コヤマタカヒロの男の料理道具!



麺食いならもはや必需品! フィリップスのヌードルメーカー

フィリップス エレクトロニクス ジャパン「ヌードルメーカー HR2365/01」

 6月初頭、フィリップスから画期的な製品発表があった。小麦粉などをセットするだけで、短時間でうどんやラーメン、パスタなどが簡単に作れるという家庭用製麺機「ヌードルメーカー」だ。筆者宅では子どもたちも無類の麺好き。長女にいたっては一時期うどんしかまともに食べなかったぐらいだ。すでにこの連載では、以前、ラオックスの製麺機をレビューしている。直接比較ではないが、使い勝手の違いなどを確認しつつ、今回はフィリップスの「ヌードルメーカー」でいろんな麺を作ってみることにした。

メーカー名 フィリップス エレクトロニクス ジャパン
製品名 ヌードルメーカー
型番 HR2365/01
希望小売価格 オープンプライス
購入場所 Amazon.co.jp
購入価格 33,500円

設置性やメンテナンスがしっかりと考えられた作り

 まずは本体を見ていこう。麺の製造方法としては、スクリューによる圧縮押し出し式を採用している。このため、本体前面部は重みのあるスチールのボディを採用し、本体も約7.8kgとそれなりの重さとなっている。本体サイズは215×343×300mm(幅×奥行き×高さ)。背面に出っ張りなどはなく、壁にぴったりと付けて設置できるのは利点。ダイニング棚などにスペースがあれば常設もできそうだ。

ヌードルメーカー本体。ホームベーカリーよりもちょっと大きいぐらいのサイズだ
横から見たところ。背面はピッタリと設置できる
本体前面に装備する製麺用キャップ。ここから麺が排出される。製麺用キャップの交換には左右にあるつまみを回して、前面パネルを取り外す
前面パネル下のキャップフォルダーに製麺用キャップを取り付ける。洗浄時はここも取り外す
左からスクリュー型の製麺棒、前面パネル、キャップフォルダー
製麺棒は製麺用ケースを通して、本体に固定する仕組み

 本体前面の下部には凹んだ部分があるが、ここに製麺用キャップとクリーニングキットが収納可能。使わない製麺用キャップの収納場所を別に用意する必要がないのもよく考えられていると感じた。

 標準で用意されている製麺用キャップは、「1.6mm角麺」「1.6mm平麺」「2mm丸麺」「2.5mm角麺」の4種類。作りたい麺や食感の好みに合わせて使い分ける。

本体の下部に製麺用キャップ収納トレイを配置。キャップとクリーニングキットも収納できる
そのほか、粉用の計量カップと水用の計量カップが付属する
付属のレシピブックは、料理本のようにしっかりと製本されていた。アレンジメニューまで多くのレシピが掲載されている

もちもち、コシもしっかりしたうどんは冷やしがウマイ!

 早速、うどんを作ってみた。ヌードルメーカーでは、レシピ作りを日清製粉と共同で行なったとのことで、付属のレシピブックでは、すべて日清製粉の小麦粉が指定されている。必ず、指定された小麦粉でないとできないわけではないが、含水率などを加味してそれぞれの小麦粉に最適なレシピとして掲載されているという。

ヌードルメーカーで指定されている日清製粉の小麦粉。著者の自宅周辺では、「手打ちうどんの小麦粉(中力粉)」を取り扱っているスーパーが少なかった
小麦粉用の計量カップを使って計る。2人前は250gなのだが、計量カップが小さめで250gいれるとギリギリになってしまった
製麺用ケースに粉を投入する。複数の粉をブレンドする場合は、事前にボウルなどで混ぜておくと良いようだ

 うどん用の中力粉を計り、カバーをあけて製麺用ケースにセット。別途、水用計量カップに指定された水と塩を入れてしっかりと混ぜておく。カバーをしたら、本体上部の後方にある電源ボタンをプッシュする。

 今回は、2人分でコシも標準のままで作るので、続いて、右側の「開始・停止」をプッシュする。すると、製麺棒がゆっくりと回り出す。あとは、カバーに空いた穴からゆっくりと水分を流し込んでいくだけだ。マニュアルには「一気に入れずゆっくり」としか書かれていないので、とりあえず2分ぐらいかけて少しずつ入れてみると、レシピにあるようなそぼろ状の生地にできた。

 捏ね時間の5分が経過すると製麺棒の回転がストップ。そしてゆっくりと逆向きに回り出す。すると、生地が製麺用キャップの方に押し込まれていき、キャップの穴からゆっくりと出てくる。

電源を入れて、運転を開始する。追加製麺、コシ調整は「開始・停止」ボタンを押す前に設定しよう
麺を打ちながら水を加える。左右に移動しながらゆっくりと注ぐ
5分経って逆回転が始まると麺が出てくる

 圧縮押し出し式の製麺機では、麺はカットされずに繋がって出てくるため、カットする必要があるのだが、ヌードルメーカーでは麺をカットするためのナイフなどは付属していなかった。そこで包丁を使ってみたが、左右のつまみが微妙に干渉して、うまく切れなかった。ペティナイフやステーキナイフなど、刃渡りの短いナイフを用意すると良さそうだ。

 打ち終わったうどんはすぐにお湯に入れて湯がく。そのためにも、製麺を始めると同時にコンロで大量のお湯を沸かしておこう。2.5mm角麺で打ったうどんのゆで時間は約8分(冷9分)。湯がき終わったらすぐに冷水に入れて麺を引き締める。

 今回は1人前ずつ、温かいうどんと冷たいうどんを作ってみた。5分の標準モードで打ったうどんながら、ざるうどんのコシは十分にしっかりしており、モチモチとした食感のなかにも強いコシが楽しめた。逆に温かいうどんはちょっとコシ不足。次に温かいうどんを作るときは、打ち時間を1、2分プラスしてコシを強くしようと思った。

麺はゆっくりと出続けるため、事前にまな板などを用意しておこう。乾燥防止の打ち粉などもあるといい。あえてカットせずに出し続けたところ。通常のうどんの3倍以上の長さになった
大量のお湯を用意して置き、麺を湯がく。定期的に混ぜて麺が絡んだりくっつかないようにしたい
冷やしうどんと温かいうどんが完成。筆者の好みは冷やしだったが、子どもたちはどちらも喜んで食べていた

もっちり生パスタは日常的に食べたい

 続いてパスタ作りに挑戦する。小麦粉は、強力粉と薄力粉をブレンドして使用した。付属のレシピブックには、デュラムセモリナ粉や、全粒粉などを使ったパスタのレシピも掲載されており、さまざまなバリエーションが楽しめそうだ。

強力粉、薄力粉を用意してパスタを作る
1.6mm平麺の製麺用キャップに付け替え。レシピによると、2mm丸麺などもパスタ向きとのこと
計量カップに卵を割り入れて溶く。そこに水を足して、最適な量に調整していく

 基本的な製麺工程はうどんと同じ。違うのは水分に卵を入れるため、しっかりと混ぜておくといったことぐらいだろうか。また、うどんと比べると攪拌時に製麺棒に生地がくっつくことが多かった。これはたまにカバーを開けて、ヘラなどを使って剥がしていく。カバーを開けると、攪拌、製麺ともにストップするため、手を挟むといった心配はない。

平麺のパスタができた。ゆでると、この状態よりももう少し膨らむ
ステーキナイフで適当な長さにカット。筆者宅ではこのナイフがちょうど良かった
卵が含まれている分、製麺棒に絡みやすい。押し出し時には何度か逆回転を繰り返して、生地に無駄がでないよう、押し出し口に生地を運んでくれる

 今回は1.6mm平麺の製麺用キャップを使ったが、非常にモチモチとした食感のパスタとなった。いくつかのソースを試してみたが、クリーム系ソースとの相性は抜群。逆に、たらこソースなどはモッタリとした食感になり、あまり相性は良くないようだ。ただし、麺の太さや粉の配合を変えることで、このあたりもいろいろと楽しめそうだ。

約7分ゆでてソースと絡めたところ。クリーム系ソースとの相性は抜群だ
使用後の製麺用キャップは冷凍庫に入れておく。生地が凍ったら、クリーニングキットを装着して強く押すと、キレイに生地が取り出せる。この仕組みは非常に便利だ

家庭で本格ラーメンが楽しめる!

 続いて、多くの方が期待されているであろうラーメン作りだ。最近では多くのスーパーで、スープだけの単体売りなども見かけるようになった。自宅でオリジナルの麺を作って、好きなスープでラーメンを作るということがより手軽にできる様になってきたのだ。

 ラーメン用の麺にかかせないのが重曹(かん水)だ。これを入れることで、ラーメンらしい弾力や食感を生み出してくれる。規定の分量の重曹をお湯で溶き(強アルカリ性にする)、それを規定の比率の塩水とあわせて、製麺ケースに入れていく。小麦粉は強力粉のみなので、面倒なのは、水分をあわせる所ぐらいだろうか。ちなみに水分を卵に置き換えることで、卵麺も作れるという。

 2mm丸麺の製麺用キャップで作ったラーメンのゆで時間はわずか4分。このため、製麺を始める前にゆで湯だけでなく、スープや具材などはすべて用意しておくといいだろう。麺ができたら、お湯に投入してゆで、しっかりとお湯を切って、スープを張ったラーメンどんぶりに投入する。

 できあがったラーメンは、一般的な醤油ラーメンよりはちょっと太めで、歯ごたえやのどごしもいい。ただし、縮れがないため、スープの絡みはちょっと弱め。複数のスープを用意してみたが、豚骨醤油のような強めのスープとの相性が非常に良かった。

ラーメン作りに必須の重曹。筆者は、横着して最初ベーキングパウダーで代用してみたが製麺時に固まり、大失敗だった
2mm丸麺の製麺用キャップで作ったラーメンの麺。縮れているように見えるがだんだんとまっすぐになっていく
完成したラーメン。2種類のスープに入れて食べてみたが、豚骨醤油の濃いスープとの相性がいい。麺はちょっと太め。好みによってはコシ調整をしてもいいかもしれない

 実は、ヌードルメーカーで作った麺は1〜2日なら冷蔵庫で保存できるという。そこで、1.6mm角麺のラーメンを作り、冷蔵庫で約24時間保存してから食べてみた。1日経過した麺は、ラップと打ち粉で守られているとはいえ、乾燥して折れるといったこともなく、状態は安定。それを約2分ゆでる。

 1日おいたためか、麺はゆでる前よりかなり膨らんだ印象。前日作った2mm丸麺と比べても、ゆであがりは麺の太さにほとんど違いは無いように感じられた。ゆでた後も、麺が切れるといったことはなく、食感も問題なし。このように保存して食べられるなら、一度に4人分製麺しておいて、半分は翌日に、といった使い方もできそうだ。

続いて、1.6mm角麺の製麺用キャップで押し出した麺。この時点では2mm丸麺で作った麺とは明らかに太さが違う
たっぷりと打ち粉をふるい、ラップに包んで丸1日冷蔵庫で寝かした後の麺
こちらは醤油と味噌のスープを用意。自家製チャーシューなども載せてみた。麺はゆでる前よりかなり膨らんだ印象。ゆで時間はわずか2分だが、歯ごたえ重視ならもっと短くてもいいかもしれない

ハードルの高いそばも問題なく作れたけれど……

 そして、今回最後に挑戦したのがそばだ。実は以前、ラオックスの製麺機を使った時は、そばはゆで終わったとたん、ほとんど1〜2cmにちぎれてしまい、麺という体裁ではなくなってしまっていた。乾燥しやすい冬場だったということを加味しても、そば作りの難しさは経験済みだ。なので、今回もそばに関しては難しいだろうなと思っていた。

 しかし、レシピ通りに作ってみたところ、麺がちぎれることなく完成した。これには驚かされた。ただ、1点注意がある。ヌードルメーカーの標準レシピのそばは、小麦粉7のそば粉3の割合。一般的な、そばの配合の反対なのだ。このため、できたそばのそば粉の風味は非常に薄い。極端に言ってしまえば、そば入りうどんなのだ。残念ながら、まだ同比率の五五そばや二八そばなどには挑戦できていない。このあたりの配合のそばができると、そば食いにもたまらない製品となるだろう。

小麦とそば粉を用意。そば粉は含水率がシビアなので、できるだけ新しいモノを使おう
事前に小麦粉とそば粉をしっかりと混ぜておいてから製麺ケースに投入。そして水分をいれてそばが抽出できた
ざるそばにしたところ。そばの比率が低いため、麺の色は薄めだ
天ぷらそばも作った。つゆをちょっと辛めに作ると江戸っ子なそばの雰囲気に

炊飯器、ホームベーカリーに続く主食家電として納得のレベルに!

 フィリップスの意欲作として登場したヌードルメーカー。うどん、パスタ、ラーメン、そばと一通り作ってみて、その完成度の高さに驚かされた。

 たとえば、メンテナンス性。前述の通り、製麺用キャップに詰まった生地が簡単に取り出せる仕組みはもちろん、製麺ケースに残る生地も非常に少なかった。このあたりは以前使ったモデルと比べて大きな差だと感じられた。

 また、ヌードルメーカーのサイトでは、ケース内などに残ってしまった生地を活用するレシピも掲載されており、生地を無駄しない取り組みに好感が持てる。

 肝心の麺の完成度は、これも納得。うどん、ラーメン、パスタは日常食として十分に満足できるレベルだといえる。ちなみに、うどんをつくるために指定された「手打ちうどんの小麦粉(中力粉)は330円ほど。これで約8人分のうどんが打てる計算になる。つまり、ひとりあたり約41円。これなら市販のうどん玉の価格とそれほど変わらない。

 しかも、製麺から初めて抽出、ゆでる時間を含めても2人分が約20分でできる。これなら、お腹が空いたなと思ってからでもサッと作ることができる。自宅でいつでも打ち立てのうどんや生パスタ、ラーメンが食べられる。麺食いには、もう買わない理由は見つからない。


コヤマタカヒロ

1973年生まれ。大学生の頃にライターデビューをして現在17年目。パソコンからAV機器、デジタルガジェット、白物家電などの電気が流れる製品と、その関連サービスを中心に執筆活動を展開する雑食系のデジタルライター。一般商品者目線で、最新テクノロジーを伝え、完成品はできる限り自分で試して記事にすることを信条にしている。