老師オグチの家電カンフー
20文字オーバーは当たり前! 炊飯器の名前が「寿限無」化している件について
2017年2月22日 07:00
最近、炊飯器の新製品が立て続けに出たこともあって、炊き比べの記事が目立ちます。お米の銘柄やちょっとした水の加減にも左右されるので、味の評価はなかなか難しいですね。いろんな記事を見るほどにそう感じます。ですが今回は味の話ではなく、名前の話。炊飯器の商品名が長いんだよ!
・三菱電機「三菱IHジャー炊飯器 本炭釜 KAMADO NJ-AW107」(27文字)
・ZOJIRUSHI「圧力IH炊飯ジャー「南部鉄器 極め羽釜」NW-AS10」(26文字※カギカッコ含む)
・パナソニック「スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器 SR-SPX106」(26文字)
・アイリスオーヤマ「銘柄量り炊きIHジャー炊飯器 3合 RC-IA30」(23文字)
どうです、長いでしょう?
食べるラー油ブームを作った「桃屋の辛そうで辛くない少し辛いラー油」でも18文字ですからね。同じ桃屋の「さあさあ生七味とうがらし 山椒はピリリ結構なお味」でも23文字。炊飯器の方が長い。あくまで主役は「ごはんですよ!」ってことでしょうか。
同じ長い名前でも、桃屋と炊飯器では雰囲気が異なります。桃屋のはライトノベルのタイトルに近く自然な文章、炊飯器は単語や型番の組み合わせで、流通や社内事情も関連してそうです。組み合わさる要素は以下の7つ。
・メーカー名
・ブランド名
・カテゴリー(IHジャー炊飯器など)
・機能(スチーム&可変圧力、本炭釜など)
・愛称(KAMADOなど)
・スペック(3合など)
・型番
子供に付ける名前と同じで、メーカーも「長生きしてほしい」「売れてほしい」など、いろんな願いを込めるので長くなるのでしょう。落語の「寿限無」と同じです。とはいえ、寿限無は小学生でも暗唱できますが、炊飯器の名前はメーカーの人も怪しいのではないでしょうか。だって、ニュースリリースとWEBサイトで表記に違いがあり、本当の名前がわかりにくかったりしますからね。当然、メディアやECサイトでは商品名に混乱が見られます。
一方、炊飯器でも新規参入組は名前が短いです。「BALMUDA The Gohan」や「バーミキュラ ライスポット」とシンプル。「BALMUDA The Gohan」は、頭がメーカー名だから、真水部分は「ごはん」。製品カテゴリーですらなく、料理名ですよ!
これを桃屋風に変えるなら、「バルミューダの水蒸気の力だけでおいしいごはんを炊く、まったく新しい方式の炊飯器」。バーミキュラのをラノベ風にするなら、「奥サマがたの間で評価の高かったホーロー鍋が炊飯器になった件について」とかですかね……。
いろいろ欲張って長い名前にするか、シンプルにオシャレな名前で行くか、それともキラキラネームで個性を出すか。味の評価のように難しいテーマです。
名前、それは燃える命。すばらしい名前を付けて下さい。