家電製品ミニレビュー

ダイキンの空気清浄機は、部屋に置きたくなるスタイリッシュなデザインが魅力

ダイキンの「加湿ストリーマ空気清浄機 MCK55S」

 花粉、ホコリに加え、ここ数年深刻化しているPM2.5、黄砂などの環境問題もあり、空気清浄機は“一家に一台”の時代になってきた。

 しかし、空気清浄機は扇風機やヒーター同様、部屋の目立つところに置く部類の家電。寝室や子ども部屋など、広くない部屋に置くには存在感がありすぎたり、スタイリッシュなインテリアの中では浮いてしまうなど、デザイン面で気になる点が正直あった。

 そんな声に応え、最近は各メーカーからデザイン性に優れたコンパクトタイプの空気清浄機が続々登場してきた。今回紹介するのも、スリムなボディがひときわ目を引く、ダイキンの「加湿ストリーマ空気清浄機 MCK55S」だ。

メーカー名ダイキン
製品名加湿ストリーマ空気清浄機 MCK55S
購入場所Amazon.co.jp
購入価格56,800円

デザインは大満足! 肝心の性能は?

 梱包された段ボールから中身を取り出し、部屋に置いた瞬間、「お〜、これはいい!」と思わず感動した。空気清浄機には珍しい縦長のスタイリッシュなデザインで、くっきりした「ブライトオレンジ」カラーも、ブラウンやグリーンが多いわが家のインテリアのアクセントになっている。

 設置面積はハンカチおよそ1枚分、27cm四方だ。高さは70㎝で、テーブルなどの家具と合わせやすいという。なお、適用床面積は、空気清浄機能のみの場合で約25畳、加湿機能を併用する場合は約14畳だ。カラーはほかに、ホワイト、ミッドナイトブルー、ディープブラウンがあり、インテリアのテイストに合わせて選ぶことができる。

 個人的には、これだけでもう十分満足、と言いたいところだが……空気清浄機は、効果を発揮してこそ存在意義のあるもの。さっそく構造と使用感をチェックしてみたい。

インテリアになじみやすいデザインとカラーリング
背が高くスリムなので、スタイリッシュな雰囲気を感じさせる

下から上に積み上げてスリム化を実現

 空気清浄機は基本的に、部屋の汚れた空気を吸い込み、本体内でキレイにしてから放出する、という作業を繰り返すもの。従来モデルは、側面で吸引した空気を前側から順に設置したフィルターを通り、上から吹き出す構造だったが、本モデルは下から上に向かってフィルター類を積み上げていくことで、設置面積を抑えることができたという。その構造を確かめてみた。

両サイドと下側前方にある吸い込み口から空気を吸引し、「プレフィルター」で大きなホコリを除去
本体下部に内蔵された「ストリーマユニット」で、カビやダニ、花粉などを除去
帯電した集じんフィルター「高性能フィルター」がホコリや花粉を吸着
脱臭触媒でニオイを吸着
アレル物質を空気中で酸化分解する「プラズマイオン」を生成。浄化した空気と一緒に吹き出す

見られているみたい? 室内に動きがあるたび敏感に反応

 本モデルには、ホコリ、PM2.5、ニオイを検知する「トリプル検知」センサーが搭載されており、それぞれがキレイな状態のときはランプが緑色を点灯しているが、感知するとオレンジ色、強く感知すると赤色に変わって知らせる。

 そこで本モデルをリビング・ダイニングに置き、電源を入れて風量「自動」を選択してみた。すると最初は3つとも緑が点灯していたが、間もなくホコリとPM2.5のランプが赤色に変化! 風量が自動でアップし、懸命に汚れを吸い込んでいる。目にはほとんど見えないが、やはり何も対策をしていない部屋には、いろいろなものが浮遊しているのだろう。こういう反応をされると、無意識に息を殺してしまう。それから5分ほど強運転を続けた後、汚れも一段落したのか風量が収まり、ランプもすべて緑色になった。

基本操作は、本体の操作パネルでも可能
湿度設定やチャイルドロックなど、リモコンでしかできない操作もある
ホコリが溜まっていそうなクッションを近くで叩いてみたところ……
しばらくしたらホコリセンサーのランプが緑からオレンジ色に変わった

 このセンサー、人が出入りしたり、洗濯物を取り込んだりしたときなど、動きがあるたびにきっちり反応し、なかなか頼りになる。またニオイセンサーも敏感で、料理を始めるとすぐに反応し、魚など焼こうものなら「煙くさい!」とばかりに赤く点灯。さらに除光液を使ったときや息子が帰ってきたときも反応するため、なんとなく「今、◯◯やってるでしょう?」と行動を見られているような気分だ。

次はニオイの実験。香りを楽しむためのお香を用意した
吸い込み口に近づけてみると、最初は煙がゆらゆら揺れている
ある瞬間、風量が上がり、煙がまっすぐ吸い込まれ始めた
ニオイセンサーはもちろん赤に
ちなみに息子の靴下は、オレンジ色のランプで済んだ(笑)

嬉しい加湿機能、給水しやすさに工夫あり

 この製品は加湿機能もついている。加湿用の給水タンクと加湿フィルターユニットも搭載されているが、この給水タンクの位置が実にいい。本体の上のほうに設置されているため、着脱するときに腰を屈めなくていいのだ。またタンク自体の高さも19㎝と低く、ボウルが浅めの洗面所で給水しやすい点も配慮が感じられる。ちなみにタンク容量2.7L、1時間あたりの加湿能力が約500mLというのは、コンパクトタイプ相応のスペックだ。

天面に近い位置に給水タンクの取っ手があり、さっと着脱できる
その奥に、加湿フィルターユニットを設置。加湿水は「ストリーマ」で除菌されているという
給水タンクが低く、口が広いのも給水しやすいポイント

メンテナンスは定期的に

 定期的にお手入れをしなくてはならないのは、どの製品でもほぼ同じ。本モデルの場合、プレフィルターは2週間に1回、掃除機をかけて水洗い、ホコリ・PM2.5センサーは3カ月に1回拭き取り、加湿トレー、加湿ユニットも1カ月に1回程度、洗う必要がある。もちろんそのほかのパーツも、汚れたらキレイにしないと性能が落ちてしまう。

 お手入れで配慮された点といえば、プレフィルターのパネルを開けずに、そのまま掃除機でホコリを吸引できるようになったこと。この後水洗い作業があるので、結局取り外すわけだが、普段のお掃除のついでにちょこちょこ掃除できるのは便利だろう。

 また重さは、9.5㎏と結構重い。高さもあるので、小柄な人が持ち上げるのは大変かもしれない。キャスターが付いているといいが、別売りなので、部屋を移動して使う可能性があるならキャスターも用意するのがおすすめだ。

掃除のついでに、ささっとホコリを吸引できる仕様に
筆者は問題なかったが、人によっては持ち運びが大変な重さと高さ

空間になじむデザインとコンパクト設計で欲しくなる1台

 使用してみて感じたのが、やはりデザインの重要性。リビング・ダイニングに置いたところ、家電を置いているというより、むしろインテリア家具を置いているような気分になる。これで空気をキレイに、加湿もしてくれるというのだからありがたい。

 また運転音があまり気にならないのも嬉しい。スペック上の数値にある「ターボ運転時 53dB」というのは、一般的か、むしろ大きいほうだと思うが、本モデルは「人が感じる運転音」を従来の30%低減しているという。そのためか筆者もつい、運転していることを忘れたり、ちゃんと動いているのか確かめてみたりすることが多かった。音の聞こえ方は人それぞれなので一概にはいえないが、寝室や広くない部屋での使用を考えているなら、運転音も重要な要素なので、ぜひチェックしてほしい。

田中 真紀子