長期レビュー
フィリップス「ノンフライヤー HD9220」
フィリップス「ノンフライヤー HD9220」 前編
~話題の油を使わないフライヤーを試してみた! 鶏の唐揚げがおいしすぎる!
(2013/4/9 00:00)
そろそろダイエットの季節!?
今年もまた夏がやってくる。夏と言えば薄着であり、水着であり、1年のうちで、もっとも体型が気になる季節。そのために「そろそろダイエットしなくちゃ……」と考え始めている人もいるはずだ。
そんなタイミングで発表されたのが今回紹介するフィリップスの「ノンフライヤー HD9220」だ。家電Watchでは、「フィリップス、油を使わずに揚げ物が作れる調理家電『ノンフライヤー』」、という記事で紹介されていたが、「いいね!」や「ツイート」の数が非常に多く、注目度が高いというのがよくわかる。
メーカー名 | フィリップス |
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製品名 | ノンフライヤー HD9220 |
希望小売価格 | オープンプライス |
参考価格 | 29,800円 |
かくいう筆者も“ノンフライ”に反応したうちの1人。なにせ、かつてダイエットしながらも揚げ物が食べたいという理由で、やはり揚げない調理が可能なオーブン「ヘルシオ」を購入した経験があるほどだ。
加えて、実はダイエット以外の気になる事情も……年齢を重ねると、健康面への影響以前に、脂っこいものがあまり食べられなくなってくるのである。目は食べたいのに、味わいたいのに、胃が受け付けない。
そこに現れたのが、ヘルシオよりも小さいサイズの「ノンフライヤー」だ。今回、幸運にも発売前のノンフライヤーを試用する機会に恵まれたので、2回に分けて、その使用感をお届けしたい。
空気と熱だけで、揚げたような仕上がりになるフライヤー
「ノンフライヤー」とは、本体内で熱と空気を対流させることで、油を一切使わずにサクサクしたおいしい揚げ物や焼き料理が作れるという製品だ。食材によっては、脂肪分を最大80%カットできるというから驚きである。
サイズは、287×384×315mm(幅×奥行き×高さ)。1斤用のホームベーカリーを、洋なし風にふっくらさせたような大きさで、重さは7kg。移動用のハンドルなどはついていないが、女性でも持ち上げて自由に動かせるサイズとなっている。構成パーツは、本体、食材を入れるバスケット、バスケットを入れるバスケットパンだけというシンプルな構造。バスケットとバスケットパンは丸洗い可能で、食洗機も使える。
使い方は簡単だ。バスケットを予熱し、食材を入れ、食材にあわせた温度と調理時間を設定したら、あとはできあがりを待つだけである。そのサイズ感もあってか、引き出しを戻すような操作性は非常に気楽で、しかも、油を使う揚げ物とは異なり、常にそばにいなくてもいいのもありがたい。
設定温度は80~200℃、調理時間は最大30分となっており、揚げ物に最適な温度を一定に保持する「自動最適温度機能」を備えている。加熱用のヒーターは、バスケットパンの上にあたる部分についているが、覗き込まなければ見えないようになっている。
取扱説明書のほかに、オリジナルのレシピ集も付属しており、スタンダードな揚げ物からケーキまで、紹介されている。
見た目も使い方も簡単すぎて拍子抜けしてしまうくらいなのだが、仕上がりは、世界中で人気なのが頷けるほどおいしい。それでは、付属のレシピ集の中から選んだメニューを作ってみよう。まず、揚げ物代表格ともいえる料理からご紹介する。
鶏の唐揚げ(1人分約92kcalのカロリーダウン)
トップバッターは、やはり鶏の唐揚げだろう。一口大にカットした300gほどの鶏肉に、酒、醤油、生姜汁、塩胡椒で味付けをして、小麦粉と片栗粉を同量混ぜたものをまぶす。あとは予熱したバスケットに並べて、180℃で12~13分加熱する。
ここでお気づきかもしれないが、料理上、特に「ノンフライヤー」のために行なっていることはない。油で揚げる唐揚げを作る要領とまったく同じだ。それだけで、13分後にジュージューと音を立てる鶏肉と、対面できるのである。
一部、粉が白く残るところはあるが、裏も表もこんがりと焼き色がついて、揚げていないとは思えない色合いだ。皮などは特にカラッとしており、歯応えも十分で、中はしっかり熱が通っており、まさにふっくらジューシー。ハッキリ言おう。これはおいしい! これまで、オーブンで揚げない唐揚げをよく作っていたが、正直、仕上がりだけでいえば、ヘルシオを上回る出来かもしれない。(ちなみに、拙宅のオーブンには減塩効果もあるので、完敗ではない)
1度に作れる量が限られるとはいえ、短時間でここまでできるとはすばらしい。バスケットパンを見ると、かなりの量の脂が落ちており、カロリーカット効果もあることが実感できた。バスケットの一部にこびりつきが見られたが、1つずつオーブンシートを敷くことで防げるという。
とんかつ(1人分約176kcalのカロリーダウン)
揚げずに食べられるとうれしい料理といえば、もう1つは「とんかつ」だろう。こちらも通常のとんかつと、なんら準備に違いはない。とんかつ用の豚肉を2枚用意し、筋切りをして、塩・胡椒をしたら、小麦粉、溶き卵、パン粉の順で衣をつけるのだ。その後、バスケットに並べて、200℃で10~12分加熱する。
今回12分加熱してみたが、パン粉がザクザクとしたとんかつができた。色は全体的に白めだが、肉の脂が通る部分は、焼き色が濃くでていた。揚げていない分、味はさっぱりしているが、ソースをかけ、からしを付ければ、食べ応え十分な立派なとんかつである。このボリューム分の揚げ油がカットされていると思うとうれしい。焼き色が気になる場合は、先にフライパンで焼き色をつけたパン粉を使うという手もあるだろう。
なお、タイマーをセットすると、中で風が起きるせいか、パン粉の一部がチリチリと舞い上がる音が聞こえた。細かいパン粉が、わずかに外に飛び出しているようだ。掃除するときは、気にして見た方がいいだろう。
フライドポテト(1人分84kcalのカロリーダウン)
ダイエット中に「絶対控えなくては」と思うのが、「フライドポテト」。今回は、とんかつの付け合わせとして、生のじゃがいもで作ってみた。用意するのは、中程度のじゃがいも2個のみ。これをクシ切りにして、15分水にさらし、200℃で20分加熱すると、中がホクホク、周りはしっかりきつね色のフライドポテトができあがった。すべてムラなくパリパリに焼き上がっており、まったく水気がない。それでいて、中はしっとり柔らかいので、特に焼きたては独特の食感が楽しめる。
熱いうちに塩を振るのだが、油がないので、粗めではなかなか絡まない。できるだけ細かい塩がおすすめである。ケチャップなどのディップで食べてもいいだろう。
どうしてもフライドポテトの誘惑に負けそうになったら、「ノンフライヤー」の出番だ。なお、フライ用に売られている冷凍のフライドポテトも「ノンフライヤー」で調理できる。
コロッケ(1人分約164kcalのカロリーダウン)
家庭の王道メニューのラストは「コロッケ」だ。こちらも、じゃがいも、たまねぎ、合い挽き肉、小麦粉、溶き卵、パン粉で、いつものように準備をする。4個のコロッケをバスケットに並べたら、200℃で8~9分加熱した。
すると、ほんのり色づいたコロッケができた。鶏肉や豚肉とは異なり、素材そのものにほとんど脂がないので、衣の色はだいぶ薄めだが、できたてはザクザクしていて、形も崩れにくい。油分は合い挽き肉のみと相当控えめなので、胸焼けしがちな方でも食べやすいのではないだろうか。揚げない分、中の味付けやソースにこだわってみると、面白いかもしれない。
今回試してうれしかったのは、材料の準備段階で特別な配慮が不要なことだった。いつも通りに準備して、「ノンフライヤー」で加熱するだけ。それで、おいしさを損なわず、1人分のカロリーが、4品を平均して約129kcalカットできているのだ(その他のおかずは含まない)。おまけに油の後処理は不要なので、使用後の片づけも楽といいことずくめである。これらのメニューが頻繁に登場するという方には、たまらないかもしれない。
明日掲載予定の後編では今回紹介した以外のレシピやおやつの調理例、ノンフライヤーを使って行なう食材の温め直しまでをご紹介する。明日も引き続きよろしくお願いします。