コヤマタカヒロの男の料理道具!



ノンフライだけじゃない、グリル調理で肉も野菜も簡単激ウマ!

フィリップス「ノンフライヤープラス HD9530/22」

 2013年に登場してから、キッチン家電にひとつのトレンドを作ったのがフィリップスのノンフライヤーだ。最大200℃の熱風の循環により食材を焼き上げることで、油を使うことなく、唐揚げやトンカツなどの揚げ物が調理できる。

 今年、使い勝手を改善し、機能も強化した新モデル「ノンフライヤープラス」が登場した。早速、その使い勝手と機能を試しながら、いろんな料理を作ってみよう。

メーカー名 フィリップス
製品名 ノンフライヤープラス HD9530/22
購入場所 Amazon.co.jp
購入価格 23,467円

 まずはボディ周りの仕様をチェック。ボディサイズは287×384×315mm(幅×奥行き×高さ)で従来モデルの「ノンフライヤー」と共通だ。卵形のボディの下部に引き出し式のバスケットを搭載する点なども継承している。

 しかし、操作パネルやメンテナンス性は大きく進化している。

 ノンフライヤープラスでは、温度やタイマー設定などの操作部が、ダイヤル式からデジタル式に進化した。温度設定は5℃単位で指定でき、従来モデルのようにだいたいこれぐらい、といった曖昧な設定から細かく設定できるようになった。タイマーも同じく、1分単位で設定できる。

ノンフライヤープラスの本体。サイズなどは同じで見た目も大きな変換はない
バスケットを引き出したところ。このあたりの基本構造も同じ
バスケットカバーには竜巻のような熱風の対流を起こすため、卍マークのような突起がある
温度設定などがダイヤル化したのが一番の特徴
上下ボタンをタッチすることで温度設定ができる
左下のボタンをタッチすることで温度設定とタイマーが切り替え可能。最長60分まで設定できる

 機能面での進化しとしては、設定できる温度帯が60℃〜200℃へと広がったことが大きい。また、タイマー設定も30分だったのが60分へと延長。これらの機能を利用して、低温・長時間で加熱するレシピなどが新たに登場している。

 従来モデルの「ノンフライヤー」を使っていて筆者が最も不満に思っていたのが、メンテナンス性、使った後の洗いにくさだった。しかし、この「ノンフライヤープラス」ではその最大の欠点も解消していた。

 まず、バスケットのクッキングネットが脱着できるようになっており、洗いやすくなった。さらにクッキングネット自体に、焦げ付きにくいノンスティック加工が施されており、従来モデルのようにたわしなどでガシガシと洗う必要がなくなった。

バスケットのクッキングネットは取り外し可能に。また、新たにクッキングカバーも用意
カバーもセットしたところ。熱風により食材が庫内を舞うことを防げる

低温で焼く鳥ハムやドライフルーツが作れるように!

 まずは新たにできるようになった、低温調理のレシピに挑戦してみよう。

 胸肉を使った鳥ハムは、湯せんや炊飯器調理などで作ることが多いレシピ。ノンフライヤープラスで作ると、中はジューシーで、表面はパリッとした、チャーシューに近い食感が楽しめる。付属のレシピブックでは、75℃設定で30分加熱し、その後15分加熱することで完成するとなっている。

 実際に作ってみたところ、胸肉の大きさと、巻く太さによって加熱時間は大きく左右されるようだ。直径で4cmほどの細めに巻いた鳥ハムはそれぐらいで中まで火が通ったが、5cmほどの太さになった部分は火が十分に通らなかった。このため、できるだけ細めに巻くことが重要だといえる。火の通りが悪かった鳥ハムは、温度を60℃まで下げて、10〜15分ほど追加で熱することで火を通せた。

胸肉を使う鳥ハムは、同じ分厚さになるように切り開く。塩こしょう、砂糖などをすり込んで30分ほど寝かせた後は、調理用のたこ糸で巻いて加熱スタート
30分たったところ。温度が低いため、焦げていないのがわかる
鳥ハムをスライス。マスタードなどを付けて食べると美味しい。さらに冷凍しておいて、ラーメンなどのトッピングとしてもおすすめだ

 もう一つの低温レシピが、これもレシピブックに載っていたドライフルーツだ。缶詰のパイナップルを100℃で60分加熱した。

 できあがったドライパイナップルは表面がかりっとしながら、中はわずかに果汁が残ったしっとりとした食感となった。食べてみると、甘みもマイルドになり、お酒のつまみとしても楽しい印象。市販のドライフルーツほどにはかたくないのも好感が持てた。

 そして、驚いたのが、作ったときはそれほど特別にリアクションすることなく、おいしそうに食べていた娘たち(4歳と2歳)が数日後に「ドライパイナップル食べたーい」と騒いだことだ。普通のパイナップルを見せても「ドライがいい!」というなど、かなり気に入ったようだ。

缶詰のパイナップルを使用。シロップ漬けなので、しっかりと水分を取ると同時に冷蔵庫に入れて、表面を乾燥させるといい
バスケットネットにパイナップルを並べる。重なる場合は、途中で開けて動かそう
できあがったドライパイナップル。市販品とは異なり中はまだまだジューシー。甘みが凝縮されるのが面白い

チャーシュー、ステーキ、スペアリブ!!

 次は、「ノンフライヤープラス」を使って肉を焼いていこう。先に紹介したとおり、低温調理機能がプラスされた同モデルでは、かたまり肉が焼きやすくなった。

 たとえば、ローストポークやローストビーフ、そしてチャーシューだ。190〜200℃の高温でしっかりと表面を焼いたら、あとは60〜75℃程度の低温で60分しっかり時間をかけて加熱する。これにより、中までしっかりと火を通せるのだ。

 操作パネルの動作ボタンを押すと一時停止できるので、気になったら熱風を止めた上で、バスケットを開け、鉄串などを指してみるといいだろう。そのときに肉汁に血がにじまなければ中まで火が通っている。

豚の肩ロース肉があったので、吉田のグルメたれにしばらく漬けておく
たっぶり浸かった肉をバスケットネットへ
まずは190℃でしっかり5分焼く
焦げ目も付き、表面がこんがりと焼けた
この後は75℃にセットして60分。中までしっかりと火を通す
チャーシューをカットしたところ。脂の少ない肩ロースなので淡泊な味わいにはなったが、味はしっかりと染みて美味しかった

 ノンフライヤープラスが届いてから、様々なメニューを作ってみたが、その中でも驚きだったのがステーキだ。作り方は、クレイジーソルトなどしっかりと味のある塩を肉に振ってバスケットに入れるだけ。肉のサイズにもよるが、200℃で6〜8分ほど焼くだけで裏返したりする必要なく焼ける。

 40代の筆者は、サシがしっかり入ったいわゆる高い牛肉が脂っこくて苦手だ。だが、ノンフライヤープラスで焼くと、しっかりと脂を落としてくれるので食べやすく感じた。また、表面が香ばしく焼けるため、炭火などであぶったかのような食感が楽しめた。

ステーキ肉を用意。常温に戻した後、塩を振っておく
サイズが大きい場合はカットして入れる。200℃で7分ほど焼いたところ。火も入り、脂もしっかり落とせている
軽く醤油をかけ、わさびを付けて食べるのが美味しい

 さらに、いろいろと試した中で相性がよかったのがサイコロステーキだ。

 通常のステーキはクッキングネットの上の多くのスペースを占有してしまうため、熱風の循環が悪くなるようだが、サイコロステーキは熱風がしっかりと回る。さらに、表面積が大きいため、よりしっかりと脂が落ち、香ばしさが楽しめるのだ。

おすすめはコストコで売っているUSAビーフリブフィンガー。あばら骨の間の中落ちカルビだ
これなら、カットするだけでサイコロステーキになる
かりっと焼けたサイコロ(カルビ)ステーキ。グラム単価100円台前半とは思えない味だ

 注意したいのは、かたまり肉を長時間加熱する場合は、つけダレなどが焦げ付きやすいということ。塩麹を付けて数時間寝かせたスペアリブも、表面を焼いたあと100℃で20分ほど火を入れたが、一部が焦げ付いてしまった。

 香ばしさは増すが、焦げすぎないように、タレをキッチンペーパーなどで軽くぬぐっておくといいだろう。

豚ロース肉を用意して、とんかつ作り
脂を使うことなく、かりっと揚がる
とんかつなのにあっさりしているのがノンフライとんかつの魅力
豚のスペアリブに塩麹をまぶしてしばらく寝かせておく
適度に表面が焦げた香ばしいスペアリブが完成
塩麹との相性抜群だ

ノンフライヤープラスがあったら野菜料理もはかどる

 ノンフライ調理器というと、どうしても油を使わない揚げ物のイメージが強く、肉を調理するレシピが中心になっている。それは決して間違いではないのだが、長く使っていると、副菜としての野菜調理の便利さに気づいた。

 今回作ったのは野菜グリルで、使い方は至極簡単。一口サイズに切った野菜(根菜が中心)にオリーブオイルと塩などをまぶし、あとはバスケットに投入するだけだ。

 火が通りにくい根菜は、180℃で10分加熱するだけでOK。さらにアスパラなどの火が通りやすい野菜を加熱する場合は、ラスト2分ぐらいのところでバスケットに追加投入すればOKだ。ノンフライヤーで焼いた野菜は香ばしさと、しっかりとした食感が味わえる。

 加熱時間と温度の調整により、甘みや食感も調整可能。にんじんやカボチャなど甘みを楽しみたい場合は低温で長めに調理すると良さそうだ。

たっぷりと切った根菜やアスパラ。塩こしょうをして、軽く油と和える。オイルスプレーがあると便利
筆者の好みはレンコン。子どもたちはサツマイモに大喜びだ
加熱が進んだところでアスパラを投入する
野菜のグリルの完成。そのままではなかなか量を食べられない野菜もグリルなら進む

 また、揚げ物ではないお酒のおつまみを作るのにもノンフライヤープラスは便利だ。油を使わない唐揚げだけでなく、焼き椎茸やレンコンチップスなども、筆者の大好物のおつまみ。

 鍋やフライパンなどで、他のおかずを調理している間に、ほんの10分ほどでこれらを一品追加できるのが非常に便利だ。

つまみにいいのが立派な椎茸。石突きをカットして、軽く切れ目を入れ、醤油を垂らす
バスケットネットに並べたらチーズをたっぷりのせる。あとは200℃で5分
チーズも焼き色がついてたまらない出来に。短時間なので中はじゅわっとジューシーだ
続いてスライスしたレンコンをチップスに。2mmぐらいに薄くするとチップス感が強くなるが焦げやすく、3mmを超すと食べ応えが増すが、チップスっぽさはなくなる
3分加熱したあと、一度中を振って、くっついている部分などをほぐしてさらに2分で完成。塩を振るだけでうまい

オプションの網を使えば、二段調理もできる

 ノンフライヤーには、別売りのオプションとして、「ダブルレイヤー」という便利なアイテムがある。これをバスケット内にセットすることで、同時に肉と野菜が調理できてしまうという優れものだ。

 もちろん、唐揚げなどを2段にセットしてもいいのだが、残念ながら、この「ダブルレイヤー」はノンスティック加工がされていない。つまり、衣などがこびりつきやすいのだ。上段に肉をセットすると下段の食材に脂が落ちることも、若干気になるところ。

 このため、おすすめの使い方は、バスケットネットに唐揚げなどをセットして、その上に「ダブルレイヤー」をセット。その上で野菜をグリルするという方法だ。これなら、脂が落ちる心配もない。

ダブルレイヤー HD9904/00(実勢価格2,054円)
いつも通り唐揚げを作る。タレを絡め、衣をまとう
バスケットにセット
その上に「ダブルレイヤー」を置き、野菜を並べる
唐揚げと焼き野菜が一気にできた。時短調理用に非常に便利だ

天かすを使った天ぷらがちょっと面白い

 付属のレシピブックに登場していた新メニューの中で面白かったのが天ぷらだ。天ぷら衣として、天かすを利用するという。エビや野菜などを水で溶いた小麦粉に通して、天かすを纏わせる。あとはその状態でノンフライヤープラスのバスケットにセットするだけ、と作り方は非常にシンプルだ。

 作っているときは、天ぷらとは似て非なる食べ物になるかなあと思っていたが、実際に作ってみると驚いた。食感はかなり天ぷらに近いのだ。アラレなどを衣にした揚げ物と、普通の天ぷらの間ぐらいだろうか。さらに天丼にして、天つゆをたっぷりとかけると、より天ぷららしい食感が楽しめた。

エビの衣を剥ぎ、背わたなどを抜くなど、下準備を行なう
天かすを袋に入れて、麺棒などで叩きある程度細かく砕く
水で溶いた小麦粉をノリ代わりにして、エビに天かすの衣を纏わせる
140℃で10分ほど加熱。きつね色の衣を纏ったエビの天ぷらができあがった。このほか、カボチャやシシトウが天ぷらにできる
できあがった天ぷらは香ばしく、立ち食いそばなどの衣が大きめで、かための天ぷらに近い食感
天丼にして、たっぷりめに天つゆをかけるとより美味しかった

 このほか、ポップコーンも新しいレシピのひとつだ。これは「ノンフライヤープラス」にバスケットカバーが用意されたことで作れるようになったもの。

 数倍のサイズに膨らむため、作れる量はそれほど多くないが、フライパンなどで作るのが面倒といったときにいいだろう。バターやキャラメルなどを絡めれば、自宅で人気のフレーバーポップコーンも作れる。

一度に作れるのは30gほど。実際にはもう少し作れそうだが、すると膨らみが悪くなるようだ
バスケットカバーをしてセット。200℃で6〜7分加熱する。スタートすると庫内から豆がはじける音が聞こえてくる
その間ポップコーンの半量のバターを用意し、電子レンジで溶かしておく
時間になるとポップコーンができあがった
ボウルなどに移して、溶かしバターと醤油で味付け
自家製バター醤油味のポップコーンのできあがりだ

使い勝手が飛躍的にアップし、レギュラーの座を狙える実力!

 調理家電は、キッチンの限られたスペースに置く限り、なかなかレギュラーの地位を得ることが難しい。電子レンジや炊飯器、コーヒーメーカーなどに次ぐレギュラーの地位を、ジューサーやフードプロセッサーなど多くの調理家電が狙っているのだ。ノンフライヤープラスは、このレギュラーの座をしっかりと狙えるモデルだと感じた。

 その一番のポイントが、洗いやすさだ。従来モデルで揚げ物を作ると、クッキングネットに衣がこびりつき、正直洗うのが面倒に感じることが多かった。しかし、ノンスティック加工が施され、脱着可能となったので簡単に洗える。筆者は肉料理を調理した後に、さっと洗ってスグに焼き野菜を作るといった使い方もしている。

 ノンフライ調理だけでなく、肉や野菜のグリル調理が楽しめ、メンテナンス性もアップしたノンフライヤープラスは本当に使えるヤツになったのだ。


コヤマタカヒロ

1973年生まれ。大学生の頃にライターデビューをして現在17年目。パソコンからAV機器、デジタルガジェット、白物家電などの電気が流れる製品と、その関連サービスを中心に執筆活動を展開する雑食系のデジタルライター。一般商品者目線で、最新テクノロジーを伝え、完成品はできる限り自分で試して記事にすることを信条にしている。