洗濯用洗剤は「液体コンパクトタイプ」が人気、粉末は規模縮小
――富士経済
富士経済は、洗濯用洗剤や柔軟材といったトイレタリー用品について、国内市場の調査結果を発表。洗濯用洗剤では、洗剤の濃度を高めて容器をコンパクト化した「液体コンパクトタイプ」が人気で、粉末タイプは縮小するという見通しを明らかにした。
同社ホームページで公開されている調査概要では、2010年の洗濯用合成洗剤の市場は、2009年比0.8%の微増となる1,546億円と予測。しかし、液体コンパクトタイプに限定すると、同比175.5%の135億円と、大幅に市場を拡大する見込みという。
同社では液体コンパクトタイプの洗剤について「容器が小さく流通サイドの評価が高い」という輸送時のメリットを指摘。今後は、洗剤を濃縮することですすぎ回数が減らせることを、広告宣伝活動や使用提案などで消費者に浸透し、新規・リピート顧客の獲得することが必要としている。なお液体コンパクトタイプでは、2009年には花王から「アタックNeo」が、2010年にはライオンから「トップ NANOX(ナノックス)」が発売されている。
市場を拡大している液体コンパクトタイプの洗濯用洗剤「アタックNEO」(花王) | 同じく、液体コンパクトタイプの「トップ NANOX」 |
一方、現在市場の主力である粉末タイプについては、液体コンパクトタイプの台頭により、構成比は年々縮小。単価低下も続いており、今後も縮小が予測されるという。
また、洗剤が濃縮されていない「液体レギュラータイプ」については、詰め替え用の普及による単価低下や、液体コンパクトタイプへのシフトにより、注目度はやや低下しているという。しかし、粉末タイプからのシフトや、液体コンパクトタイプの認知度がまだ低いことから、需要は拡大するとしている。
柔軟材市場は、2010年は対前年1.3%増となる608億円と予測。2009年は、香りの良さでヒットしたP&Gの「ダウニー」により、600億円市場に成長したが、現在はダウニーの拡大幅が鈍化しており、小幅の伸びに留まるとの予想になっている。
洗濯槽用のクリーナー市場は、対前年4.8%増の65億円となる見込み。ユーザーの清潔・衛生意識の高まりで今後の拡大が予想されるものの、外から見えない洗濯槽を掃除するといった商品の性質上、継続使用を促す啓蒙活動や新商品の投入といった定期的なテコ入れが必要としている。
(正藤 慶一)
2010年8月13日 17:58