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シャープがヤフーのIoT向けプラットフォーム「my things」のパートナーに
~インターネットとつながることで冷蔵庫やロボット家電がさらに便利に
(2015/7/28 12:50)
ヤフーは、IoT時代に向けた事業者向けプラットフォームサービス「myThingsプラットフォーム」と、同プラットフォームを活用して開発したユーザー向けスマートフォンアプリ「myThings」(iOS/Android用)を27日に公開した。
モノとインターネットをつなげて新しい価値を創出するIoT(Internet of Things)分野に対応した取り組み。ヤフーでは、「ユーザーの生活を豊かにする」ことを目的として、様々なIoT製品やWEBサービスのAPIを集めた事業者向けのプラットフォームを公開するとともに、モノとサービス、サービスとサービス、モノとモノなど様々な“組み合わせ”をユーザーに提供するスマートフォンアプリを提供する。
ヤフーの執行役員 CMO 村上臣氏は、IoTについて以下の様に語る。
「今や、あらゆる人の手元にインターネットがある時代。手のひらのスマートフォンだけでなく、モノや車など周囲に広がっているものにも、インターネットがつながるようになってきた。今後は、街そのものがWEB化していく。IoTには、それくらいのポテンシャルがある。現状、IoT製品はあるが、それぞれ個別に動いている状態で、横のつながりがなく、通信方式などの要素技術がバラバラという状況。利用者からすれば、それぞれアプリが違うという状況で、設定やダウンロードも個別に行なう必要がある。1つでなんでもできるようにするべき」
「myThingsプラットフォーム」は、様々な製品やサービスのAPIを公開することで、新たな付加価値を生み出すことを目的とする事業者向けプラットフォームサービス。自社製品のAPIを公開し、他事業者がそのAPIを活用することで、本来想定していなかった付加価値を生み出すとしている。
「オープンな形で提供することで、組み合わせがうまれ、新しいサービスが生まれる。最低限のところは、我々で提供していくが、それから先、どうやってビジネスしていくかはパートナー企業次第。将来的なマネタイズは未定。まずは、無償でこのプラットフォームをスタートしていく」(村上臣氏)
シャープは、最初のパートナー企業として、同サービスに賛同。冷蔵庫やロボット掃除機などの家電製品においても、IoT分野で発展、サービス提供を積極的に進めていく。
ユーザー向けスマートフォンアプリ「myThings」では、様々な“組み合わせ”を提案。「家族と距離が縮まる」「忙しくても情報を逃さない」「動画や音楽をもっと楽しく」など、シーンに合わせたチャンネルを30チャンネル用意(2015年7月現在)。
「例えば、自分が飲みたい時にコーヒーが入っていたり、お水を自動で注文してくれる、あるいは、防災、災害予知など、可能性や組み合わせは無限にある」(村上臣氏)
アプリ開発室 室長の椎野孝弘氏は、具体的な組み合わせとして、「ペットを飼っていて、室温が高温になるのが心配、それを知らせてくれる、あるいは大好きなアーティストの動画が追加されたら、メールで連絡がくるなど“こういう機能があったらいいのにな”ということを実現できる」と話す。
会場では、実際の製品とサービスを使ったデモンストレーションが展示されていた。シャープのロボット家電「ココロボ」は、ウェアラブル活動量計の「UP」と組み合わせることで、UPがユーザーの起床をココロボに知らせ、ココロボが当日の天気などをしゃべるなどのデモを行なっていた。
村上臣氏は、「IoTのサービスは日常生活に深く浸透しており、エリアが限定されるなど、今までのビジネスとは、だいぶ違う様相を見せるだろう。ニーズやユースケースは細分化され、小ロットで採算が取れるようなビジネスモデル、100人ほどの根強いニーズがあれば成り立つようになる」と語る。
一方、シャープの家電との連携に関しては、「現状、お互いの目線でできるところをやっている段階。世の中にちゃんと出て、試行錯誤が生まれてくるのかなと思う」と話した。
シャープ 健康・環境システム事業本部 インテリジェント家電推進センター IoT開発室 室長の六車智子さんは、「シャープは冷蔵庫や洗濯機など白物商品、暮らしの中に密着している製品を作っているが、私自身、毎日家事をしていて一番困るのが夕食のメニューを考える時。誰か提案してくれればいいのにといつも思う。そういった細かいニーズを含めて、お客様とつながるというところ、サービスを含めて横断的なつながりを作るというところが重要だと思う。ただ、一社ががんばってやってもできないなというのを本当に実感している。ものとものだけがつながっていくだけでなく、企業と企業がつながっていく必要がある」と話す。