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ロボット掃除機の独自路線で注目「ナーワル」ってどんなメーカー?

ロボット掃除機「Narwal Freo」

ロボット掃除機業界は、米国メーカーや中国メーカー、日本メーカーが数多くの製品を作っており、群雄割拠の時代ともいえます。その中でも、2016年創業の新興メーカーながら、注目度が高まっているのが中国のNarwal(ナーワル)。日本でも「Narwal Freo(フレオ)」というモデルを販売しています。

名前を聞いたことがない人もいるかもしれませんが、実はさまざまな“業界初”を打ち出してきたトレンドセッターともいえるメーカー。多くのロボット掃除機メーカーが競争し、普及も日本より先行している中国においてNarwalはどんな存在であり、日本では今後どういった展開をしていくのか、日本市場の担当者に聞きました。

中国の深センにあるNarwalのオフィス
記事の最後に読者向けセール情報も

新生活シーズンに合わせてNarwalでは3月31日まで期間限定のセールを実施。家電 Watch読者向けに特別クーポンも用意されています。キャンペーン詳細は記事の最後に掲載しています。

中国のロボット掃除機ユーザーの5人に1人が使う

ロボット掃除機「Narwal Freo」の特徴は、本体で吸引掃除や水拭きに加え、充電台である「ベースステーション」で、掃除後のモップの洗浄と乾燥まで全自動で行なえる機能をいち早くとりいれたこと。小型の円形タッチディスプレイを備えているのもユニークで、このディスプレイ上で本体の充電状況チェックや設定ができて、掃除をすぐ実行することも可能です。

Narwal Freo本体とベースステーション
タッチディスプレイで本体の状況確認や操作、設定ができます

Narwal JapanチームのヤンさんはNarwalについて「日本ではまだ知らない方もいますが、中国ではロボット掃除機ユーザーの5人に1人が使っているほど知名度のあるメーカーです」と調査データを元に説明します。

「中国のInstagramともいえるSNSの『RED BOOK(小紅書)』では、ロボット掃除機のキーワードで検索するとNarwalの製品が上位に多く出てきます。中国での知名度は業界3位くらいです」(ヤンさん)

Narwal Japanチームのスタッフ。下写真の左から3番目がヤンさん、一番右がジェミニさん

Narwalという会社名の由来について、ヤンさんは次のように教えてくれました。

「Narwalの中国での会社名は『云鯨(“云”は雲の簡体字)』です。中国ではクリーニング店や家事代行サービスなど、水を使うサービスを『鯨』という文字で表すことが多いのです。家を清潔にするイメージと、水が豊富というイメージが中国の人たちの間で一致しているため、鯨という漢字を使うことが多いのだと思います」

「もう一つの“雲”は、ロボット掃除機にとって重要な役割を果たすAIやアルゴリズムがクラウドとも関連するため、水回りを示す『鯨』とクラウドを示す『雲(云)』を組み合わせて『云鯨』となりました。中国では5製品をラインナップしていますが、どれも白を基調としたデザインをしており、これらの製品のことを『白鯨ちゃん(小白鯨)』と親しみを持って呼ばれています」(ヤンさん)

掃除機に「おまかせ」できる手軽さ。給排水まで直結の究極型も!?

Narwalの創業者である張峻彬(チョウ・シュンヒン)CEOは、中学生の頃からロボットテクノロジーに傾倒し、16歳の時に国際青少年オリンピック ロボットコンテストで金メダルを獲得。その後、中国の名門、上海交通大学と大学院でロボット工学を研究したとのことです。

Narwal創業者の張峻彬CEO

「張CEOは卒業した後にどのような事業で起業しようか考えていたところ、母親が腰を曲げて床掃除をしているのを見ました。そこで、大きなことを成し遂げる前に身近な家族や多くの人々の生活を便利にし、床掃除の仕事から解放させることがロボット技術の使い道だと考えたそうです。そこからロボット掃除機の開発をスタートしました」(ヤンさん)

Narwalを創業した2016年当時の市場には、吸引専用と水拭き専用、パッドを付け替えることで水拭きも可能な2in1タイプの3種類があったものの、吸引と水拭きを同時に行なえる2in1タイプのロボット掃除機はありませんでした。

深センのオフィスでは、Narwalの初代製品が誕生した経緯も紹介されている

「一度に吸引も水拭きもできるだけでなく、水拭き機能に関連するメンテナンスも全部機械に任せられないかというのが最初の発想でした。3年間の研究開発を経て、2019年に業界初のモップ自動洗浄機能付きロボット掃除機『J1』(海外市場では『T10』)の開発に成功しました」(ヤンさん)

J1に続いて発売した「J2」の画期的な点は、業界に先がけて“自動給排水”機能を搭載した点にあります。

「自動給排水機能は洗濯機のように水道管と排水管と繋げることで、水の補充から汚水の排水までの手間が一切不要になるというものです。住宅を新築する際に、J2のこの機能を利用するためスペースと給排水設備を備えるというお客様も数多くいました。J2以降にこの機能を搭載しており、中国のユーザーのうち50%近くが利用している人気の機能です」(ヤンさん)

水の補充から排水まで行なうJ2(中国Narwalの製品情報サイトより)

そして2022年に開発した3世代目のモデルが、日本でも販売を開始した「Narwal Freo」(中国では「J3」)です。

「Freoの一押し機能はおまかせシステムの『Freoモード』です。このおまかせシステムの核となる機能が、回収された汚水の汚れ具合を識別する『DirtSense(ダートセンス)』です。これは通ったエリアがどれほど汚れていたのか、二度拭きが必要なのかを自分で判断して、必要に応じて二度拭きするというものです。また、壁際でお尻を振りながらモップを壁際まで寄せて拭く『テールスイング』機能もFreoで初めて搭載しました」(ヤンさん)

おまかせシステムの「Freoモード」を搭載

Narwal Freoの強みについてヤンさんは「手間なく掃除を完結できること」だと話します。

「例えばモップを取り外して洗浄し、乾燥させて装着したり、カーペットを濡らさないために事前に片付けたり、スマホを取り出して掃除をスタートするといった小さな手間が重なると、掃除機掛けの頻度がどうしても下がってしまいます。Narwal Freoの場合はタッチパネルで『Freoモード』をオンにするだけで自動的に汚れ具合を識別し、カーペットを見つけたらモップをリフトアップして掃除します。掃除が終わったら自動的にベースに戻ってきれいになるまで洗浄し、乾燥してくれます。新品のようなモップで次の掃除に出発するという流れをすべてワンタッチで完結できるので、掃除の頻度がぐっと上がり、常に清潔をキープできるのが強みだと思います」(ヤンさん)

細かい課題を見つけては、新たなアイデアで解決するものづくり実践

Narwalは中国で初代モデルから4世代目まで全5機種をラインナップしていますが、いわゆるスタンダード機やエントリー機といったモデルはありません。

「当社はフラッグシップモデルをアップグレードし続けるような製品戦略を採っています。他社がエントリーからハイエンドまで幅広く扱うのとは違い、ハイエンドモデルの機能を充実させていくような開発を進めています」(ヤンさん)

中国で展開している製品ラインナップ

J1が搭載した業界初のモップ自動洗浄機能、現在の中国ではスタンダードになっているというJ2からの自動給排水機能、J3のFreoモードやテールスイング機能など、Narwalは毎世代でユニークな機能を開発し続けています。それにはどのような背景があるのでしょうか。

「開発において重要なのは、アイデアを生み続けられることだと思います。当社の開発チームは家の中をどうすればきれいにできるのか、その方法を常に模索しています」(ヤンさん)

公式サイトに掲載されている情報以外にも、ユーザーがまだ気づいていない細かい課題を見つけては解決するという繰り返しをしており、数多くの小さな工夫があるとのこと。

「例えば、水拭きしたくない場所ではモップを持ち上げる「モップリフトアップ」機能ですが、カーペット上を走行する時以外にも最初の目的地の部屋に向かう途中、掃除した後にモップが汚れた状態でベースに帰る途中などはモップをずっとリフトアップしている状態なんです。これは汚れたモップがきれいになったエリアを汚さないようにするための設計。吸引のみのモードでもモップをリフトアップし、モップ掛けのみのモードではメインブラシをリフトアップするなど、いろいろと小さな工夫をしています」(ヤンさん)

サイドブラシの回転速度も、左右で異なっているとのこと。

「他社製品ではサイドブラシが1本だけのもの、2本のもの、全くないものなどさまざまですが、当社は2つ装着しています。そのうちメインの右側の方は回転速度が速いのに対し、左側は遅めになっています。それは、かき集められたゴミをはね飛ばさないような設計になっているのです。このように小さなところに、研究室での積み上げが見られているのも当社の製品ならではの特徴だと思います」(ヤンさん)

2つのサイドブラシが連携してゴミを効率的に収集

開発するエンジニアの技術力も強みとして挙げています。

「創業者の張CEOはロボットテクノロジーの専門家ですし、当社は社員数1,000人くらいの小さな会社ではあるものの、その半数近くが研究開発担当者です。そこも技術力の強みといえます。Narwalの拠点は中国の深センにあるのですが、ハイテク業界で名を馳せた各社からも精鋭メンバーが数多く集結しており、それも技術力の源泉になっています」(ヤンさん)

ラボでは日々エンジニアたちによって開発や検討が続けられている。この写真は機器の内部構造を確認する工程。ロボットをうまく走らせるために細部までしっかりチェックする
静電気テストの様子。静電気がロボットの動作に影響を与えるため、それを事前に防ぐためのもの
エラーの箇所を探しているところ。とあるアイディアをもとに機能を搭載したものの想定通りに動かなかったため、誤りはどこにあるか検証する
環境テストの様子。過湿、過熱、極寒といった環境下でも、ロボットの動作に影響がないことを実現するためテストを重ねる

スティックタイプのコードレス水拭き掃除機も開発中

Narwalは中国で事業をスタートし、北米を中心とした欧米市場、続いて日本と韓国への進出を果たしました。

「当社の商品は誕生当初から米国のTIME誌に『人々の生活を確実に変えられる製品』という評価をいただきました。ぜひ日本人のお客様にもお届けして生活が豊かになってほしいと考えて日本市場への進出を図りました。日本人は世界のどの国よりもきれい好きで片付けをするのも好きで、畳の和室と洋室とカーペットが混在する独特の住宅事情もあります。一戸建てが多いなど、世界のどの国とも違う状況があるため、商品開発のヒントになるというのも進出のポイントでした」(ヤンさん)

様々なスペースで製品テストなども続けられている

日本人は購入に向けた意志決定においてもユニークな特徴があると、同チームのジェミニさんが教えてくれました。

「日本のユーザーは購入前に性能や機能、耐久性などを何度も他のブランドと比較検討するなど、慎重な意思決定をすると我々は認識しています。そういう意味で、日本のユーザーは自分自身のニーズをよく把握できているのだと思います」(ジェミニさん)

日本のユーザーからはNarwal Freoについてさまざまなフィードバックを得ているとのことです。

「Narwal Freoは水拭き機能がとてもいいというコメントをよくいただいています。日本人は裸足で家の中を歩く習慣があるので、Narwal Freoの水拭き機能の魅力をよく実感していただけるのだと思います。もう一つは、Narwal Freoの動作音がとても小さくて静かだというコメントもよくいただいています。日本人はとても隣人に配慮する方が多いので、ここも日本のユーザーのニーズに合っているのだと思います。これからも日本人のユーザーのニーズをとらえて製品の開発を進めていきます」(ジェミニさん)

ロボット掃除機に留まらず、今後の展開にもいろいろな構想があるようです。

「スティックタイプのコードレス水拭き掃除機の開発が既に終わっており、恐らく2024年中に日本でも発売できると思います。また、ロボット掃除機は持続的にアップデートと機能拡張を行ない、それを通じてユーザーの皆様の満足度を向上していく予定です。さらに、これからの清掃や清潔性をアップするカテゴリーの製品の拡大に積極的に取り組んでいきます。従来の清掃ツールの概念を覆すような画期的な製品を展開することで、使う人により便利で効率的な清掃体験を提供していきたいと考えております」(ジェミニさん)

ロボット掃除機「Narwal Freo」セール情報 家電 Watch限定クーポンも

Narwalでは新生活シーズンに合わせて、ロボット掃除機「Narwal Freo」の期間限定セールを実施。期間中はお得な割引価格で購入でき、さらに家電 Watch読者向けに5,000円 OFFのクーポンも提供されています。

引っ越しなどで家電について検討している家庭や、これから一人暮らしを始める人など、掃除の手間を省いて家事をラクにしてくれるロボット掃除機を、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。

一般販売価格:144,800円
セール価格:114,120円
さらに家電 Watch限定5,000円 OFFクーポンコード: kaden2403
クーポン適用後の価格:109,120円
クーポン有効期間: 3月18日~3月31日

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(提供:Narwal Japan)