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太陽光パネルのガラスを家具へ再利用 イトーキら3社

太陽光パネルから回収した板ガラスを再利用した会議ブースの試作品

イトーキと日立製作所、トクヤマの3社は、太陽光パネルから回収した板ガラスを家具の部材として活用するアップサイクルを実証した。廃棄物削減とともに、新規にガラスを製造する場合と比較し、CO2排出量を最大50%削減できる見込みだ。

今回の取り組みでは、トクヤマの低温熱分解法で高品質な板ガラスを回収し、日立の非破壊強度推定技術により亀裂やアルカリ溶出などの劣化の影響を評価することで、板ガラスをそのまま再利用できるようにした。さらにイトーキは、回収した板ガラスを活かした会議ブースを試作し、再生材の新たな価値を提案している。

試作した会議ブースは、回収ガラスの微細な凹凸を残し、視線を遮る意匠材として活用している。また、板厚が限定されサイズも不均一な回収ガラスを効率的に再利用するため、合わせガラスにすることで安全面にも配慮。同時に、ガラス面とスチール面を混合させて強度を保てるパネル構造を再設計した。

太陽光パネルから回収した板ガラスを再利用した会議ブースの試作品

太陽光パネルに使用される板ガラスは、重量の約6割を占め、太陽光パネルのリサイクル率の向上には板ガラスの再利用が重要だという。

今回の取り組みは、太陽光パネルから回収した板ガラスを粉砕せずにオフィス家具に再利用する初めての事例。今後は実用化に向けて、オフィス家具のほか、建材分野など多様な領域のパートナーと連携し、サプライチェーンの構築や事業モデルの検討を進め、脱炭素および資源循環型社会の実現を加速するという。