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無加水料理で大人気の、鋳物鍋“バーミキュラ”から炊飯器が発表!
(2015/5/13 11:43)
愛知ドビーは4月某日、都内において同社初となる家電製品「VERMICULAR RICE POT(バーミキュラライスポット)」を流通関係者や一部メディア関係者にお披露目した。製品はまだ試作段階で、発売は今秋を予定、価格は8~10万円を想定しているという。
愛知ドビーは元々織物を生産するドビー機の製造メーカー。国内の繊維産業が衰退するなか、自社生産ができる新しい業態を探し、自社の持つ精密加工技術と、鋳物技術を活かして、2010年より、国内で唯一となる鋳物ホーロー鍋「VERMICULAR(バーミキュラ)」の生産に成功。発売以降、多くのファンを獲得してきた。そして今回、鋳物ホーロー鍋に続いて発売するのが、バーミキュラの技術を生かした専用鍋とIH調理部から成るバーミキュラライスポットだ。
愛知ドビーの代表取締役社長の土方邦裕氏によるとこれまでも従来のVERMICULARユーザーのなかには、おかず調理だけでなく、ごはんを炊く方も多く、「忙しくて毎日の料理に時間はかけられないけど、とびきり美味しいご飯を家族に食べてもらいたい」という声は大きかったという。
しかし、ガスコンロで鍋を使ってごはんを炊く場合、火のそばにずっとついている必要がある。また、炊くごはんの量や気温などによって、炊け具合が安定しないなど、ハードルは決して低くない。そこで開発したのが「バーミキュラライスポット」だ。
製品は大きく2つの機器で構成されている。まず1つが、ごはんを炊くために最適化されたバーミキュラライスポット専用鍋だ。従来のバーミキュラとは底面の仕上げや鍋の形状そのものも変更。より効率良くごはんに熱が入り、炊飯時にごはんが踊るように設計したという。
「従来のバーミキュラは底面にリブがありました。お肉を焼くときなどには良いのですが、ごはんを炊いたときにしゃもじですくいにくいという声がありました。そこで、しゃもじが入れやすく、さらに対流を促すよう水面の波紋のような円形状のリブとしています」(愛知ドビー ブランド統括部デザイナー 藤田敬行氏)
IH調理部は、かまどのようにごはんを包み込んで炊くため、底面だけでなく側面からも加熱できる立体構造を採用している。炊飯時はIH調理部に専用鍋をセットすることで、包み込んで加熱できる仕組みだ。
鍋を包み込む胴体部分はステンレスを採用。本体下部に配置された操作部は光沢ブラックを採用し、必要なボタンだけが点灯するタッチパネル式を採用していた。ただし、このあたりはまだ試作段階で、まだまだ変更の可能性があるという。
公表された試作機の本体サイズは、約310(取っ手部含む)×310×200mm(幅×奥行き×高さ)となっている。質量は、約6.6kg(専用鍋:4.3kg/IH調理部:約2.3kg)。鍋の容量は、約3.7Lで、最大5.5合の白米が炊ける。
炊飯器としての機能は非常にシンプル。お米の種類は「白米」と「玄米」の2種類が選択でき、炊き方は「普通」「おかゆ」「おこげ」が選べる。多くの炊飯器にあるような固い、柔らかいといった食感の設定は用意していない。担当者によると吸水時間や水の量などで調整できるよう、付属のガイドブックで炊き分け方法を案内していくつもりだという。
実際に「バーミキュラライスポット」で炊いたごはんを食べたが、お米の膨らみも十分。甘みやねばり、そして香りも感じられ、非常に美味しくいただけた。
さらに「バーミキュラライスポット」では調理モードも用意。IH調理部を使った、おかず調理ができる。3段階の火かげん調整が可能で、焦げ付きを防ぐ自動調整機能も用意。切りタイマーも搭載され、30分煮込んだ後に加熱を止めるといった使い方も可能だ。専用鍋も当然、鋳物ホーロー製なので、加熱を止めたあとも、高い蓄熱性により食材に熱を入れ続けることができる。
今でも鋳物ホーロー鍋で、ごはんを炊く人は少なくない。「バーミキュラライスポット」はそういった方々にはもちろん、鋳物ホーロー鍋を使ったおかず調理を堪能している方々にも魅力的な製品になりそうだ。