDCブラシレスモーターの採用により、消費電力は最小で4Wとなった
パワーを最大にすると、最長8mの距離まで風を届けるサーキュレーターモードとなる発表会では、8mほど離れた距離に風を届けるデモが行なわれた

 首の伸縮機能は備えていないが、中間ポールを着脱することで、高さ867mmの「フロア用」、467mmの「卓上用」の2パターンに変形できる。夏はリビングの扇風機として、冬は卓上のサーキュレーターとして使用できるという。

 このほか、操作ボタンはファン後方に搭載。台座部には、電源のON/OFFや風量、オフタイマーの残り時間を示すインジケーターが用意されている。

 本体サイズは330×320×867mm(幅×奥行き×高さ)で、卓上で使用する場合の高さは467mm。重量は3.8kg。風量は4段階に設定でき、消費電力は4~21W。コード長さは2m。オフタイマーは1/2/3/4時間。左右首振りも可。

支柱の中間ポールは着脱可能ポールを取ることで卓上サイズにもなる冬にはサーキュレーターとしても使えるという
操作ボタンはファン後方にある一般的な扇風機では台座部に操作ボタンがあるが、GreenFanでは動作モードを示すインジケーターが用意されている
ファン前面のガードはマグネットで硬く固定されている。取り外しには付属の器具(写真左下)が必要。寺尾氏曰く「無くさないでください」写真のように本体後方を持つ

まったく新しい“涼しさを得る道具”


GreenFanを「まったく新しい“涼しさを得る道具”」とする寺尾氏。これまではLED照明を多く取り扱ってきたが、今後は冷暖房機器を展開するという
 メーカーのバルミューダデザインは、これまでLEDを光源とするスタンドライトなど照明器具が中心だったが、このGreenFanを皮切りに、技術革新と省エネを柱とする冷暖房機器事業を展開していくという。

 寺尾氏は、GreenFanを開発した理由について、「19世紀末に扇風機が発明されて以来、大きな技術革新は起こっていない。他のものが変わっているのに、“扇風機だけ何でこんなに変わらないのか”と考えたが、実際には“エアコンが苦手”という人は居るし、エアコンやストーブなどの冷暖房と併用することで、(空気を循環することで)トータルで省エネにつながる効果もある。商材としては非常に面白い位置にある」と述べた。

 また、GreenFanの希望小売価格である33,800円は、大手メーカーの高級扇風機の実売価格の倍以上にあたる。寺尾氏は「3万円の扇風機は“トンデモ価格”だと思います。私も3万円の扇風機は買いません」とする一方で、「しかし、GreenFanは扇風機ではありません。クーラーが苦手な方や、扇風機の風に当たり続けられない方はいっぱいいらっしゃるはず。その方たちが、実際に涼しさが得るためものを、我々は目指してる。エアコンと扇風機の中間に位置するもの、もしくはエアコンの先に位置するものとして、まったく新しい“涼しさを得る道具”として、ご提案していきたい」と、これまでの扇風機とは違った概念の製品であることを説明した。



 記者も実際にGreenFanの風を体験してみた。風の強さは一般的な扇風機よりも弱めだが、体の広範囲に風が軽く、またやさしく当たるため、確かに“そよ風”のような雰囲気は味わえた。

発表会では体験会も実施された。試用者の「風が広がる」という感想に笑顔を見せる寺尾氏既に発売中のLEDスタンド「Highwire Smooth」も展示されていた



(正藤 慶一)

2010年4月2日 00:00