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パナソニック、髪のキューティクルを診断可能に 手触りやダメージわかる

1本の毛髪を5cm使って髪のキューティクルを診断できる(ドライヤー「ナノケア」発表会会場にて)

パナソニック くらしアプライアンス社は、香川大学と共同で独自のナノ触覚センサを搭載した「毛髪キューティクル診断システム」を開発したと9月10日に発表した。

従来のキューティクル分析機器に比べ、視野は100倍以上の50mmを5分で評価でき、毛髪の前処理も不要なシステム。これまで同社は、電子顕微鏡などを用いたキューティクル評価を行ってきたが、毛髪の切断などの前処理が必要で、視野は0.5mm以下と局所的だったため、髪全体の損傷度合いを定量的に把握するのは難しかった。

今回のシステムは、従来のキューティクル分析機器の視野と比べて100倍以上となる50mm範囲を5分で評価できる。これは毛髪の前処理が不要で評価できるシステムとして日本初だという。

香川大学が開発したナノ触覚センサーを搭載。毛髪の張力や接触量、スキャン速度を自動制御し、1回のスキャンで200万点のデータを取得。キューティクル枚数や表面ダメージレベル、髪の太さや引張強度を自動測定して総合評価を表示できる。

キューティクル枚数や表面ダメージレベル、髪の太さや引張強度を自動測定して総合評価を表示できる

さらに、ディープラーニングを活用した独自モデルにより、人の指先の繊細な触感覚に基づいた毛髪ダメージの定量化を実現。髪の根元から毛先へ時間とともに蓄積するダメージを可視化した。寝返りを想定したモデル試験では、毛髪同士のこすれによるキューティクル損傷を確認し、高浸透ナノイー&ミネラル&マイナスイオン搭載ドライヤーによる摩擦ダメージ抑制効果も検証された。

同社は、今後も新たなヘアケア習慣を提案するとともに、さらなる技術革新を通じて、ユーザー一人ひとりが輝く美しさと健やかさの実現に貢献していく考え。