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大容量173Lの「メガフリーザー」を搭載したプラズマクラスター冷蔵庫

プラズマクラスター冷蔵庫。左から順にSJ-GT47A、SJ-GT50A

 シャープは、大容量173Lの「メガフリーザー」を採用したプラズマクラスター冷蔵庫「SJ-GT50A/GT47A」を10月30日に発売する。価格はオープンプライス。税抜の店頭予想価格は、定格容量501LのSJ-GT50Aが32万円前後、同474LのSJ-GT47Aが31万円前後。

 容量474L(SJ-GT47A)ながら、600Lクラス並みの冷凍室「メガフリーザー」を搭載した冷蔵庫。冷却器ユニットの小型化により冷蔵庫の各室の容量バランスを最適化し、「冷凍食品をまとめ買いしたい」「大きい冷凍食材をそのまま保存したい」というユーザーのニーズに対応した。同社の従来機種「SJ-XF50Y/XF47Y」よりも、42L大きいフリーザーとなっている。一方で野菜室が、81Lから74Lへ小さくなった。

容量474L(SJ-GT47A)で、600Lクラス並みの173L(製氷室も含む)を実現したメガフリーザー
同社のアンケートでは、冷凍室の容量が不足していると答えた人が約55%も存在したという
日本冷凍食品協会の調べでは、2009年以降、冷凍食品の国内消費量は右肩上がりに成長。2013年には2,757千トンに達した。それにも関わらず、同社の冷蔵庫に占める冷凍庫の割合は緩やかに減少している

 メガフリーザーでは、下段の冷凍室の1段目に冷凍ケースを仕切れる「4切り(しきり)名人」を採用。食品のサイズや形状に合わせて4カ所のスペースの大きさを調整できる。冷凍食品をスペースの無駄なく整理整頓できるため、実質的な収納量が約20%増えたという。冷凍室の使用にあたり、不満の多かった「整理整頓できない」というユーザーの声を反映。食品の収納場所が一目で分かるため、積み重ねることで探しにくかった冷凍食品などを使い忘れることがないという。

冷凍室の使用でもっとも不満が多かったのは「整理整頓できない」だという
2本の仕切り棒の重なるところについている円筒形の棒を動かすと、4カ所のスペースを調整できる
4切り名人での収納例

 また、上段/下段の冷凍室に「新鮮極み冷凍」を搭載。室内の温度を約-18℃に保つ「新鮮冷凍」ボタンを押すことで、鮮度が低下する主な原因となる「冷凍やけ」を抑える。

 同社では、これまで、冷蔵室、野菜室、チルドルームに、食品の乾燥を抑える独自の保湿冷却技術を搭載してきた。この技術を今回、上段の冷凍室にも採用。食品に冷気を直接当てずに食材の乾燥を抑える「冷凍やけガード」で冷凍室にフタをすることで、冷凍している食品の水分保持率を、従来機比で2倍に高め、変色など品質の劣化を抑える。

冷凍やけを防ぐには、食品の乾燥を抑えることが重要
上段冷凍室には冷凍やけガードを採用。食品に直接冷気を当てないことで乾燥を抑える
冷凍やけガードをかぶせた上段冷凍室の様子
冷凍やけによる変色の比較。新鮮極み冷凍で冷凍した肉は、従来のやり方で冷凍した肉よりも赤い
新鮮極み冷凍で霜取り運転やドアの開閉による温度上昇を防ぎ、霜の発生を防ぐ

 下段の冷凍室では、霜取り運転やドアの開閉による温度変動が原因となり霜が発生する。この霜が冷凍中の食品に付き、乾燥することにより鮮度が低下しやすくなる。これを防ぐため、霜取り運転やドアの開閉に合わせ、室内を急速に冷却することで、温度の上昇を抑え、食品の鮮度を保つ。

シャープ株式会社 健康・環境システム事業本部 冷蔵システム事業部長の野間繁雄氏

 シャープ株式会社 健康・環境システム事業本部 冷蔵システム事業部長の野間繁雄氏は、現在の冷蔵庫の冷凍室について「スーパーなどでの冷凍コーナーの拡大により、冷凍室は冷凍食品などがぎっしり詰め込まれているが、野菜室の使用度は約80%です」と述べた。実際の状況に合わせて最適化した。今回の「メガフリーザー」シリーズの投入により、「2015年度は2桁の伸張を目指します」と意気込みを語った。

 野菜室には、直接冷気を当てずに鮮度低下を防ぐ「うるおいガード」を採用し、「シャキット野菜室」と称する。うるおいガードでは、野菜室の密閉度を高めて野菜の乾燥を抑え、鮮度を保つ。従来機の水分減少率9.2%を、3.5%まで低下させた。

野菜室には、野菜に直接冷気を当てない「うるおいガード」を採用し、野菜の鮮度を保つ

 そのほか、25項目の省エネ技術を採用した「節電25」や、地震などの揺れを感知して冷蔵室のドアを自動でロックする「耐震ロック」、浮遊カビ菌や付着菌を除菌する独自のイオン技術「プラズマクラスター」を従来機種より継承する。

 SJ-GT50Aの本体サイズは685×699×1,820mm(幅×奥行き×高さ)。各室の容量は、冷蔵室が254L、冷凍室が173L、野菜室が74L。カラーはグラデーションレッドとシャンパンゴールド。ドア材には強化ガラスを採用。

ココロエンジンを搭載した機種も発売

 また、音声メッセージが25種類追加された同社独自の「ココロエンジン」を搭載した「SJ-GF60A/GF50A」を9月18日に発売する。価格はオープンプライス。税抜の店頭予想価格は、定格容量601LのSJ-GF60Aが35万円前後、同474LのSJ-GF50Aが31万円前後。メガフリーザーや4切り名人は採用しない。カラーはグラデーションレッドとシャンパンゴールド、

 さらに、メガフリーザーや4切り名人、ココロエンジンを省いた下位機種「SJ-XF47A/XF44A」、および「SJ-XW44A」を10月10日より順次発売する。価格はオープンプライス。税抜の店頭予想価格は、定格容量465LのSJ-XF47Aが25万円前後、同440LのSJ-XF44Aが24万円前後、同440LのSJ-XW44Aが23万円前後。カラーはピンクベージュとブライトブラウン。

左からSJ-GF50A、SJ-GF60A
左からSJ-XW44A、SJ-XF44A、SJ-XF47A

中野 信二