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運動中の脈拍をチェックできる腕時計タイプの脈拍計

腕時計タイプの脈拍計の新製品

 日本精密測器は、腕時計型の脈拍計を4月上旬より全国の量販店などで発売する。測定データを本機にのみ記録する「HR-60」、パソコンと連携する「HR-70」、スマートフォンと連携する「HR-80」の3機種が揃う。価格はオープンプライス。店頭予想価格は順に12,800~14,800円、17,800~19,800円、22,800~24,800円。なお「HR-80」の発売は7月以降を予定している。

 腕時計型の脈拍計。指で脈を計るセンサーと一体化し、ジョギングやウォーキングなどの運動をしながら脈拍を測れる点が特徴。自分の脈拍数から運動強度を確認することで、自分に最適なトレーニングの強さがわかり、安全に効率よく有酸素運動を行なえるという。ユーザーとして、40代から60代で定期的に有酸素運動を行なっている人や健康志向の高い人、アスリートなどを想定している。

本体カラーは各品番でブラックとグレーを用意する
本体背面
人差し指に装着する計測センサー

 装着は、本機を腕時計のように腕に巻き、センサーに人差し指を差し込む。従来の胸にベルトを装着する脈拍計に比べて、使いやすい点がメリットという。

まずベルトを腕に巻き付ける。ベルトは取り外して洗える。女性の細い手首にもフィットした
センサーを人差し指の奥までしっかり差し込む。フィット感があり、手指を動かしても外れにくい
手のひら側の様子。凹凸は最小限に抑えられている

 測定時は、液晶画面に脈拍を数値で表すほか、バックライトの色とグラフで運動強度を表示する。バックライトは軽い運動ではグリーン、最適な有酸素運動ではイエロー、無酸素運動のような強い運動ではレッドでそれぞれ点灯する。これにより運動強度をリアルタイムで確認できる。

バックライト色はグリーン
イエロー
レッド。カラーの違いがはっきりと分かり、見やすい
運動状態をバックライトの色と画面のグラフで表示する

 使用時にはあらかじめ年齢と性別を入力する。測定項目は脈拍のほか、消費カロリー、消費脂肪量、運動強度、運動時間、ラップタイム。時計表示機能も備え、平時は腕時計として使える。なお、ラップタイムのメモリー機能はない。

腕時計を見る角度に手首を傾けると、液晶画面のバックライトが自動で点灯する
測定中の様子。基本画面には、現在時刻と脈拍数を表示する
本体側面の「MODE」ボタンを押すと、上段に測定開始からの経過時間を示す「運動記録時間」、下段に運動強度を表示する
さらに「MODE」ボタンを押すと、上段に消費カロリー、下段に消費脂肪量を表示

 測定方式は、光電式を採用している。光電式とは、光を吸収する血液の特性を利用して、発光素子から一定の光を出し、反射された光の量を測定することで、脈動によって変化する血液量を測定する方法。反射された光の変動周期と血液の脈動周期は同じになるため、独自のアルゴリズムによって、脈拍数として表示している。

光電式とは、光を吸収する血液の特質を利用した測定方法
運動強度の求め方には、予備脈拍数による表現(%HRR)を用いる。年齢や性別が同じ人でも、安静時の脈拍数や運動時の脈拍数に個人差がある。これらの数値をもとに運動強度を求めることで、より個人に合わせた結果が得られるという

 電源には容量140mAhのリチウムイオン電池を搭載し、充電時間は2時間で連続計測時間は約10時間。計測機能を使わず、時計表示のみで使用する場合は、1回の充電で約1週間使える。充電にはMicro USBケーブルを使用する。

 手入れの面では、指に取り付けるセンサー部周りのパーツや、腕時計型のベルト部は取り外して水洗いに対応する。

指にはめるセンサー周りのパーツを取り外したところ
センサー部
側面の充電口。ゴム製のフタが付属している
「HR-70」はパソコンでデータを管理できる

 ほかの機器との連携機能として、「HR-70」ではパソコンとUSB接続して測定データを保存し、グラフ化して管理できる。「HR-80」ではBluetooth通信によって各種スマートフォンと連携し、測定データを管理するという。

 本体サイズは43.6×62.3×22.2mm(幅×奥行き×厚さ。バンドを除く)。本体重量は約50g。防水規格はIPX4の生活防水に対応。測定範囲は、脈拍数が30~238拍/分、運動記録時間は最長9時間59分、消費カロリーは最大9,999kcal、消費脂肪量は最大999g。カラーはブラックとグレー。

“測る”ことに対して、こだわりを持つメーカー

日本精密測器 浦秀樹 取締役社長

 日本精密測器は、群馬県の渋川市に本社を構えるメーカー。家庭用の血圧計やマッサージ機器、医療用のパルスオキシメーター、監視カメラ用部品のアイリスなどを手掛けている。同社の浦秀樹 取締役社長は、「今後は医療機器を含めて、健康機器の領域に参入していきたい」と展望を語った。

小林 樹