コヤマタカヒロの男の料理道具!



象印マホービン「クッキングパン EA-MS30」

~ハート型のワッフルから焼き肉まで家族団らんにぴったりのホットプレート

 関西出身である著者は、実家にいる頃から日常的にお好み焼きなどの鉄板を使った料理が食卓に並んでいた。ダイニングテーブルの中央には、ガスコンロと鉄板が備え付けになっており、そこでお好み焼きなどがダイレクトに焼けるようになっていた。このため、いまでも、自宅でホットプレートを使ったお好み焼きや焼き肉などを日常的に楽しんでいる。

 今回取り上げるのは、象印マホービンの「クッキングパン EA-MS30」だ。

メーカー名象印マホービン
製品名クッキングパン EA-MS30
希望小売価格22,050円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格8,998円

 プレートのサイズとしては2~3人用の印象で、通常サイズのお好み焼きなら1枚ずつ焼くことができそうだ。特徴は、多目的に使える「平面プレート」のほかに、4つの円形に分かれた「丸フラットプレート」と「ワッフルプレート」が付属すること。このため、手軽にワッフルなどのスイーツやカフェメニューが焼ける。デザインも、どちらかというと女性や子どもをターゲットにしたカラーリングとなっている。なお、上記の3枚のプレートのほか、別売で「たこ焼きプレート」(実売2,709円)も用意している。

 本体サイズは305×160mm(直径×高さ)。プレートを3枚重ねた収納時は19cmとなる。本体、プレート以外の付属品として、ガラス蓋と食材を押さえるプレス、食材を差したり返したりできるターナー&ピックが2本付属する。

「EA-MS30」本体。平面プレートとガラス蓋を装着したところ
付属のプレスとターナー&ピック
脱着式の電源ケーブル
マニュアルと20レシピが掲載された専用のレシピブックも付属
平面プレート
ワッフルプレート
丸フラットプレート
本体正面に温度設定のメモリを配置。最高230℃まで設定できる
電源部は電気ポットなどと同様にマグネットで接続できるタイプ

子どもたちが大喜びのワッフル作り

 早速、「EA-MS30」を使ってワッフルを作ってみる。ワッフルのレシピは付属のガイドブックに小麦粉など、一般的な食材を使ったものが掲載されており、特別にワッフル用のミックス粉などを購入する必要はない。

 小麦粉や卵、溶かしバターなどを用意し、それぞれを混ぜ合わせ、加熱したワッフルプレートに投入する。マニュアルには、180℃の設定まで熱するのに、約7分待つように記載されているが、非接触型の温度計で計測したところ、プレートの表面温度は、約5分で180℃近くまで上昇した。

 ワッフルのもとは2つの型に流し込み、底面が固まるのを4分ほど待つ。そして、付属のターナー&ピックで、ワッフルを空いているスペースに裏返して置き、プレスでぎゅっと押さえつける。たったこれだけで、ハート型のワッフルができあがった。4枚分に、大さじ2杯の砂糖を入れるレシピだけに、甘いかと思ったが、食べてみると、ほどよいレベルで、大人でもおいしく楽しめた。

ワッフルのもとに必要なのは小麦粉、ベーキングパウダー、牛乳、砂糖、卵、バターなど
基本は2つずつ焼く。そうすることでとなりの型に倒すことができる。倒したあとはプレスで押さえつける
アメリカンワッフルが完成。ハート型で子どもも大喜びだ
慣れてくると4枚同時焼きもできた

 ちょっとサボるために、市販のホットケーキミックスを使って焼いてみたところ、通常レシピよりも膨らみが強く、片面を焼いている時点で生地がくっついてしまった。しかし、ターナー&ピックで切り分けてひっくり返したところ、表面もしっかりと焼けあがった。ただし、通常レシピでは表面はカリッと仕上がるのに対して、ホットケーキミックスを使った場合、表面が柔らかくカリッとはならなかった。

ホットケーキミックスを使ったところ、膨らみすぎてくっついた
ひっくり返してプレスしているところ。型から少しはみ出しているのがわかる
ワッフル型のホットケーキが完成。食感は柔らかい

そば粉のクレープにはかなりの慣れが必要

 続いて、レシピブックにも載っているそば粉のクレープ「ガレット」に挑戦した。レシピは、レシピガイドに掲載されているものを若干アレンジして、シードルを入れる本格派にチャレンジした。

 EA-MS30に限らず、ホットプレートを使って、クレープを焼く場合、クレープ台とは異なり、バレットナイフなどは使えず、またフライパンで焼くときのように、フライパンを動かして生地を丸く流すといったことができない。

 EA-MS30では、生地を平面プレートに流し込んだあと、クレープ用のトンボの代わりに、プレスで生地を押さえることはできるが、思っていたような薄さにはなかなかできなかった。また、片面を焼いた後の裏返しも、ターナー&ピックではなかなかの難度。薄くしすぎると破れ、厚いと食感がモッタリする。そのバランスがなかなか難しかった。しかし、慣れさえすれば、手軽にガレットが焼けるため、朝食メニューを1つ増やすことができる。

ガレットの生地を用意。そば粉と小麦粉、具となるチーズなどがあればOKだ
平型プレートに生地を流し込む。薄くのばすのが難しい
ひっくり返した後、卵やチーズ、ハムなどをトッピング
生地の端を折りたたんで完成。分厚いと写真のようにたためなくなる。卵にしっかりと火を通すにはかなり時間がかかる

しっかりとお腹に貯まる食事メニューを楽しもう

 EA-MS30はデザートやカフェメニューだけでなく、食事メニューも楽しめる。プレートの温度は最高230℃まで設定できるため、一般的なホットプレートと遜色のない加熱調理が可能だ。

 まず最初に作るのが、丸フラットプレートを使ったお好み焼き。キャベツや出汁、山芋などを用意し、混ぜ合わせたたねを型に流し込んでいく。お好み焼きのたね自体は、レシピにも掲載されているほか、もちろん市販のお好み焼きのもとを使ってもOKだ。

 底面がしっかりと焼けたら、上に豚肉を載せて、ひっくり返していく。このとき注意したいのが、脂の逃げ道がないため、揚げたようになると言うことだ。通常ホットプレートでお好み焼きをした場合、豚から出た脂は周囲に流れ出る。しかし、丸フラットプレートではその中に残るため、肉が焦げやすいのだ。肉を置いた面の加熱は短めにするのが良いだろう。

たねを型に流し込み、豚肉を乗せた
ピック&ターナーを使ってひっくり返していく
焼き上がった豚玉。丸フラットプレートで作ると同じサイズなのがうれしい

 お好み焼きは豚玉だけでなく餅チーズにも挑戦。お餅も柔らかくなり、チーズの香ばしさとの相性は最高だ。

同じく餅チーズも焼け上がった。チーズの焦げた色がおいしそう
ソースやマヨネーズを掛けて

肉を焼いてみよう!

 次に作ったのは、ホットプレート料理の定番、焼き肉だ。まずは平型プレートで、3種類の肉を焼いてみる。温度は200℃に設定してみたが、フライパンなどで焼くのと同じようにしっかりと焼けた。できれば、焼き肉用のグリルパンなどがあると脂を落としながら焼くことができる。別売でいいので是非用意してほしい。

平面プレートで肉を焼いたところ。こまめに脂をとれば焼き肉もできる

 ついでにステーキにも挑戦。平面プレートの加熱部は約23cmしかなく、大きなステーキ肉そのままは焼けない。今回は、焼く前に半分に切って焼いている。家族全員分焼くのは時間がかかるが、1人、2人分なら、問題なくやけそうだ。ガラス蓋も付いているため、ブランデーなどでの香り付けも可能。ただし、フランベはできず、アルコール分が飛ばせないことに注意したい(ライターなどを使えば火は付けられる)。

サシ多めの和牛ステーキを用意。肉が大きかったので半分に切ってソテーする
薄めだったのでそれほど時間もかからず焼けた
味は文句なしの絶品。脂が落ちない分、わさびでさっぱりといただく

丸フラットプレートを使ったオムレツ&ハンバーガー

まん丸いスパニッシュオムレツは具材もたっぷりで食べ応えも十分だ

 食事メニュー作りで活躍するのが、丸フラットプレートだ。先に紹介したお好み焼き同様、同じサイズのおかずが作り出せる。レシピにも掲載されているスパニッシュオムレツもその1つ。卵と具材を型に流し込むだけで、簡単に同じまん丸のオムレツが作れた。

 ハンバーグのたねを用意すれば、これもまた、同じサイズのハンバーグが作れる。この同じサイズのハンバーグは、ハンバーガーにベスト。ちょうど、市販のイングリッシュマフィンがあったので、早速できあがったハンバーグをサンドしたところ、これがぴったり。ほぼ同じサイズで、手軽にハンバーガーができた。

丸フラットプレートに団子状のハンバーグのたねを落とし、プレスで型に押しつける
焼け上がったハンバーグ。お弁当にも入れられるサイズだ
イングリッシュマフィンにハンバーグやオムレツを載せてみた。

 さらにEA-MS30ではライスバーガーの型も簡単に作ることができた。ご飯を型に詰めて、焼くだけと非常にシンプルだ。できあがった、ライスバンズに、ハンバーグを挟めば、それだけで、オリジナルライスバーガーのできあがり。いろんなバーガーが楽しめそうだ。

ご飯を丸フラットプレートに入れ、ライスバーガー用のバンズに仕上げる。
ハンバーグを挟んで、ライスバーガーのできあがりだ

食事もデザートも楽しめるお手軽プレート

 EA-MS30を約1カ月間使い倒し、写真で紹介した料理以外にもさまざまなメニューにも挑戦してみた。メニューによっては2人まで、使い方によっては、3~4人の食事メニューも素早く、簡単に作れるという印象だ。

 最初はワッフルプレートの印象が強く、デザート向けかなと思っていたが、個人的には食事メニュー作りがしっかりと楽しめた。あとは、先にも触れたとおり、肉を焼くためのグリルパンがあれば完璧。

 ホットプレートは、本格的な30cm超クラスか、単身向けの小型サイズが多い。意外と20cmサイズのプレートは多くないことに、この製品の価値がある。

 ワッフルを喜んでくれるお子さまのいる家庭にはもちろんのこと、オリジナルバーガー作りを楽しみたい方、そして、夫婦でちょっとした焼き物を楽しみながら一杯やりたい方などに、おすすめしたい。


コヤマタカヒロ

1973年生まれ。大学生の頃にライターデビューをして現在17年目。パソコンからAV機器、デジタルガジェット、白物家電などの電気が流れる製品と、その関連サービスを中心に執筆活動を展開する雑食系のデジタルライター。一般商品者目線で、最新テクノロジーを伝え、完成品はできる限り自分で試して記事にすることを信条にしている。