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パナソニック、HEMS連動で家電や電気の状態だけでなく、家族の様子も見守れるアプリ

12月21日に提供が始まる「スマートHEMSサービス・アプリ」

 パナソニック エコソリューションズ社は、同社の「スマートHEMS」導入家庭を対象に、スマートフォン向け「スマートHEMSサービス・アプリ」の提供を12月21日に開始すると発表した。

 HEMS(ヘムス)とは、家庭で消費するエネルギーを最適に管理するシステムのこと。「スマートHEMS」は、AiSEG(アイセグ)という制御装置を核とした同社のHEMS製品およびサービス。

エアコンなどの家電を自動で制御し、快適さを保ちながら節電する制御装置「AiSEG(アイセグ)」
エネルギー使用量や来客など、住まいのさまざまな情報を“見える化”する、AiSEG対応の多機能型の情報モニター「住まいるサポ」
同じくAiSEG対応の住宅機器コントローラー。対応エアコンなど宅内の機器を、モニターで一括操作できる
「AiSEG」を宅内に導入することで、洗濯機や冷蔵庫など、多彩な宅内機器の利用状況(電力消費量)を簡単に把握できる

HEMSで得たデータを、より生活に密着した情報として見せるアプリ

 新たな「スマートHEMSサービス・アプリ」のポイントは、以下の3点となる。

1. 家事サポートサービス
2. 家族の見守りサービス
3. 家電製品などの遠隔制御サービス

電力消費量を分かりやすく表示
洗濯機の洗濯が終了したことを通知
エアコンの付け忘れを外出先で確認
子どもの帰宅を外出先から把握
子ども部屋の空気清浄機を外出先から操作
家族が就寝したことをチェック

 まず【1】については、洗濯機の運転終了情報や、食器洗い乾燥機、洗濯機、炊飯器の運転開始忘れをスマートフォンにプッシュ通知する。

 【2】に関しては、HEMSで捉えた電気消費量を元に、子どもの帰宅を、利用者のスマートフォンにプッシュ通知するもの。また、夜間に寝室が消灯されれば、外からでも家族が就寝したことが分かるというようなこと。

 【3】では、宅外から、対応する家電や住宅設備機器の運転状態の確認や操作を可能にするもの(2016年9月21日にサービス開始予定)。対応製品として、寝室のエアコンやリビング照明、空気清浄機やエコキュートなどが挙げられた。

 例えば、共働き家庭の場合では、まず子どもの帰宅をアプリで把握できるほか、子ども部屋の空気が汚れていれば、外出先から空気清浄機のパワーをアップさせて、子どもがいる空間の快適性を上げることもできるという。

 また、お父さんが帰宅時に、自宅の照明などをチェック。寝室の照明が消灯していれば、家族が寝ていることが分かる。そのため、静かに帰宅するよう気をつけることもできるとする。

「スマートHEMS」利用者が、より身近にHEMSを活用できるした

新事業推進センター サービス企画・開発課 岡村晶子氏

 発表会では、「スマートHEMSサービス・アプリ」の開発に携わったサービス企画・開発課の岡村晶子氏が登壇。同氏は、子どものいる主婦である自身の体験を元に、新アプリの企画を進めたと話す。

 「これまでもHEMSによって吸い上げられた宅内の情報を、専用端末の他にも、テレビやパソコンなど様々のデバイスで、確認できるようにしてきました。それでも、HEMSのデータを積極的に見に行く、というのは難しかった」

 「今回のアプリは利用者に、よりHEMSを活用してもらえるよう心がけました。例えば、エネルギー消費量がグラフ表示されるだけだった従来アプリから、ひと目で電気料金が分かるように変えました」

アプリを開くと、その日に消費した電気量と電気料金が表示される。同時に、消費量の多い製品などが目立つよう表れる
製品ごとの消費電力の詳細がすぐに分かる
1日の消費電力と、かかった電気代がほぼリアルタイムに分かると同時に、今月の電気代もひと目で把握できる
アプリを開いた時間までの消費電力量を、その前日と比較したページ
製品や電気回路ごとの電気使用量の推移をグラフで表示
「スマートHEMS」ユーザーの中で、自宅がどれだけ消費電力が少ないかをランキング表示。ランキングは月に一度更新される

生活者の支援という視点で、今後もサービスを拡充していく

エコソリューションズ社 エナジーシステム事業部 新事業推進センター 磯崎典夫所長

 発表会の最後には、同社の新事業推進センター 所長の磯崎典夫氏が、今後のサービスの拡張について、展望を次のように語った。

 「新たなアプリでは、データを使うだけでなく、生活者視線で使いやすさを追求し、見せ方を工夫した点がポイントです。

サービスの今後のロードマップ

 来年は電力自由化が開始されます。この電力自由化に対応したサービス、具体的には各家庭に合わせた電力選択のアドバイスなどができるようにしたい。さらに今後は、(世帯ごとに発電し、電力を消費する)ゼロエネルギー住宅の普及も支援したいと思っています。

 今後も生活者の支援という視点で、サービスを強化していきますので、期待して欲しい」と締めくくった。

河原塚 英信