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液体レンズのオートフォーカスメガネを体験 無音でスッと視界クリアに
2026年3月19日 09:05
ViXion(ヴィクシオン)は、オートフォーカスアイウェア「ViXion 2」を、4月17日に発売する。価格は11万円。また、歯科医などの専門職向けには「ViXion 2 Pro」を販売。価格はオープン。
液体レンズを採用したオートフォーカスメガネで、装着したまま距離に応じて焦点を合わせることができる。老眼や視力が悪い人でも、きれいに見えるようになり、見えないことによる日常的なストレスが軽減される。
本体フレームは、一般的なメガネに近い形。装着した時に目の前に位置する場所に、レンズ径が9mmの液体レンズが左右に配置されている。装着後に、左右のレンズ位置を、自分の目の幅に合わせてスライドさせる。なお、瞳孔間距離は53.5mm〜75mm。
レンズ位置の調整後は、本体の左右側面に目の焦点を手動で合わせるためのレバー(ポッチ)を、前後に倒すことで、左右それぞれのピントを合わせる。ピント調整は、Bluetooth接続したスマートフォンの専用アプリでも可能。
あとは、見たいものを見れば、距離に応じて自動でピントが合う。例えば、パソコンの画面と離れた場所にあるテレビ画面などを見ると、フォーカスしていることがよく分かる。
筆者は「オートフォーカス」という言葉から、カメラのAF機能を思い浮かべた。だが、ViXion 2のAF機能は、ほぼ無音。厳密には音がしているのかもしれないが、静かな場所でも聞き取れないほどだろう。さらにカメラのAF機場合は、合焦間際に「クククッ」というような動きをすることがあるが、同機のフォーカスに迷いはなく、とてもスムーズ。
同機で採用されている液体レンズは、電気を通す液体(水)と電気を通さない液体(油)で構成されている。この、レンズとなる液体に加える電圧を変えることで、レンズの形状を変化させ、焦点が合うようにしている。そのためカメラのような駆動音がない。
また液体レンズを発明した同社CINO(最高イノベーション責任者)
の内海 俊晴さんによれば、一般的なカメラのオートフォーカスは、センサーに像を結び、画像処理によって輪郭(エッジ)を綺麗にするため、ピントが合う際に「クッ」と不自然に動くラグが生じるという。一方、液体レンズの仕組みではカメラや画像処理を使わず、「人間の目そのもの」がセンサーとなるため、遅延のない非常に自然でスムーズな焦点合わせを実現しているという。
実際に1時間ほど装着してパソコンと資料を交互に見ながらの作業をした。時折、遠くを見たり、遠くから手元のパソコン画面に視線を移したりすると「スーーー」っとフォーカスが気持ちよく合う。
充電は本体フレームに配置されたUSB Type-Cポートで行なう。充電時間は約3時間、連続使用可能時間は最大15時間。
現在の課題としては、液体レンズの径が9mmであること。同機を装着すると、液体レンズの枠が視界に入ってしまう。そのため、一般的なメガネとは、また異なる使用感。ただし、数年前に発売された初代モデル(ViXion01)では径が小さく、それと比較してViXion 2は約2.4倍に拡張されている。
前述の内海さんによれば、液体をレンズにしている特性上、レンズを立てて使うと液体が重力で下に垂れやすくなるため、容易にレンズ径を広げられない。またレンズのサイズが大きいほど重力による歪みが大きくなるともいう。
重力の影響を和らげるためには、粘性の高い液体を使うのが良いものの、粘性はフォーカス速度に影響するため、安易に粘りのある液体を採用できない。ただし内海さんによれば「こうすればいいのでは?」というアイデアはあるそう。数年後には、さらに広いレンズのモデルがリリースされることを期待できそうだった。
なお液体レンズ自体には、乱視を矯正する機能はない。そのため、標準で付属している「アウターフレーム(アウターレンズ)」を、眼鏡店へ持ち込み、ユーザーの目に合わせた「乱視対応レンズ」を作れば、本体と組み合わせて使用できる。同様に、サングラスのレンズや、乱反射を抑える偏光レンズなどにカスタマイズすることも可能。
本体サイズは152×160×45mm(幅×奥行き×高さ)。重さは54g。瞳孔間距離は53.5mm〜75mm。焦点距離は5cm〜無限遠。
まだ最長で約1時間しか使っていないが、作業が終わってViXion 2を外すと、装着しているとどれだけラクだったのかを実感できる。普段、目の疲れが気になる、細かい作業が億劫になったなどの兆候があれば、ぜひ試してみてほしい。
デモ機は、ViXion 2が販売される全国21店舗のビックカメラ、同22店舗のヨドバシカメラ、またメガネのヨネザワ全店舗、沖縄県内3店舗のメガネ一番で展示中。



