長期レビュー

フィリップス「ノンフライヤー HD9220」

フィリップス「ノンフライヤー HD9220」 後編

〜油の摂取量が気になる人には絶対おすすめ!

フィリップス「ノンフライヤー HD9220」

 揚げずに揚げものができる、フィリップスの「ノンフライヤー HD9220」を試している。1回目は、付属のレシピ集の中から、鶏の唐揚げやとんかつ、コロッケといった、家庭でよくある揚げ物メニューの仕上がりを紹介した。自宅で揚げ物を作るときと同じように下ごしらえしたら、温度と時間をセットするだけでOK。カロリーカットできるのはもちろん、油の処理や後片付けなど、揚げ物ならではの問題をクリアーできるのも大きな魅力だ。

 後編となる今回は、前回紹介できなかった揚げ物レシピのほかに、ドーナツなどのスイーツ、温め直しなどを見ていこう。

メーカー名 フィリップス
製品名 ノンフライヤー HD9220
希望小売価格 オープンプライス
参考価格 29,800円

バリバリした皮が楽しめる「豚もやし春巻き」

 揚げ物で、たまに食べたくなるのが春巻き。パリパリした皮が魅力なのだ。それが「ノンフライヤー」ではどうなるのか。

 レシピ集の春巻きでは、豚バラ肉、もやし、ごま高菜漬け(なかったので高菜漬けに胡麻をプラスしている)を用いる。刻んだ豚肉と高菜、小麦粉、もやしを混ぜ、塩胡椒で味付けしたら、春巻きの皮で巻くだけだ。これを予熱したバスケットに並べ、200℃で12〜13分加熱する。

春巻きを作る
材料を混ぜる
春巻きの皮で巻く

 すると、全体がこんがりときつね色に焼けた春巻きができあがった。油で揚げたような濃さや均一さはないものの、驚くほどバリバリしていて、歯応えは十分。中にもしっかり熱が通っていて、とてもおいしい。油っぽさがないため、いくらでも食べられそうな気がした。中の具として、チーズを入れてもおいしいのではないか。おかずにも、おやつにも、おつまみにもなりそうで、鶏の唐揚げに次いで、お気に入りのメニューとなった。

完成した「豚もやし春巻き」。結構いい色になる
中の豚肉やもやしにもしっかり熱が通っていて、おいしい
油や衣が落ちないので、バスケットは綺麗なまま
できあがった「豚もやし春巻き」のバリバリ感をご覧いただきたい

あっさりでも、お腹にしっかり溜まる「揚げ出し豆腐」

 揚げ出し豆腐というと、居酒屋のメニューで定番だが、自宅で作るとなると、油ハネなどが気になってなかなか意外と手間がかかる。

 でも「ノンフライヤー」なら簡単に作れる。水をよくきった木綿豆腐に、小麦粉と片栗粉を同量混ぜた粉をまぶし、200℃で7〜8分加熱。できあがったら、熱いだし汁をかけ、上に大根おろしとネギ、おろし生姜をトッピングして完成である。

水気を切った木綿豆腐に、粉をつける
粉を付けた豆腐をバスケットに並べ、200℃で7〜8分加熱
完成したノンフライな「揚げ出し豆腐」
器に並べて、だし汁を回しかけ、大根おろしやねぎ、生姜をトッピング
衣が適度にだし汁を吸って、味と食べ応えを演出
実は「豚もやし春巻き」の後に調理。短時間でノンフライメニューが2品完成となった

 加熱後の豆腐は、つけた衣の影響で、焼き餅のような膨らみを見せる。豆腐がしっかりするので食べ応えもある。揚げ物の油とだし汁が醸し出す、独特のまったりした甘さはないものの、味は非常にさっぱりしており、疲れたときでも食べられそうな味だ。

胃もたれが心配な方でも安心の「串カツ」(豚ねぎ、れんこん)

 最近串カツ屋に行く機会が多かったこともあって、ぜひ試したかったのが、この「串カツ」だ。用意したのは、豚ロースカツ肉8切れ、3cm程度の長ネギ4切れ、れんこんの輪切り4切れだ。いずれも竹串に刺して衣をつけたら、まず豚ねぎを4本、バスケットに入れ200℃で12分加熱し、できたところで、れんこんに入れ替え、再び200℃で7〜8分加熱する。

 すると、立派な串カツができあがった。盛りつけて、ソースをつけて食べてみたが、なかなかおいしい。あの、細かい衣の歯応えがちゃんと堪能できるのに、胃もたれはない。これは、油が苦手で串カツを諦めていた人にもお勧めできる。

豚ロース肉と長ねぎ、れんこんで串カツを作る
先に豚と長ねぎを加熱
できあがった豚ねぎの串カツ
裏側もバッチリ
れんこんの串カツ完成
衣の色こそ薄めだが、歯応えは楽しめる
思わずお酒を飲みたくなってしまう味
豚肉はしっかり熱が通っている
使用後のバスケットパン。わずかだが、豚肉から脂が落ちていた

おやつも作れる「焼きミニドーナツ」

 揚げずに済むなら、と考える代表的なおやつがドーナツだろう。ここではホットケーキミックスと卵、牛乳、グラニュー糖、バターを使って作ってみた。

 材料を混ぜて生地を作ったら、コップやペットボトルキャップを使って、ドーナツ型に型抜きをする。それをバスケットに並べて、160℃で7分間加熱するのだ。すると、オールドファッションのような雰囲気の、ちょっとごつごつしたドーナツができあがった。

おやつ作りに便利な、ホットケーキミックスを使って、焼きミニドーナツ作り
生地を型抜き
不思議な形になってしまった……
ミニドーナツが“焼けた”。オーブンの半分程度の時間でできるところもいい
ちょっとゴツゴツしているが、おいしいのだ
ドーナツの裏側
牛乳と一緒に食べると、たまらない
工夫次第で、いろんな楽しみ方ができそうなメニューである

 食べてみると、外はザクザクしたクッキーのようでいて、中はやわらかく、味や舌触りがスコーンによく似ていた。ドーナツ型のスコーンといったもいいかもしれない。小さなクッキーサイズなら、かなりの量も作れそうである。持ち歩きもしやすいので、差し入れおやつなどにも活躍しそうだ。紅茶の葉やチョコレートを混ぜてもいいかもしれない、と夢が広がる。

焼き料理もOK「にんじんカップケーキ」

 最後のチャレンジは「にんじんカップケーキ」だ。これまで紹介してきたレシピは、本来揚げるはずのものが、揚げずにできる、というコンセプトだったが、今回はケーキゆえに、はじめから「焼く」を意識したものとなっている。

 砂糖、卵、オイルをよく混ぜ、そこにすり下ろし人参に、振るった薄力粉とベーキングパウダーを加えてさっくり混ぜ合わせたら、炒ったクルミを加える。あとは、直径7cm前後のカップに流し混んで、170℃で13分程度加熱する。

 やや焼き色が濃くなってしまったが、ほんのりと甘いカップケーキができた。中に入れたクルミがとても香ばしく、紅茶に合いそうな味わいである。

「にんじんカップケーキ」の材料
カップに入れて、170℃で13分程度加熱する。バスケットには、直径7cm前後のカップが4つ入る
完成した「にんじんカップケーキ」
少々いびつなのはご愛敬
しっとりしていて、クルミが香ばしい

 カップケーキは、春巻き同様にバスケットを全く汚さないので、他の料理を作る前に作っておけば品数が増やせるうえ、メイン料理の予熱代わりにもなって便利だ。

 なお、焼き料理としては、このほかに餃子の皮を使ったピザや、焼いた野菜のホットサラダなどもレシピ集に紹介されているので、参考にしていただきたい。

揚げ物の温め直しにも使える!

 ノンフライヤーを使う前までは、揚げ物と言えば、“買ってくるもの”だった。スーパーに行けば、天ぷらから、とんかつ、コロッケなど、様々な種類の揚げ物が並ぶ。そんなお総菜につきものなのが、温め直しである。温め直しは、いかにサックリ仕上げるかが鍵だが、「ノンフライヤー」なら温め直しも得意ではないか――という考えが頭をよぎった。

 そこで、ノンフライヤーで作った串カツ、とんかつ、コロッケ、フライドポテトのあたため直しにチャレンジしてみた。200℃で約7分加熱してみた。すると、ふにゃふにゃだったポテトが、再びバリッと蘇り、串カツはジュージューいい、とんかつとコロッケは前よりこんがりしているではないか。これはいけるとばかりに、気がついたら完食してしまった。

冷蔵していた串カツ、とんかつ、コロッケ、フライドポテト(フレッシュ)
コロッケの衣は、水分を吸ってしっとりと柔らかい
加熱後のコロッケ。作りたて同様のザクザク感が蘇った。焼き色もプラスされている
温め後。全体的に焼き色がプラスされて、より揚げ物らしくなっている
試食の名目で食べ始めたところ、すべて食べてしまった。しかし、どれ1つとして油で揚げていないので安心

 長らく冷蔵庫で寝ていたおかずが、ここまでカラッと温まるなら、フライドチキンもかなりのものでは、と期待が高まった。スーパーで購入したフライドチキンを同じく200℃で7分加熱してみた。

 すると、こちらも大成功! もともと油がついているだけあって、ジュージューといい音を立てている。食べてみると、歯応えも抜群。カリッ! ザクッ! として、中はジューシーだ。バスケットをはずしてみると、しっかり油も落ちていた。揚げ物の温め直しができるということは、活躍の場がかなり増えるといえるだろう。

スーパーで購入したお総菜のフライドチキン
温めなおしたあとは、外はバリバリ、中はしっとり
フライドチキンから流出した油
トーストにはむいていない。やるならラスクを目指そう

 ちなみに、パン粉がサクサクになるのだから、トーストもできるかも? と考え、コロッケの加熱後に、自家製の米粉パンを1枚入れて、180度で3分加熱してみた。しかし、表面が少し固くなった程度で、トーストはできなかった。パン粉同様、トーストも8分以上加熱すればそれなりのものができるかもしれないが、現実的ではない。トースターやオーブンレンジを使えば、もっと短時間でトーストできるため、それ以上の追究はしていない。

「ノンフライヤー」は、油が気になるすべての方におすすめ!

 これまで調理してみて、予想以上の実力に驚かされた。操作も扱いも簡単なので、カロリーを気にする方から、揚げ物の油が苦手になって来た方まで、広くおすすめできる製品である。

 調理中の本体側面を触ってみたが、上部はさほど熱くなかった。ただし、バスケット付近はそれなりの熱を帯びる。ヤケドするほどではないが、ハンドルにロック機能はないので、小さなお子さんがいる家庭では注意していただきたい。

 使用後は、バスケットとバスケットパンは丸洗いできるので、手入れが楽なのもメリットだ。掃除用のブラシは付属しないので、楊枝やハブラシを活用するといいだろう。

丸洗いOK
バスケットは、隅もよくチェック。油や衣がたまりやすい

 1回の調理量が限られているため、大家族向きとは言い難いが、普段と変わらない準備で、短時間調理できるため、ケアが必要な方の分だけは、「ノンフライヤー」で調理するという使い方も考えられる。

 場所を取りにくいし、持ち運びできるので、「ノンフライヤー」を持ってでかけ、訪問先でできたてを食べるといった楽しみ方もできるだろう。自分で作るにしても、温め直すにしても、かなり出番があることは間違いない。

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(すずまり)