男の清潔感向上委員会

38歳男の「老け見え」対策。まず何すればいいか聞いた

なんか、老けた……? もうすぐ中年男、仕事(と婚活)のためにも見た目だけは若々しくいたい。でも一体、なにをすればいい? 美容について右も左もわからない筆者による体当たり企画です。
筆者(1988年生まれ、38歳)

「眉毛とか髪とかちゃんとしたほうがいいよ」……30代後半に入った頃から、そんな言葉をかけられることが着実に増えてきました。若い人から「年齢より若く見えますね」と言われるのも、悪い気はしなかったものの、最近は「これって、おじさんへの社交辞令では……?」と疑うように。

美容にはほとんど無頓着で、これまで髪もノーセットで過ごしてきたタイプ。ここ1〜2年は洗顔後にオールインワンジェルを塗るだけで「俺はケアしている側だ」と思い込んでいましたが、あらためて鏡をじっくり見てみると、シミや髪のパサつきが目立ち、否応なく老け込みを実感。

婚活アプリでも見た目に対する辛辣な評価をもらい、「そろそろ本気でケアしたほうがいいのかも」と考えるようになりました。

とはいえ、「じゃあ明日から何をすればいい?」となると、最適解を求めて情報を探しすぎてしまう。何が正解かわからなくなり、結局面倒になって先延ばしにし続けてきました。

そこで今回は「老け見え」を防ぐためにまずどこから手をつければいいのか、男性美容研究家の藤村岳さんに教えてもらいました。美容初心者でもムリなく続けられる、最低限やっておきたいケアについて聞いていきます。

年齢以上に老けて見える要素とは?

――そもそも「老けて見られてしまう」要素には、どんなものがあるのでしょうか?

大きく分けると、「手入れ不足からくる疲れた印象」と「清潔感のなさ」の2つです。肌でいえば、長年UV対策をせずに過ごしてきた結果としてのくすみやごわつき、乾燥などが、老けた印象を強める大きな要因になります。

そこに、髪のボリュームダウンやパサつき、さらに体型のゆるみが重なってくると、全体として「ケアしていない人」という印象が一気に強まってしまいます。

男性美容研究家の藤村岳さん

――僕自身、35歳くらいから急に老けてきたように感じるのですが、原因は何でしょうか?

男性の場合は、若いうちはけっこうムリがきくんです。男性の肌は総じて女性よりも厚く、それに伴ってヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンなど肌が若々しくいられる構成要素の量が多く、肌の弾力や厚みがしっかりしています。ヒゲ剃りのダメージも、光(紫外線)対策をしていないことによる負担も、若いうちは新陳代謝が活発なので、目に見える大きなトラブルになりにくいんですね。

そのせいで、問題に気づかないまま同じ生活を続けてしまい、加齢が進む30代後半くらいのタイミングで、ダムが決壊するように一気に老け要素が表面化します。

さらに、年齢を重ねると先述のコラーゲンやセラミドなどのうるおい成分が少しずつ減っていき、肌は乾燥しやすい状態に。結果として、皮膚表面のカサつきやシワ・たるみ・シミといったサインが目立ちやすくなり、「老け見え」に直結していくのです。

老け見えを防ぐ、最低限の3ステップ

――対策をしたくても、何から手をつければいいのかわかりません。具体的には、どんなケアからスタートするのがいいでしょうか。

まず押さえてほしい基本の3ステップは、「洗顔」「保湿」「日焼け止め」です。ここに髪の手入れと、眉やヒゲの整えて清潔感をプラスすると、一気に老け見えしにくくなります。そのうえで、将来的には肌の悩みに合わせて、美白やシワケアなど、目的別の美容液を少しずつ足していくイメージですね。


1.洗顔:泡でなじませて、こすらない

――洗顔のポイントを教えてください。

一番大事なのは、強くこすらないことです。強くこすっても汚れがよく落ちるどころか、肌を傷つけて炎症の原因になることのほうが多いんです。

――こすらないと落ちないと思って、ゴシゴシやっていました……。

泡は「こすって落とす」ものではなく、「なじませて汚れを巻き取る」もの。さらっとなでる程度の力加減で十分ですよ。

――正しい洗顔のやり方は?

洗顔は、まず「予洗い」から始めましょう。体温より少し高い程度のぬるま湯で顔全体を丁寧にすすぎ、1〜2分ほどかけて顔全体にお湯を行きわたらせます。そうすることで皮脂やホコリがふやけて浮き上がり、そのぶん、あとで洗顔料でゴシゴシこすらなくて済むので、洗顔時の肌への負担を減らせます。

次に洗顔料をよく泡立てて、モコモコの泡を作ります。男性は手のひら全体でゴシゴシと「面」で洗いがちですが、それでは小鼻のキワ・口角・目のまわりといった細かい部分に泡が届きにくい。指の腹を使って、「点」でくるくると円を描くように泡をなじませていくのがコツです。



2.保湿:適量を守る

――基本的な保湿の仕方は?

保湿の基本は、洗顔後すぐに化粧水で水分を与え、そのあとに乳液やクリームなどの油分でフタをして、その水分を逃がさないようにすることです。化粧水だけだと肌表面から蒸発しやすく、そのときに内側の水分まで奪ってしまい、かえって乾燥を進めてしまうことがあります。

どちらも、適量を守りつつ、顔全体にやさしく丁寧になじませましょう。乳液やクリームに関しては、Tゾーン(おでこ〜鼻筋まわり)のように皮脂分泌が多くテカりやすい部分は、薄めにとどめるのがよいでしょう。

――適切な量はどのくらいですか? ベタベタすると「塗りすぎかな」と不安になります。

基本的には、パッケージに書かれている量を目安にするのがスタートラインです。記載がない場合は、化粧水が500円玉大、乳液は10円玉大がひとつの目安。

わからない人ほど自分の感覚だけに頼りがちですが、女性が「しっとりしてちょうどいい」と感じる量を、男性は「ベタつく」と勘違いしがちです。

男性の肌は皮脂が出やすい一方で、内側は意外と乾いていることが多く、見た目がテカっているからといって保湿が要らないわけではありません。むしろ、その脂っぽさ自体が「乾燥しているせいで皮脂が余計に出ているサイン」というケースがほとんどです。

もしベタつきや脂っぽさが気になるなら、顔全体に厚く塗るのではなく、まずはやや控えめの量を全体に薄くなじませてみてください。そこでまだカサつく部分、頬や口まわりなど乾燥しやすいところを中心に、少しずつ足していくとよいでしょう。

――オールインワンジェルにも保湿成分や乳液の役割が入っているので、「これ1本で十分」と思っていました。

オールインワンジェルは手軽で便利ですが、そのぶん役割が広く、「どれか一つに特化して高い効果を出す」という設計にはなりにくい。30代後半にもなると、正直それだけでは必要な成分が足りていないことが多いんです。



3.日焼け止め:2〜3時間おきに塗り直すのが理想

――日焼け止めはどのくらい塗ればよいのでしょうか。毎朝塗っているのですが、それだと不十分でしょうか?

日焼け止めは、時間とともに汗や皮脂、摩擦などで少しずつ落ちていきます。なので、朝に一度塗っただけではダメですね。

夏場であれば、理想は2〜3時間おきに塗り直すこと。たとえば「朝出かける前」「出社後」「ランチ前」「ランチから戻った後」「夕方の外出前」といったタイミングを目安にするとわかりやすいと思います。私はこうして、最大1日5回ほど塗っています。

クリーム、スティック、スプレー、パウダーなど、複数タイプの日焼け止めを用意しておくと便利です。外出前はクリーム、外出先での塗り直しはスティック、といった具合にシーンに合わせて使い分けると、ムリなく続けやすくなります。

さらに、日傘やサングラス、UVカットウェアなどを組み合わせれば、肌に直接当たる紫外線の量を減らせます。信号待ちではなるべく日陰に立つなど、日光を浴びる時間を少しでも減らす工夫の積み重ねも大事ですね。

藤村さんが当日持っていた日焼け対策アイテム

何を買えばいい? 30代後半~40代向けスキンケアアイテム

――実際、どのようにアイテムを選べばいいのでしょうか? 30代後半~40代の男性がドラッグストアでも手軽に買えるものがよいのですが。

どれを「選ぶか」以上に、まずは何を「避けるか」を意識することが大事です。化粧水や乳液、日焼け止めを選ぶときは個人差はあるものの、基本的にはアルコールフリーのものをおすすめします。30代後半の肌はちょっとした成分にも刺激を受けやすくなっており、アルコールは負担になりやすいぶん、肌荒れや乾燥を招くリスクのほうが高いからです。

そのうえで、「続けやすさ」を優先してください。スキンケアの効果は地道な積み重ねで出てくるものなので、ムリなく長く続けられるものを選ぶのがおすすめです。「ベタつかない」「香りが好き」「パッケージの雰囲気がしっくりくる」といった感覚的な理由で選んでもOKです。

――どのようなメーカーから選べばよいのでしょうか?

初心者のうちは、まず同じメーカーでそろえて「ライン使い」することから始めるのがおすすめです。化粧水・乳液・クリームが同じシリーズで設計されていると、成分の相性もよく、使う順番や組み合わせに迷いにくいからです。

ドラッグストアなどで手に入れやすいものでいうと、ニベア メン、ウーノ、リサージ メン、ルシード、ディズム、バルクオムといったメンズ向けブランドの中からひとつ選び、そのブランドで一式そろえてみるとよいでしょう。

――やっぱり「高いものほどいいのかな?」と考えてしまうんですが、実際のところ、お金はかけたほうがいいんでしょうか。

かけられるのであれば、ある程度はお金をかけたほうがよいと思います。もちろん、高いからといって必ずしもその人にとって効果が高いとは限りません。

ただ、安いものと高いものを比べたとき、たとえば同じように「ヒアルロン酸配合」と書かれていても、どんなランクの原料をどれくらいの濃度で使っているかには差があります。価格が上がるほど、そのぶん質のよい成分を採用している製品が増える、というイメージに近いですね。

――せっかくだし、美容液も今から使ったほうがいいんでしょうか?

美容液は、乾燥やシミ、ハリ不足など「特定の悩み」に集中的にアプローチできるアイテムですが、まずは化粧水や乳液、日焼け止めなど、ベーシックな保湿・保護ケアが毎日の習慣になってから取り入れるのがおすすめです。

土台となる保湿や保護が不十分なまま美容液だけ増やしても、正直、効果を実感しにくいと思います。とくにレチノールやハイドロキノンのように刺激が出やすい成分は、バリア機能が整っていない肌にいきなり使うと、赤みやヒリつきが出たり、かえってトラブルを悪化させてしまう可能性があります。

美容医療やサロン施術も考え方は同じで、その後のアフターケアや毎日の保湿をきちんと続けなければ、せっかく得た効果が長続きしないどころか、より深刻なトラブルを招いてしまうことにもつながります。

――最後に筆者を見て気になった点について、アドバイスをお願いします。

まず気になるのは、肌の「色ムラ」です。現時点でも顔と首の色の差が大きいため、トーンをできるだけ均一に整えるだけで、若々しさや清潔感はぐっと増して見えます。シミも目立ってきているので、最優先でスキンケアの基本習慣を整えていきましょう。

そのうえで、シミ対策としては、毎日の日焼け止めを徹底したうえで、今年の秋口あたりにクリニックでの光治療などを検討する、という選択肢もあります。ただし、一度の施術で劇的に消えるわけではなく、複数回の通院で少しずつ薄くしていくイメージで考えておくとよいでしょう。

もうひとつ気になるのが、無意識に顔を触るクセです。顔を触る行為そのものが摩擦となり、肌にはマイナスに働きますし、手は自分が思っている以上に汚れているため、余計な刺激や汚れを肌に移してしまう原因にもなります。触れそうになったら、手を止める意識をもってみてください。

まずは2週間続けてみた結果

藤村さんの話を参考に、筆者が実際に選んだアイテムは以下の通りです。アイテムは、アルコールフリーのものを中心に揃えました。

今回揃えたスキンケアアイテム

化粧水:ニベアメン センシティブローション
乳液:ニベアメン スキンコンディショナーバーム
日焼け止め(クリーム):ビオレ UV アクアリッチ ウォータリーホールドクリーム
日焼け止め(スティック):ディズム マルチスキンケアUVスティック

左から、ニベアメン センシティブローション(化粧水)、ニベアメン スキンコンディショナーバーム(乳液)、ビオレ UV アクアリッチ(クリームタイプの日焼け止め)、ディズム マルチスキンケアUVスティック(スティックタイプの日焼け止め)

使い始めてまだ2週間ほどなので劇的な変化はありませんが、肌のハリが心なしかよくなったかも……と感じています。外に出る機会は多いものの、いまのところ大きく日焼けしていないのも、毎日のUVケアの成果かなと思いました。

基礎ケアを始めてからは、シミなど細かい部分にも意識が向くようになり、自分の美意識が少しずつ上がっている実感があります。まずはこの基礎をしっかり続けて土台を固めてから、美容液など、次のステップにも挑戦していきたいと思います。

福永 太郎

フリーランスの編集者・ライター。ライフスタイル系メディアの家電記事の担当を経て独立。現在は複数のWebメディアに寄稿。