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東芝、消費電力を約16%抑えたマンションサイズの冷蔵庫「VEGETA」

~「LEDハイブリッド除菌脱臭ユニット」を搭載

「VEGETA GR-F43G」ブライトシャンパン

 東芝ホームアプライアンスは、野菜室の使い勝手に配慮した冷蔵庫「VEGETA(ベジータ)」シリーズの新製品として、消費電力を抑えた「GR-F43G」を2月上旬より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は200,000円前後。

 使用頻度の多い野菜室を中段に配置したVEGETAシリーズの冷蔵庫。庫内容量は426Lで、本体幅はマンションなどに適した60cmとなっている。

 同社によると、近年の省エネ意識の定着や内食化の傾向によって、日持ちしにくい野菜類の鮮度を保持する要望が高まっているという。一方で冷蔵庫は、家庭内で最も多くの消費電力量を占めるため、2012年モデルでは「省エネ」や「野菜の鮮度保持」をキーワードに開発した。

 省エネ面では、通常運転の「ecoモード」運転時の年間消費電力量を210kWhとし、昨年モデルに比べ約16%省エネした。この省エネ性を実現するため、新しい冷却システムや断熱材、コンプレッサーを採用した。

 まず冷却システムは、冷蔵・冷凍を別々の温度帯で冷やす新冷却システムを採用。従来は冷蔵、冷凍のどちらのゾーンを冷やす際にも冷却器の温度はマイナス約25℃だったが、新製品では冷蔵ゾーンを冷やす時はマイナス約18℃、冷凍ゾーンを冷やす時はマイナス約25℃と温度帯を分け、高効率化した。

冷蔵ゾーンを冷やす時はマイナス約18℃、冷凍ゾーンを冷やす時はマイナス約25℃と、別々の温度帯で冷やす新冷却システムを採用した

 断熱材には、従来よりも厚みと被覆面積を増し、容積が約2.3倍に増えた高性能の真空断熱材を新たに採用したほか、これまで450L以上の機種で採用してきた放熱用のフィンチューブコンデンサを400Lクラスで初めて採用し、放熱効果を高めた。さらに、高効率コンプレッサーを搭載し、発熱源となる電源基板を冷凍室奥から冷蔵室最上段奥に移動させることで、省エネ性を高めている。

新たに採用した高性能の真空断熱材
400Lクラスで初めて採用したフィンチューブコンデンサ

 加えて、「節電」、「おでかけ」、「ピークシフト」の3つの節電サポート機能を搭載し、最大約20%節電できる。「節電」機能では、自動で庫内温度を調節し、結露防止ヒーターの制御を切り替えることで、消費電力を通常の「ecoモード」運転時より約10%削減する。

 「おでかけ」機能では、設定後、冷蔵室または製氷室のドアを開けるまでの間、庫内温度の調節頻度や自動製氷の回数を8時間に1回に減らすことにより、通常の「ecoモード」運転時より約20%消費電力を削減する。「ピークシフト」機能では、冷蔵庫の運転の中で最も電力を消費する霜取りを、約4時間先に延ばせる。

庫内温度の調節頻度や自動製氷の回数を8時間に1回に減らして節電する

 食品の鮮度を保持する機能では、野菜室や冷蔵室、チルドルームの除菌、脱臭を行なう新開発の「LEDハイブリッド除菌脱臭ユニット」をチルドルーム奥に搭載した。LEDハイブリッド除菌脱臭ユニットには、除菌や脱臭に効果のある光触媒フィルターと、野菜の老化を早めるエチレンガスの分解に効果のある光触媒フィルターの2つの可視光フィルターを搭載している。光触媒フィルターにLEDを照射すると、冷気中の水分からヒドロキシラジカルという活性酸素を生成し、菌の働きを抑制して、エチレンガスを分解、脱臭するという。

「LEDハイブリッド除菌脱臭ユニット」は光触媒フィルターによって野菜室や冷蔵室、チルドルームを除菌、脱臭する

 また、冷却器の除霜時に発生する水分を利用した湿度の高い冷気を、冷蔵室・チルドルーム・野菜室に送り食材の鮮度を保つ「うるおい制御」機能も搭載した。

 使い勝手の面では、チルドルームの収納容積を従来モデル比で約26%拡大した。

 冷凍室には従来に引き続き、野菜を下ゆでなしで冷凍できる「野菜そのまま冷凍」機能を採用。冷凍制御技術を改良し、トマトや白菜、大根なども冷凍できるようになった。これにより、手間なく野菜を長期保存でき、調理時の時間短縮に効果があるほか、下茹でによる栄養素の損失を防げるという。ほかに、野菜を乾燥させながら冷凍する「ドライモード」、上段に熱いままの食品を入れてフリージングできる「熱もの冷凍」機能も備えている。

 本体サイズは600×692×1,816mm(幅×奥行き×高さ)。本体重量は87kg。庫内容量426Lのうち、冷蔵室は224L、チルドルームは17L、野菜室は93L、冷凍室は109L。ブライトシャンパン、ブライトシルバー、シェルホワイト。

ブライトシルバー
シェルホワイト

小林 樹