パナソニック、運転音が小さくなった新型GOPAN

~全国のご当地食材と組み合わせたレシピも公開

 パナソニックは、米粒から米パンが作れるライスブレッドクッカー「GOPAN(ゴパン) SD-RBM1000」を12月15日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は5万円前後。

GOPAN SD-RBM1000本体上部。工程中の様子を確認できる窓がついている蓋を開けたところ
付属のパンケース操作パネル
製パン工程の見直しをすることで、従来よりキメの細かい米パンが作れるようになったという

 米粉ではなく米粒から米パンが作れるGOPANの新製品。パナソニックから発売されるのは今回が初めてとなる。新製品では、製パン工程の見直しににより、よりキメの細かい米パンが作れるようになったほか、米を切削する際の運転を従来の65dBから60dBに低減している点が特徴。

 製パン工程においては、従来1段階だった練り工程を2段階に増やしたほか、一次発酵の後にガス抜きの工程を追加した。これにより、生地の伸びが改善し、均質なキメの細かい米パンができるようになったという。

 運転音は、米の切削効率を向上させることで、低減している。GOAPNでは、米を切削し、ペースト状にすることで、米粒から米パンを作っている。米粒は固いため、切削工程では65dB程度の運転音がしていた。新製品では、米を切削するミルの形状を変更。大きな対流を作りだし、材料全体を攪拌することで、効率がアップ、これに伴い運転音は従来より約5dB小さい60dBになったという。

ミルの形状を変更したことで、米の切削効率が向上。運転音を従来より抑えることができたというパンケースの底部にセットして使用するミル。左が新型、右が従来のもの

 また、本体付属のパンケースと自動投入ケース(工程中にレーズンなどの材料を自動で追加するケース)にフッ素コートを施した。汚れがこびりつきにくくなり、お手入れしやすくなったという。

パンケース内部には高度の高いフッ素コートを採用する手前が従来品、奥が新製品のパンケース工程中にレーズンなどの材料を自動で追加する自動投入ケースにもフッ素コートを施した

 自動コースでは、冷めたごはんを使ってパンを作る「ごはんパン」コースを新たに搭載する。これは、炊飯後の白米を強力粉やドライイーストなどの材料と混ぜて、パンを焼き上げるもの。同コースはパナソニックのホームベーカリーに搭載されていたもので、ユーザーからの評価が高かったため、今回GOPANへの搭載を決めたという。

冷めたごはんを使ってパンを作る「ごはんパンコース」を新たに搭載するGOPANで作ったごはんパンごはんと同じように和食に合わせて食べることを提案していた

 一方、GOPANでは初代モデル発表当初から、食料自給率などの問題に積極的に取り組んでいる。GOPANで新しい米消費の形を提案することで、米の消費拡大のほか、地産池消や食文化にも貢献できるとし、これまでにも食育教室や農林水産省との共同キャンペーンなどを行なってきた。

フード・アクション・ニッポン 事務局長 渋谷哲久氏

 農林水産省が支援する食料自給率向上のための運動団体 フード・アクション・ニッポンの推進本部事務局 事務局長 渋谷哲久氏は、現在の日本の食料自給率について「約39%と、先進国の中でも非常に低い。日本の伝統である食文化を守るためにも自給率を上げることは大切」と語った。

 食料自給率を上げるための取り組みとしては、「2009年から米粉を使った製品の発売促進に取り組んでいる。GOPANは、発売当初から製品の販売のことだけでなく、食料自給率や米の消費拡大の問題にも積極的に取り組んできてもらった。今後も一層連携を密にとって、食料自給率をあげるために頑張っていきた」と話した。

 パナソニックでは、GOPANのこれまでの姿勢を今後も貫くとし、各都道府県の農家などと協力した「お米パンレシピ」を提案していくという。これは、全国のご当地食材とGOPANを組み合わせたレシピで、パン・料理研究家の荻山和也さんが監修したもの。

 会場では、「鹿児島県黒豚のキーマカレーと紫芋のGOPANサンド」や、「北海道産の鮭とジャガイモのチーズプチGOPAN」、「信州きのこ味噌風味のそば茶GOPAN」など全7レシピの試食会も行われた。米パンならではの弾力のある歯ごたえに、ちょっと濃い目の味付けをした食材がマッチしていた。

ご当地食材と米パンを組み合わせたレシピを提案信州きのこ味噌風味のそば茶GOPAN茨城県産の栗と常陸大黒豆の和風抹茶GOPANサンド
鹿児島県黒豚のキーマカレーと紫芋のGOPANサンド高知県産ゆずと生姜のはちみつGOPANブリオッシュ北海道産の鮭とジャガイモのチーズプチGOPAN





(阿部 夏子)

2011年11月2日 16:38