東芝、大阪・茨木市の工場跡地に「スマートコミュニティ」を構築へ
東芝は、大阪府茨木市の工場跡地に、環境配慮形都市「スマートコミュニティ」の構築を目指す「茨木市スマートコミュニティプロジェクト」を立ち上げたと発表。2012年3月までに、事業化検討に向けた調査を実施する。
スマートコミュニティとは、太陽光発電など再生可能エネルギーを活用し、交通システムや公共サービスなど社会インフラを、複合的に組み合わせた社会システムのこと。調査対象地域は大阪府茨木市大田東芝町1-6で、東芝の大阪工場跡地、およびその隣接地に当たる。敷地面積は185,000平方m。この地域は、京都・大阪・兵庫の府県と、京都・大阪・神戸の政令指定都市が政府に申請する「関西イノベーション国際戦略総合特区」の対象地域となっている。
調査内容は、太陽光発電を標準装備した住宅群のほか、エネルギー消費形態が異なる商業施設や病院など施設を誘致することによる施設配置の検討や、エネルギーの効率的利用、エネルギーマネジメントシステムの設計や費用算定、ビジネスモデルの仮説設定と検証など。調査に先立って、茨木市や大阪府など自治体や 大学等の有識者から成る事業化検討委員会が設置され、同委員会を通じて調査・検証を行なっていく。
今回の事業性調査のイメージ図 |
東芝は既に、横浜やフランス、中国におけるスマートコミュニティの実証事業に参加しており、地域全体からビル、家庭の電気使用量を管理するエネルギーマネジメントシステムなどの導入・検証に取り組んでいる。同社では今回の茨木市のプロジェクトについて、これらの経験を活かして理想的なスマートコミュニティのあり方の検証に取り組むとしている。
また同社は、スマートコミュニティ事業を注力事業に位置づけており、2015年に売上高9,000億円を目指している。今後はインフラを含めた都市整備と運営のモデルを標準パッケージ化し、海外の都市や、東日本大震災の被災地の復興都市づくりを見据えて、ビジネスモデルの確立を目指すという。
(正藤 慶一)
2011年9月30日 16:57