藤山哲人の実践! 家電ラボ

スマホで空気を可視化する「Blueair Aware」で空気清浄機の新しい使い方を探る!

スマホで空気を可視化する「Blueair Aware」で空気清浄機の新しい使い方を探る!

 ブルーエアはスウェーデン生まれの空気清浄機。デザイン性の高さから、販売店などで見かけた人も多いだろう。

 そのブルーエアが出しているのが、「Aware(アウェア)」という部屋の空気の状態をスマホで見られるエアーモニターだ。また空気清浄機自体もWi-Fiに接続でき、スマホからコントロールできる「Blueair Sense+(センス プラス)」がある。この2つを組み合わせると、どんなことができるのかを調べてみた。

そのデザインと性能から、量販店などでも良く見かけるようになったブルーエアの空気清浄機。左が従来型のClassic、右が小型でWi-Fi接続できる新しいSense+
部屋の空気をモニタリングできるセンサー&Wi-Fi機能を備えたAware。大きさは500mlのペットボトル程度
メーカー名ブルーエア
製品名空気清浄機「Sense+」エアーモニター「Aware」
適用畳数11畳-
実売価格58,860円27,000円

スマホで部屋の空気をモニタリングできるAware

 Awareは部屋の空気の汚れを感知するセンサー。たいていの空気清浄機はセンサーを搭載し、空気の汚れやニオイを検知しているが、Awareはセンサー部分を切り出して、部屋の状態をスマホに表示できる装置だ。

AwareとSense+とをつなぐ専用アプリ「Blueair Friend」。Awareが収集した空気の状態をモニタリングできるほか、推移をグラフ化してくれる

 Awareでモニタリングできるのは、「PM2.5/VOC(揮発性有機化合物)/二酸化炭素/湿度/温度」の5点。アプリではそれぞれ項目が分かれており、空気中に浮遊する物質を細かく検知してくれる。

 PM2.5は、直径2.5μm以下の極微細な粒子状の汚れ。微細なホコリや排気ガス、タバコの煙の粒子やススなど、多種に渡る。

 VOCは、揮発性の有機化合物などのこと。ホルムアルデヒドや揮発性のシンナー、トルエンなどのペンキ類といった、ニオイの強いものもチェックする。

PM2.5の状態が、言葉と数値とグラフで表示される
VOCの項目。良好な場合のグラフは青で、汚れている場合はオレンジで表示される

 Co2(二酸化炭素)の計測は、VOCの値を元に計算しているので、VOCのグラフと連動しほぼ同じ形状になる。

 湿度や室温もチェックでき、熱中症やカビ対策の指針になるほか、出先からでも室温をモニタリングできる。

Co2の項目。グラフの色は、本体のランプとも連動していて、きれいな空気の場合は本体のランプがブルーに光る
湿度や室温もモニタリング。カビ対策や、出先からの室温確認などに使える

セットアップは簡単、データは出先からも確認できる

 Awareの大きさは500mlのペットボトルサイズ。電源はスマホなどのUSB-ACアダプタから取るようになっている。

 セットアップは簡単。まずスマートフォンに、無償のアプリ「Blueair Friend」をインストール。アプリを起動後に、本機を逆さまにして数秒おくとセットアップモードに入り、Awareがスマホに認識される。あとはAwareを接続したいWi-Fiネットワーク名やパスワードを入れればOK。なお、アプリはAndroidとiOSに対応している。

同梱されているUSB-ACアダプタから電源を取る

 セットアップできると数秒ごとにセンサーのデータが、ブルーエアのサーバに送られる。サーバに送られたデータは、家の中だけでなく、会社や旅行先と言った出先でも見られるのだ。

 また日、週、月単位で、それぞれの物質の増減をグラフで表示でき、その傾向も読み取れるのが特徴だ。

室温変化の項目。左から日、週、月ごとにグラフ化できる。ここから傾向を掴むことが可能

Awareの性能をチェック! PM2.5やCo2を細かく検知

 さて、このAwareの性能、どれだけ物質を細かく検知しているのか、実際に試してみたのが次の実験だ。

 Aware本体に、煙や揮発性の接着剤、二酸化炭素を1つずつ近づけて、アプリでどのようにモニタリングされるかを確認してみた。なお、空気環境は本体のランプでも確認できるが、6段階の表示なため、より詳しく知るにはアプリで見るのがオススメだ。

PM2.5

 まずPM2.5は、極細かい微粒子の汚れなので、花粉やホコリなどでは大きすぎるため、蚊取り線香の煙で実験。

まずはPM2.5をチェック
蚊取り線香の煙で実験

 このように瞬時に反応しているのが良く分かる。また写真を見ると、Awareとスマホ間で通信しているように見えるが、実際はAware⇒無線LANルーター⇒BlueAirのサーバ⇒無線LANルーター⇒スマホという経路で、データが表示されている。

VOC

 次に試したのは揮発性の接着剤。これもスグに反応しており、PM2.5の数値があまり変わらないのに対し、VOCの数値はグングンと上昇している。

有機溶剤の接着剤で実験。ペットのオシッコ臭のアンモニアといった900以上のガスなどに反応する
VOC量を検知。数値がグングンと上昇している
Co2

 最後に試したのはCo2。理科実験用の二酸化炭素が入ったスプレーを吹きかけると、数値が上昇した。

Co2量を検知

スマホを介してAwareとSense+を連携。これまでの空気清浄機とは違った新しい使い方ができる

 Awareの面白い点は、空気清浄機「Blueair Sense+」と連携できる点だ。実はAwareで利用したスマホ用のアプリはSense+とも連携でき、スマホから電源や風量を調整できる。

 さらにAwareとSense+を連携させると、部屋の空気の状況に応じて自動的に風量を調整してくれる機能を持つ。空気清浄機とセンサーは別々の場所に設置できるので、その対応付けも自由だ。これまでの空気清浄機とは違った新しい使い方ができる。

スマホからSense+の風量をコントロールしたり、深夜の運転状態の設定を切り替えるなど、さまざまな使い方が可能になる
AwareとSense+を連携させると、リアルタイムの空気の状態に応じて空気清浄機の運転を調整してくれる

 たとえばペットのトイレの近くなどで使えば、ニオイや汚れを検出して自動運転できる。

 花粉やPM2.5などが気になるようであれば、玄関にセンサーを設置してドアの開閉で外から入ってくる汚れた空気をいち早く検出。リビングの空気清浄機を、一足早く運転するといった使い方が可能だ。

 また、Awareを室温や湿度モニターとして利用し、気温の変化に鈍くなってしまったお年寄りの見守りや熱中症予防にも使えるだろう。

センサーは本体とは別の場所に設置可能。ペットのトイレの近くに置いたり、玄関に置いて汚れをいち早く検出するなど多様な使い方ができる
Sense+単体での操作も可能。手をかざして風量と電源をコントロールする

 なお、フィルターはカセット方式になっている。清浄機能が落ちたかな? と感じたら、別売りの交換用フィルターに取り替えれば、手入れ不要で新品と同じ性能にリセットできるのが特徴。フィルターは半年ごとの交換を推奨している。

交換用フィルター
フィルターを交換すると、新品同様の機能に戻る

Sense+とClassicの違いは風量とWi-Fi対応

 さてブルーエアの空気清浄機には、もう1つモデルがある。独自のセンサーと自動運転モードを搭載し、汚れに応じた自動風量調整が可能な「Blueair Classic(クラシック)」だ。

 しかしClassicはスマホからコントロールできないので、Awareと連携できない点に注意してほしい。

Classicには独自のセンサーとオートモードがあり、スマホからはコントロールできない

 また清浄できる空気の量は、Sense+は適用床面積11畳とやや少なく、小さい部屋向けになっている。次の動画は、煙を充満させたボックスに空気清浄機をセットして、どのぐらいで空気がきれいになるかを実験したものだ。

 Classicは、適用床面積21畳タイプの450Eを利用。Sense+とClassicでは風量が違うため、ボックスの中が透明になる時間に差が出る点を注意してみてほしい。

ボックスに煙を充満させてSense+を運転
同じく煙を充満させたボックスで、今度はClassicを運転

藤山 哲人