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なでるだけの丸いカミソリ、貝印からなぜ生まれた? 計画比3倍の人気

丸い形がユニークな貝印の「なでそり」

貝印が5月に発売したカミソリ「なでそり」。開発に4年をかけたというこの製品は発表から大きな反響があり、出荷数は計画比300%(6月の取材時点)に達したという。

カミソリといえば、一般的にはT字型を思い浮かべそうだが、なでそりは丸い本体の内側に五角形に配置した刃があり、まっすぐ動かすのではなく円を描くように使うのがユニーク。くし状の樹脂ガードによって、横滑りさせても肌を傷つけにくく、子供でも安心して使えるという。

内側に五角形の刃を備える
トイ・ストーリーとのコラボモデルも登場した
(C)Disney/Pixar

なでそりの特徴は、なんといっても簡単さだ。ユニークな構造によってどの方向に動かしても剃りやすく、毛流れを気にせず使えるため、毛の長さなどを問わずに剃れる。しかも、シェービングフォームや石鹸などを付ける必要がなく、濡らさず乾いた状態で剃れて、親子でも一緒に使いやすくなっている。価格は1,100円。

樹脂ガードのある安心感などもあって、貝印の調査では皮膚科医や小児科医の94.3%が推奨しているという。

くるくる回すように動かす

貝印といえば包丁や調理器具なども有名だが、カミソリの歴史はかなり古く、1932年に初の国産カミソリ製造を開始。1951年に「長柄軽便カミソリ」の製造を開始し、この発明の功績で黄綬褒章を受章した。1998年には世界初の替刃式3枚刃カミソリを発売、最近ではハンドルが紙でできた世界初の「紙カミソリ」まで製品化している。

開発経緯などを説明した貝印 マーケティング本部 第一ブランド・商品戦略部 栗田圭子部長

そんな貝印からなでそりが生まれたのは、社内の開発コンペから。既存の考え方にとらわれず、全社員が自由な発想を持ち寄ってチャレンジングな商品を開発するために取り組んでいるという。

貝印 マーケティング本部 第一ブランド・商品戦略部 栗田圭子部長によれば、当初は「なでるように剃れるカミソリ」と「初めてでも使えるカミソリ」という2つのアイデアがあり、それらを統合する形でなでそりの開発が始まった。

社内コンペでのアイデアをきっかけに開発がスタート

開発にあたっての同社調査では、初めての体毛処理について10歳から15歳の男女300人に尋ねたところ、小学校中学年から中学生の間に初めて体毛処理をする割合が高く、体毛処理に使用しているアイテムとしてカミソリが最多だった。

使用に際しては、親の視点からはカミソリは正しい使い方をしないとケガが心配という声や、子供からは利き手ではない方の手で処理するのが難しいなどの声があったという。

開発にあたっての調査結果の一部

使いやすさと安全性を両立させるため、最終的に導入されたのが、同社のVIOデリケートゾーン用のすきカミソリに使われていた多角形の構造だった。発売開始後は、公式ECでも4日間で約1,000人が入荷待ち状態になるほどの反響だったという。

発売後の反響

子供の体毛ケアはいつから? 「剃ると濃くなる」は本当?

湘南ジンベエ皮膚科 副院長 塩味由紀先生

6月29日に開催された、親子で肌ケアについて考えるイベントでは、報道関係者やインフルエンサーなどを招いて、湘南ジンベエ皮膚科 副院長の塩味由紀先生が、子供の肌を守るための適切な体毛ケアについて説明した。

塩味先生は、体毛ケアを始める時期について、年齢だけで一律に判断するのではなく、まずは子供本人がどれだけ気にしているかを確認したり、「まだ早い」とすぐ否定せずに気になる場所を聞いてあげることが重要と指摘。

よくいわれる「毛を剃るとさらに濃くなる」不安に対しては、剃ることで毛そのものが濃くなるわけではないとし、剃った後の毛の断面が平らになることで、伸び始めが太く見えたり、濃くなったように感じると解説。あくまで見え方の変化であることを説明した。

そのほかにも、乾燥しているときの保湿を含めたケアや、医療脱毛についても否定はしないものの、成長途中のため脱毛してもまた生えてくる可能性があるとし、何を悩んでいるかの親子でのコミュニケーションの重要性を訴えた。