やじうまミニレビュー

京セラ「ファインシャープナー」

~包丁の切れ味が5分で向上
by 川村 章


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです



京セラ「ファインシャープナー」
 忙しいと食器を洗うのがおろそかになりがちだが、包丁の手入れとなると、さほど忙しくない場合でも気が回らない。我が家には一応、包丁用の砥石がひとつあるが、その砥石で包丁を研ぐ機会は大掃除の時ぐらいだろうか。そしていつの間にか刃が欠けてしまい、食材が切りづらくなり、ようやく「そういえば最近包丁研いでないなあ」と思い出したりする。

 今回は、ついほっときがちな包丁のお手入れが簡単にできるアイテム「ファインシャープナー」をご紹介したい。

メーカー京セラ
製品名ファインシャープナー
品番SS-30
購入店舗Amazon.co.jp
購入価格2,535円

 「ファインシャープナー」は、京セラが発売した電動式の包丁研ぎだ。金属よりも硬いとされるファインセラミックス製の砥石が、1秒間に150回以上、縦方向に振動する。包丁以外にも、はさみやピーラーが研げるなど、適用用途は広い。砥石部分は細かい溝が幾筋も入っており、包丁研ぎ部分は四角、包丁以外の刃物を研ぐ部分は円形と用途に適した形となっている。

 見た目は重そうだが、持ってみると意外と軽い(135g)。単4乾電池2個で駆動し、電源スイッチを入れると、機械的な「ブーン」という音とともに、鈍い振動が手に伝わってくる。振動は軽くはないが、本体が扱いづらいほどではない。

 包丁を研ぐ場合は、同梱する専用カバーを研ぎ石部分へ装着する。カバーのはめ込みは反発が強いため、音が鳴るまで力を入れてしっかりとはめ込む。

本体(左)と包丁研ぎ用のカバー(右)でワンセットとなる持ってみると軽く、手に馴染むデザインだ。本体サイズは38×202×58mm(幅×奥行き×高さ)
研ぎ石部分には細い溝が何本も入っている包丁を本体にセットしたところ。この状態にすれば包丁を研ぐ準備が完了

 本体を平らな場所に置いて、スイッチを入れると運転がスタート。振動が机に伝わるが、安定感は良かった。包丁は専用カバーに沿って手元から刃先の方向へ、1回につき10秒ほど動かす。

 実際に研いでみると、最初は力の加減が難しかったが、徐々に慣れ、一定の速度でスムーズに研ぐことができた。専用カバーがしっかり装着されているため、少々強めに力を入れても安定して研ぐことができる。片側の研ぎが終了すると、専用カバーの逆側に包丁をセットし、もう片側の刃を研ぐ。なお、説明書によればゆっくり研ぐほど切れ味がよくなるらしい。

包丁を研いでいるところ。逆側の刃を研ぐ場合には、カバーの反対側から投入する

包丁を研いだ後に出た、セラミック(研ぎ石部分)の削りかす「ファインシャープナー」で研ぐ前の包丁。小さい刃こぼれが1カ所あるが……研いだ後の包丁。一定の幅で縦方向の研ぎ後が残っているのがわかる。刃こぼれは目視でわからないほど小さくなっている

 包丁の表と裏、それぞれ10回程度研いだ包丁を使ってみると、にんじんなど固い野菜でもすっと抵抗なく切ることができた。ほうれん草など柔らかい野菜も気持ちよく切れる。1カ所あった刃こぼれも小さくなっていた。

 ファインシャープナーの良いところは、とても手軽に包丁が研げる点だ。砥石の場合は、砥石を水で濡らし、一定の速度と力加減で何度も包丁をスライドさせる必要がある。また、砥石の幅によっては刃の部分全体をカバーできない(たとえば家にある砥石は、幅が包丁の半分程度しかない)ため、片面につき、刃の下半分と上半分の2度にわたって研ぐ作業を行わなければいけない。

 その点ファインシャープナーは、説明書の通りに使えば、1つの包丁につき表と裏で10分あれば切れ味は改善する。5分弱研いだだけでも、切れ味が向上したと感じられた。もちろん、片面を上半分・下半分に分けて研ぐ必要もない。 お手入れは水洗いをするだけと非常に楽なのも良い。

 せっかく包丁以外の刃物も研げるので、ハサミとピーラーも研いでみた。包丁以外の刃物の場合は、専用カバーをつけずに、本体のみを手に持って使用。刃の角度に沿って本体を動かしていく。本体を机の上に置いたときほど振動が強くならないため、包丁を研ぐより研ぎやすいと感じた。

ピーラーを研ぐ際はカバーを外して使う

 使用上の注意としては、刃こぼれしている部分など一定箇所のみ集中して研がないこと。摩擦熱により破損などの恐れががあるという。またセラミックを使って研ぐため、当然ながらセラミック製の包丁には対応していない。ちなみに、平面にセットして使用すると音や振動が大きいことは難点かもしれないが、そう頻繁に使う製品ではないうえ、研いだ後の切れ味を考えると些細な問題といえる。

 通常の包丁だけでなくハサミなど一般の刃物にも対応しているのは魅力的だ。ハサミの切れ味については、常々いらいらしている人も少なくないだろう。お値段もさほど高くないので、一家に1台備えておくと非常に便利な一品だ。


2010年 2月 16日   00:00