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東電/日立/パナソニックの3社が、住宅内IoTプラットフォーム構築に向けた共同実証試験を開始
2016年11月7日 16:25
東京電力パワーグリッド、日立製作所、パナソニックの3社は、住宅内の電気の使用状況や温度などの情報を収集・蓄積・加工できる、IoTプラットフォーム構築に関する共同実証試験を開始すると発表した。
共同での実証試験は、2016年11月から2017年3月までの間に行なわれる。東京都を中心とした関東エリア約100戸の住宅を対象に、家電製品の種類ごとの電気使用の変化をリアルタイムに検知するためのセンサーを、複数設置するという。
センサーは分電盤内外に設置する予定。現在、取り付けが考えられているセンサーは、電力や温度/湿度、照度センサーなど。
今回の実証試験における各社の役割については、東京電力パワーグリッドが全体の取りまとめや専用センサーの開発、データ処理および取得。また、こうしたデータをサービス事業者と共有した上で、協業の可能性を検討していくとする。
日立製作所はデータの蓄積や加工を担当し、プラットフォームの有効性を検証。パナソニックは、高速PLCによる住宅内機器間のネットワークの有効性を検証していくとする。
将来提供されるサービス像
同プラットフォームを設置した家庭では、家電ジャンルごとの電気使用量が把握できる。また、プラットフォームには、温度や湿度、照度センサーなどが組み込まれる。こうした情報を解析することで、「見守り」や「家電製品サポート」、「電気使用状況の見える化」サービスの提供が考えられるという。
例えば、数日間も家電が動いていなかったり、極寒の冬にエアコンが動いていない日が続いていたりすれば、その家で異変が起こっていることが分かる。
また、家電製品が故障する前には、異常な電気の流れや電力波形が検知できるという。そのため、製品が故障することを予兆し、あらかじめ家電の買い替えを促すなどが考えられるという。
「電気使用状況の見える化」については、リアルタイムに家電ジャンルごとの電気使用量が分かるようにする。例えば、外出してから電気ストーブなどを消し忘れていないか不安になった際には、スマートフォンなどで、ストーブのON/OFF状況が分かるという。
HEMSとの違い
なお、宅内の電力使用量を把握する方法として、従来からHEMSが知られている。このHEMSと、今回3社が試験をするプラットフォームとは違うものだという。
HEMSで、各製品の電力使用量を知るためには、1つ1つの製品にセンサーを組み込む必要がある。だが、今回のプラットフォームでは、電気を引き込む分電盤に、1つの電力センサーを取り付ければ良いという。そのため、設置が比較的に用意な上に、導入コストも抑えられるのがHEMSとの違いだという。
なお、取り付けられるセンサーの例として挙げられた照度センサーについては、リビングなど宅内の任意の場所に、IoT基盤とは別個に取り付けることになるとする。