パナソニック、LED電球の特徴をわかりやすく教える「LEDあかり教室」を開催

パナソニックのLED電球の特徴や同社の取り組みをアピールするイベントが開催された

 パナソニックは、LED電球の特徴や製品選びのポイントをわかりやすく教えるLEDあかり教室を6月6日、報道陣向けに開催した。

 LEDの特徴などを学校の授業形式で伝えるイベントで、パナソニックのLED電球の特徴なども交えながら進められた。講師は、パナソニック アプライアンスマーケティング ジャパン本部 商品グループ ライティングチーム 浅井浩規氏が務めた。

 まず、1時間目の授業では、昨今の電力需要などを背景としたLEDの需要動向などを説明。東日本大震災以降、LEDの需要は大幅に伸長しており、市場規模は2010年の1,037万個から2011年には2,550万個まで拡大。その一方、家庭の電球の普及率を見るとLED電球は13%程度とまだまだ普及が行き渡っていない現状があるという。

講師を務めたアプライアンスマーケティング ジャパン本部 商品グループ ライティングチーム 浅井浩規氏2012年夏の電力事情は依然として厳しいLED電球市場は大幅に伸長しているものの、普及率は依然として13%前後に留まっている

 浅井氏は、ここで「日本の全世帯が白熱電球1個をLED電球に交換するとどれだけの電力量が削減できるでしょう」というクイズを出題。「黒部ダムの発電量約1.5年分」「家庭用蓄電池約96万台分(リチウムイオン蓄電池ユニット容量4.65kWhの場合)」「東京23区の一般世帯約2カ月分の電力使用量」という3つの選択肢が用意されたが、正解は3択全てが当てはまる。

「日本の全世帯が白熱電球1個をLED電球に交換するとどれだけの電力量が削減できるでしょう」というクイズを出題。Aは「黒部ダムの発電量約1.5年分」Bは「家庭用蓄電池約96万台分(リチウムイオン蓄電池ユニット容量4.65kWhの場合)」Cは「東京23区の一般世帯約2カ月分の電力使用量」
正解はA.B.Cの全てが当てはまる。電球を1個替えただけでも、全体でみると大きな節電につながるという

 浅井氏は、家庭の電球を1個変えるだけでも、全体で見ると大きな節電効果があることを訴えた。また、「あるデータによると、LED電球を1個購入した人は2回目には平均2.9個を購入するというデータも出ている。まずは、1個からでいいので、LED電球に踏み出して欲しい」とコメントした。

 講義ではまた、LED電球の寿命についても触れた。一般的なLED電球の寿命は約4万時間とされているが、これは約70%の明るさを維持できる時間で、実際には明るさは衰えるものの、4万時間が経過してもLED電球は点灯し続けるという。

LED電球の寿命は約4万時間とされているが、寿命がきてもすぐに消えることはないというLED電球は、寿命が近づくにつれ徐々に明るさが失われていく。パナソニックでは当初の約70%のを寿命と設定している
エコソリューションズ社 光源・デバイスユニット 品質管理グループ 三上誠一氏

 続いて、パナソニックの測光技術についてを講義が行なわれた。講師はパナソニックでLED電球の「品質マイスター」を務めるエコソリューションズ社 光源・デバイスユニット 品質管理グループ 三上誠一氏が担当。測光とは、明るさや光の質を正しく測定することで、専門の知識や技術を必要とする。会場には、パナソニックで実際には使われている測光器も用意された。

 測光器は、全方向からの光を均等に測定するため大きな球体で、中にLED電球をセットして使う。会場では、測光器のみが用意されたが、実際にはこの測光器に様々な計測器などを接続して使用する。

会場には巨大な測光器が用意された。これは実際に使っているものだという大きな球体の中にLED電球をセットして、様々な角度から製品を徹底的に検証するLED電球をセットしたところ

 三上氏は約20年この仕事を続けるベテランで、年間約600本のランプを測定しているという。「測光技術を通じて、品質向上やお客様への正しい情報提供を目指しているので、ただ明るさだけを測定しているわけでない。様々な角度から製品を徹底的に検証するため、1つの電球の測光には約3時間かかる」と語った。

 また、LED電球の急速な普及に性能を保証する仕組みが追いついていないと指摘した。パナソニックでは今後、自社製品だけでなく、第三者機関として製品を試験できるような体制や制度を整えていく構えだという。実際、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)から、工業標準化法(JIS法)に基づく試験事業者登録制度の認定を取得。これにより、LED電球の性能認証における第三者測定試験が実施可能になった。なお、同制度を取得したのは国内初という。

三上氏が数値などを確認しているところパナソニックでは、測光を単なる技術として捉えているわけではなく、自社製品の性能・品質向上、ユーザーへの正しい情報提供を目的としているという第三者機関として製品を試験できる試験事業者登録制度の認定を取得。今度は、体制や制度を整えていく構え
左から、下方向タイプ、クリア電球タイプ、全方向タイプ

 2時間目の授業では、パナソニックのLED電球について講義した。パナソニックのLED電球は「EVERLEDS(エバーレッズ)」では、きらめくあかりが再現できるシャンデリアなどに合う「クリア電球タイプ」、全方向に明るく白熱電球との置き換えに最適な「全方向タイプ」、ダウンライト向きの「下方向タイプ」の3つを展開。

 浅井氏は「照明器具との組み合わせに応じて、タイプが選べる」と話し、実際に会場の照明器具と組み合わせた例を説明。また、昨日発表されたばかりの「EVERLEDS(エバーレッズ) クリアタイプ40形 LDA6L/C」を手にもった聖火隊も登場。まるでろうそくの灯りのような光のきらめき感を再現していた。同製品は、白熱電球40W形相当の明るさを備えたクリアタイプのLED電球で、店頭予想価格は4,000円前後。

 パナソニックでは、今後新商品を含めたラインナップ全54機種で、前年比約1.5倍の売り上げを目指すという。

クリア電球タイプは、シャンデリアなど透け感のある照明器具に向く全方向タイプは、灯りが広がるような照明器具に向く下方向タイプは、ダウンライトやスポットライトに最適だという
会場では7月20日より発売がスタートする「EVERLEDS(エバーレッズ) クリアタイプ40形 LDA6L/C」を手にもった聖火隊が登場ろうそくのようなきらめき感を再現していた





(阿部 夏子)

2012年6月7日 12:21