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ダイソンが8年ぶりにリリースした“アップライト型”掃除機とは

 今月はダイソンから、“コードあり”の掃除機が2機種発表された。1つはアップライト型の「dyson small ball」で、もう1つがキャニスター型の「dyson ball」。両モデルのメディア向け説明会が開催されたので、その詳細をレポートする。

アップライト型の「dyson small ball(ダイソン スモール ボール)」
キャニスター型の「dyson ball(ダイソン ボール)」

 いずれも電源コードをコンセントに繋げる必要のある掃除機。バッテリーの心配がないため、広い家に住んでいる家庭や、隅々までしっかりと掃除したいユーザーに適していると言える。

吸引力で妥協せずにスティック型感覚で掃除できる“アップライト型”

 国内では見慣れない形のアップライト型。同社がアップライト型掃除機をリリースするのは、2008年に発売された「DC24」以来とのこと。

 同社スタッフによれば「アップライト型掃除機は、イギリスやアメリカでは、だいたい半数の家庭で使われている」ほど一般的な形だという。

2層に19個のサイクロンが配置され、強力な遠心力を生み出し、風量を強めて微細なゴミまで捕らえる
日本国内で販売されているモデルの中で、最大容量を誇るダストボックス

 スモールボールは日本国内で販売されている同社製品の中で、ダストカップの容量が一番大きいのも特徴。本体が自立するうえ、ホースをスッキリと収納できる。そのため、吸引力やダストボックスに妥協しなくても、キャニスター型と比べてスマートに収納できるのも利点だ。

ハンドルは伸縮対応するので、短くすれば収納しやすい
スティック型と同じような感覚で使える
内蔵されたホースを引き伸ばせば、棚の上やエアコンの掃除などもラクに掃除できる
ハンドルの先端のフタを開けると、ジョイント部が現れる
ハンドル部を一度抜き取り、ホースを伸ばす
一度抜き取ったハンドルは、逆向きにホースに接続すると、キャニスター型のように掃除できる
本体の後部には「コンビネーションノズル」と「ステアツール」を装着されている
コンビネーションノズルとステアツールは、ホースに直接、またはハンドル部に取り付けて使える
棚の上などのステアツールは大きめのゴミを掃除するのに最適
コンビネーションノズル。棚と棚の隙間などを掃除するのに適している
ブラシ部をスライドさせて使えば、より細かいホコリも掃きながら吸い取れる

 気になるのは本体の重さだが、スペックシートによれば5.42kg。本体ごと持ち上げると、軽いとは言えない重量。ただし、実際にスティック掃除機のように使ってみると、重いという感覚はまったくなく、ヘッドの向きも軽快に動かせた。

本体重量は5.42kgと重めだが、実際に使ってみると、その重さを感じさせない
左右にもスムーズにヘッドの向きを変えられた
会場内にはコースが設けられ、スモールボールの使い勝手を実演した
会場内に設けられたコースを、軽快に掃除していくスモールボール

 あらゆる床面で、自動で床面との密閉性を調整する「セルフアジャストクリーナーヘッド」についても重点的に説明された。これは、カーペットとフローリングを区別して、床面とクリーナーヘッドとの密閉性を自動で調整してくれるというもの。調整することで床面が変わっても、吸引力が一定に保たれる。

ヘッドの先端にダンパーのようなパーツが採用され、床面の硬さ、柔らかさによって、密閉性を変化させる
床面が硬いフローリングなどでは、ヘッドが沈み込み、密閉性が高まる
密閉性をさらに高めたい場合は、ヘッド先端にあるスイッチを「MAX」にスライドさせる
先端のスカートが下がり、床との密閉性が高まる。ただし、フローリングで使うと密閉されすぎる
底面にある赤いスイッチを押せば、ヘッドを取り外せる
ヘッドのフタを開ければ、ローラーを取り外せるので、メンテナンスが簡単

床面ごとに最適な2つのクリーナーヘッドを付属したキャニスター型

 説明会では、「dyson ball(ダイソン ボール)」シリーズの発表も行なわれた。製品スペックなどの情報は既報の通り。

「dyson ball(ダイソン ボール)」シリーズ。付属するヘッドの種類などによって、様々なモデルを展開
2層に24個のサイクロンを搭載する
電源コード

 ハイエンドモデルの「Dyson Ball Animal+Fluffy(ダイソン ボール アニマル プラス フラフィ)」には、異なる特性を持った2つのクリーナーヘッドが付属したのが特徴。

「ダイソン ボール アニマル プラス フラフィ」に付属する、ソフトローラークリーナーヘッド(左)と、ダイレクトドライブクリーナーヘッド(右)

 同社スタッフによれば、「従来機種に付属するクリーナーヘッドは1つでした。今回は2つ付属したので、床面によって使い分ければ、より効果的にゴミを吸い取れるようになりました」と説明する。

 付属されるヘッドの1つ、「ソフトローラークリーナーヘッド」には、ナイロンフェルトで覆われたローラーを採用。大きなゴミを捕らえると同時に、微細なホコリまで取り除けるという。特にフローリングでは、他のどの掃除機よりも多くのゴミを吸い取れるとする。

 同スタッフによれば「フローリング掃除であれば、これまで掃除機を使った後に、拭き掃除をしていた方もいらっしゃると思います。このソフトローラークリーナーヘッドは、そうした二度手間がいらなくなります」という。

 もう1つの「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」には、硬いナイロンブラシを採用。カーペットの奥深くにまで入り込み、ゴミを取り除けるのが大きな利点。

 説明員によれば、「カーペットを他の掃除機やヘッドで掃除した後に、このダイレクトドライブクリーナーヘッドで掃除すると、びっくりするくらいにゴミが残っていたことがわかりますよ」という。

ナイロンフェルトで覆われたローラーを内蔵する「ソフトローラークリーナーヘッド」
硬いナイロンブラシを採用した「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」

 例えば、フローリングのリビングに、冬はカーペットやラグを敷いている家庭であれば、季節ごとに最適なクリーナーヘッドを装着させて使い分けられる。

 説明会で登壇した、同社のデザインエンジニアのマーティン・ピーク氏は、掃除機市場全体ではキャニスター型は年々縮小傾向にあると語る。その上で、「ダイソンのキャニスター型掃除機は台数ベースでも金額ベースでも順調に伸びている」とした。

「ダイソン ボール」に内蔵されるデジタルモーターV4を手にする、デザインエンジニアのマーティン・ピーク氏