長期レビュー

東芝「VEGETA GR-F56FXV」

東芝「VEGETA GR-F56FXV」 前編

〜“保存した方がおいしくなる”野菜室の威力にびっくり!

「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、複数回にわたってお届けする記事です。(編集部)
東芝 「VEGETA(ベジータ) GR-F56FXV」。今回お借りしたのはクリアシェルホワイトだが、そのほかのカラーにはクリアグランブラウン、クリアレディッシュゴールドがある。本体表面には光沢のあるクリアガラスを採用している

 今年の3月に9年ぶりに冷蔵庫を買い替え、愛用しているのが東芝ホームアプライアンスの「VEGETA(ベジータ)GR-E62FX」だ。野菜室がまん中に配置されていることや野菜のうるおいを保って保存する「うるおい補給野菜室」、野菜を下ごしらえなしで便利に冷凍できる「野菜冷凍」機能など、野菜好きにはたまらない機能が充実しているうえ、消費電力量も少ないので買い替えによって電気代が目に見えて減ったこともうれしい。

 そんなベジータファンの私のところに、なんとこの秋発売されたばかりの新ベジータ「GR-F56FXV」のモニター依頼が舞い込んできた。マンション暮らしのわが家だが2台の冷蔵庫を置けるのか!? 家族とも相談した結果、リビングの一画ならなんとか置き場所が確保できそうだ。ならば、進化したベジータの機能を確かめでみようではないか。

 ということで1カ月間ほどモニター機をお借りして実際に使ってみた様子を2回にわたってレポートする。まずは、新モデルの基本的な説明と前モデルとの違いについてをお伝えしよう。

メーカー 東芝ホームアプライアンス
製品名 VEGETA GR-F56FXV
希望小売価格 オープンプライス
参考価格 285,800円(ヨドバシ.com)

クリアガラス採用でプレミアム感あふれる新モデル

 新製品発表会でのお披露目の際にも目を見張ったのが、本体ドア全面の艶やかなクリアガラス。毎日使うものだし、常に存在感を持ってキッチンに鎮座しているものなので、デザイン性というのは購入時においてけっこうポイントになる点なのではないだろうか。モニター機がわが家に到着してあらためて感じたのは、やはりその美しさ。前モデルGR-E62FXも大のお気に入りではあるが、この点においては「早まったか…」と新モデルをうらやましく感じてしまったのが本音である。

 ただし、1点残念な点もある。それは冷蔵室に「これまで採用されていたスマートタッチオープンドア」機能がなくなってしまい、“普通のドア”になってしまった点だ。手にお皿や食材を持っている際にも、指や肘などでワンタッチで簡単に開けられてとても便利に感じていただけに、なぜだろうと疑問に感じている。クリアガラスとの併用が難しかったのかもしれない。いずれにしても、身についてしまったいつもの癖というのはなかなかとれないようで、毎回、冷蔵室のドアの下のほうをタッチしてしまっては、「あれ? 開かない」とやり直している。

 冷蔵室の基本的なレイアウトは前モデルと変わらない。ピコイオンによって除菌・脱臭効果があるチルドルームや卵が14個入る卵ケース、その下にはバターやチューブ状の香辛料などを入れるのに便利な小物ケースがあり、天井と底面の2か所についたLED照明で明るく見やすい。

 わが家ではこれまで620Lタイプという超大容量の冷蔵庫を使ってきたが、今回のモデルは560Lタイプと一回り小さいものになる。とはいえ、冷蔵庫の中では十分“大型・大容量タイプ”なのは事実。実際に前モデルから庫内のものを入れ替えてみても、容量は十分で、全く問題ない。

冷蔵室を開けたところ。2011年モデルまで採用していた「スマートタッチオープンドア」機能はついていない
除菌・脱臭効果のあるピコイオンが放出されている卵ケースの容量は14個
卵ケースの下には小物を入れるスペースも
湿度約85%のうるおい冷気のチルドルーム。容量は13Lでピコイオンでの除菌・脱臭効果も
年間消費電力量をみると200kWh/年とさらに省エネ性が高まっている
2Lのペットボトルも入れやすいドアポケット
向かって左側のドアポケット
天井と底面についたLED照明で明るく庫内を照らすため中が見やすい

まんなか野菜レイアウトでうるおいたっぷりの野菜室。野菜の甘みを増す保存も

 ベジータの一番の特徴といえば、なんといっても高湿度でラップなしでも長期間鮮度を保つ「うるおい補給野菜室」だ。また、冷蔵室のすぐ下の真ん中に配置されているというのも、他のメーカーと異なるところ。料理中に開閉する回数の多い、野菜室が上のほうにあるということは腰をかがめることもなく、とても便利だ。

 野菜室の奥をのぞいてみると、野菜室の潤いを閉じ込め、野菜が冷たい風に当たって乾燥するのを防ぐ「モイスチャーダクト」がある。これは、前モデルから実感していることだが、本当に野菜の鮮度保持期間が長い。庫内湿度を保つには、野菜が持つ水分そのものも大切になるので、保存する野菜の量が少ない場合は、ラップなどで包むなどした方が良い場合もあるが、基本的にはラップなしでOKだ。

冷蔵室のすぐ下に位置するまん中野菜レイアウトが特徴のベジータ。安定した低温を保ち、湿度約100%のうるおい冷気を補給をする。容量は129L
新・うるおい補給野菜室の奥には、野菜室のうるおいを閉じ込め、野菜が冷たい風に当たって乾燥するのを防ぐ「モイスチャーダクト」がある
これまで使っていた「VEGETA GR-E62FX」の野菜を入れ替えたところ。15Lほど小さくなっているはずだが、ちょうどよく収まった

 新モデルでは高湿度に加え、東芝ならではのW-ツイン冷却により、温度変化の少ない安定した低温が保てるため、冬場に雪の下で保存して甘みを増した野菜“雪下野菜”のような保存ができるようになった。野菜の量に応じて微細なピコイオンを自動で放出している点も、野菜の劣化を防ぐのに役立っているようだ。

 また「GR-F56FXV」の野菜室の容量は129Lと買い物かご約3.5個分の収納量。上段には果物やトマト、パプリカ、キノコ類などの小さな野菜を保存、下段もしっかりと奥まで引き出せるので見やすく、取り出しやすい。

 ただ、前モデルには手前にアスパラガスなどを立てて保存しておくためのプラスチックケースが付属していたのに、なくなってしまったのは少々残念。100円ショップで同様のものを購入したり、牛乳パックの再利用などをすればいいのかもしれないが、せっかくのプレミアムモデルなので、こうした付属品もなくして欲しくなかった。

野菜室の下段。奥まで引き出せるので見やすく取り出しやすい
購入後4日目の小松菜。新モデルになってさらに野菜室の保存機能が高まったように感じた
ラップなしで5日間保存したレタスもこのとおり新鮮

野菜そのまま冷凍・熱もの冷凍ができる上段冷凍室と、容量たっぷりの下段冷凍室

 製氷ルームの右側に位置するのが、野菜そのまま冷凍やそのまま冷凍ドライ、熱いものをそのまま冷凍できる機能などが便利な「上段冷凍室」だ。庫内には、熱いものをそのまま冷凍するときに使うプレートが配置されている。これは、野菜そのまま冷凍する時には、取り外して使う。

 野菜そのまま冷凍・野菜そのまま冷凍ドライ機能は、下ゆでなどが不要なため、簡単に冷凍できて下ごしらえとしても、野菜を使い残すことのない“エコ”な機能としても秀逸。この機能の便利さについては後編で詳しくお伝えしたいと思う。

上段冷凍室。アルミ製のプレートは“熱もの冷凍”の際に使用する
アルミ製のプレートの下には“野菜冷凍”用のプレートがある

 下段の冷凍室は食材を急速冷凍する「一気冷凍」もできて大容量。わが家では「野菜そのまま冷凍」をした野菜を常にストックしているため、冷凍室の保存量も以前に比べて増えているのだが、これまで使っていたGR-E62FXのものを入れ替えてみても、あふれることなく収納出来た。

独立アイスルームでは約160個の氷が作っておける
最下段の冷凍室。容量は113L
冷凍室も入れ替え完了。野菜そのまま冷凍しておいたものなどを入れてみると目いっぱいという印象

進化した節電機能でさらに省エネに

 クリアガラス採用について冒頭でお話ししたが、新しいベジータのドアは、クリアガラス以外にも進化している。デザイン性・操作性を高めているのが、操作時に必要なメニューがだけが浮かびあがる静電タッチ式の「サークルインジゲーター」だ。冷蔵・冷凍室の温度調整、冷凍機能の操作、節電機能の操作などはすべてこのタッチパネルで行なう。

 また、室内環境、運転使用状況、収納状況、さらに湿度を検知する全13個のセンサーで冷やしすぎのムダを防ぎ、冷えムラをなくして常に均等に冷やす「ecoモード」運転を搭載し、省エネ性能を強化している。

操作時に必要なメニューがだけが浮かびあがる静電タッチ式の「サークルインジゲーター」を採用している
冷蔵室、冷凍室ともに、ボタンを押していくと弱から強まで5段階に設定できる仕組み
使い始めだったので、少し強めに設定しておいたが、その後、最弱に設定し直した

 また、食品への影響がない範囲で庫内温度を調整し、ecoモード通常運転よりも約10%節電できる「節電」機能のほか、ecoモード通常運転よりも約20%節電できる「おでかけ」機能も新たに搭載。旅行や帰省などで長期間留守にする際にムダを省ける。帰宅してドアを開閉すると自動で解除されるなど、使い勝手にも配慮されている。

 そのほか、電力需要ピーク時に、霜取り運転を回避して節電に貢献する「ピークシフト」機能も新たに搭載され、最も電力を消費する霜取り運転を約4時間先に延ばすことができるようになった。「おでかけ」「ピークシフト」のいずれの機能も、節電モードとの併用が可能だ。

節電機能もタッチパネルで設定できる。「節電」機能では食品への影響がない範囲で庫内温度を調整し、ecoモード通常運転よりも約10%節電できる
「おでかけ」機能は、長期間留守にする際に便利な機能で、ecoモード通常運転よりも約20%節電できる。帰宅して扉の開閉をすると自動で解除される
電力需要ピーク時に、霜取り運転を回避して節電に貢献する「ピークシフト」機能も新たに搭載され、最も電力を消費する霜取り運転を約4時間先に延ばすことができる。節電機能との併用も可能
冷気を強力に送り込むことで1回分の氷を50分で作る「一気製氷」機能も
冬など氷を使わない場合には製氷機能をオフにすることも可能だ

“保存した方がおいしくなる”野菜室の威力にびっくり!

 新しいベジータが来て、最初に感動したのはクリアガラスを採用した高級感のあるデザインだが、機能面で驚いたのは、野菜室の機能のところでも紹介した“雪下野菜のような保存”だ。これまでも野菜の鮮度保持機能の優秀さは実感していたが、安定した低温保存で甘みまで増すとは思っていなかった。

 週末に購入して野菜室に保存しておいた人参を4日後に取り出して、まずは薄切りにして食べてみると確かに甘みが増しているように感じる。購入した日にも、薄切りにして生のまま食べてみたのだが、それに比べても確かに甘いのだ。資料によると、糖度が約18%アップとあるのもうなずける。

 同様に4日ほど経過したグリーンアスパラガスと人参をそれぞれ茹でて、ラップなしでも鮮度を保っているレタス等と合わせた野菜サラダを作ってみたところ、家族からも「確かに人参もグリーンアスパラも甘いしうまい!」とお墨付きの声。茹でるとよりいっそう甘みが実感できた。素材のおいしさが際立つと、ドレッシングなどに頼る必要がなくなるのもうれしい。天然塩だけをふってもおいしく食べられるので、カロリーもダウンできる。進化した野菜室の威力に感動したのであった。

より低温保存が可能になったという野菜室で5日間保存した人参
まずは薄切りにして生のまま食べてみたところ、甘い!
いずれも5日間野菜室で保存したレタス、グリーンアスパラ、人参を使ったサラダ。レタスの鮮度もよく、茹でたグリーンアスパラや人参の甘みが際立っていた

 後編では、ベジータならではの「野菜そのまま冷凍」「野菜そのまま冷凍ドライ」などの使用例や、ベジータで変わるライフスタイルをご紹介する。

神原サリー

新聞社勤務、フリーランスライターを経て、顧客視点アドバイザー&家電コンシェルジュとして独立。「企業の思いを生活者に伝え、生活者の願いを企業に伝える」べく、家電分野を中心に執筆やコンサルティングの仕事をしています。モノから入り、コトへとつなげる提案が得意。生活家電・美容家電分野の記者発表会にはほぼすべて出席。企画・開発担当者や技術担当者への取材も積極的に行い、メーカーさんの現場の声を聞くことを大切にしています。