家電製品ミニレビュー
サタケ「マジックミル RSKM5B」
サタケ「マジックミル RSKM5B」 |
もうすぐ新米の季節だ。なかには、実家から玄米が送られてくるという人も多いだろう。そんな家庭に1台あると便利なのが精米器だ。
国内では、象印マホービン、タイガー、ツインバード、山善、山本電気などのメーカーが精米器を製造している。その中でも、業務用精米器で有名なメーカーがサタケ。今回紹介する「マジックミル RSKM5B」は、そのサタケが家庭用に開発した精米器だ。
メーカー | サタケ |
製品名 | マジックミル RSKM5B |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 27,936円 |
精米器は大きく分けて、撹拌式と圧力式の2種類に分かれる。撹拌式は、ザルのような容器に玄米を入れ、回転させて精米する方式。圧力式は、米に圧力をかけてぬかを落とす方式だ。メーカーのカタログを見ると、いずれの方式も「米が欠けにくい」「米が熱くならず風味を損ねない」などとアピールされており、実際のところはシロートにははっきりしない。
まずフタを外す | ザルが現われる | その下にはヌカを受けるトレイがある |
米を入れるザル | 真ん中に回転する棒がある |
このRSKM5Bは、撹拌式である。筒状の本体に玄米を入れると、底面にある撹拌棒によってザルの上で玄米が回転し、ぬかが落ちる仕組みだ。本体の大きさは190×210×300mm(幅×奥行き×高さ)。大きさとしては電気ポットに近い。米を取り出す際にザルを出し入れする必要があるため、本体の上側にスペースが必要だ。なお、精米した後のぬかは脱着可能なケースに落ちるので、本体自体を頻繁に動かすことはない。
操作パネルは至ってシンプル。左側に米の量を選択するボタン、右側に精米の度合いを選択するボタンがあり、それぞれ該当するボタンを押してから、「運転/停止」ボタンを押す。あとはそのまま放っておくだけだ。
1合を精米した場合にかかった時間は、3分つきで40秒、5分つきで55秒、7分つきで80秒、胚芽米で180秒、白米で130秒だった。
精米中の音は大きく、テレビの音をかき消すくらいの音量がある。ただし、この音に関しては、特にこの機種がうるさいというわけではなく、精米器というジャンル全体について言えることだ。
精米時の様子 |
精米の仕上がりについては、最初に厳しいことを言ってしまうと、さすがに店頭で購入した白米には劣る。3合、4合と精米するとぬかの残った米がところどころに見えるなど、若干だがムラが生じるのだ。また、普通の白米と比べると、「白米」で精米しても、わずかだが黄色い。これはおそらく、削りすぎによる米の欠けを防ぐためと思われる。
三分づき | 五分づき | 七分づき |
実際に炊いて食べると、やはりおいしい。粘りとツヤが出る。やはり新鮮さが違うのだろう。「白米」で精米しても多少黄色いが、これは許容できる。
というのも、実は他のメーカーの1万円程度の精米器も併せて試したが、白くなる代わりにとにかく米が欠けてしまう。欠けた米でご飯を炊くと、米が餅状にべっとりと仕上がって、食感が悪いことこの上ない。そうした観点からいうと、「精米しすぎで欠けるくらいならちょっと黄色い方がマシ」というこの機種の判断は賢明だろうと思う。
精米の精度、という意味では、我々が普段購入する白米には及ばないが、こと鮮度に関しては、こちらの方が上である。30kg買い置きし、4カ月近くかかって消費しても、玄米の場合、表面の酸化がないため、おいしく食べられる。仮に白米を買って古くなった場合でも、3分付きモードは白米を磨くモードも兼用しているため、鮮度を取り戻すために使ってもいいだろう。ただしこの場合、米がべっとりと仕上がる可能性は十分にあり得る。
手入れは簡単だ。まず米の入ったザルを取り出し、バケツ状のカップを取りはずし、底に溜まったぬかを捨てるだけ。手もほとんど汚れない。
米の入ったザルを取った状態 | ぬかが溜まったトレーを外す | 本体は汚れないので動かす必要がない |
家庭用の精米器としては、かなり完成度の高い製品ではないだろうか。値は少々張るが、操作のしやすさ、適切な精米の度合い、しっかりとした部品の作りなど、業務用製品を作るメーカーならではの信頼感がある。玄米をもらう、または購入する機会の多い人は、ぜひ選択肢に含めてもらいたい。
2009年8月3日 00:00