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店舗やレストランを美しく彩る、パナソニックのスポットライト型プロジェクター
(2014/2/28 00:00)
パナソニックは、照明とプロジェクターを一体化した空間演出機器「Space Player(スペースプレイヤー)」を7月1日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は30万円~40万円前後。
店舗や施設向けに開発された、スポットライト型の投影機。スポット照明機能と、映像を投影するプロジェクター機能を兼ね備えた点が特徴。レストランやショーウィンドウ、美術館などのシーンで、対象物を照らしながら、その周りに映像や商品説明を投影できる。これにより、空間を効果的に演出するという。同社ではこうした照明と映像による空間演出効果を「プロジェクションライティング」と呼んでいる。
具体的には、レストランのテーブルにメニューを投影したり、壁面に映像や窓を投影できる。また洋服店では、白いマネキンに服の柄を投影したり、背景の壁面にオフィスや旅先などの異なるシチュエーションを映して、見た人が服を着るシーンを想像しやすくするという。
Space Player本体のスペックは、一般的なプロジェクターとほぼ同じだが、一般的な箱型のプロジェクターと異なり、スポットライト型のコンパクト設計を採用。これにより、従来の店舗用照明の配線ダクトに簡単に取り付けられる。また、既存のプロジェクターでは難しかった真下方向への投影も可能となった。
投影する動画や静止画は、納入先に合わせてパナソニックが制作、販売を手掛ける。製品と一緒に映像コンテンツも販売することで、空間の魅力を最大限引き出すという。
投影する映像は、SDカードやWi-Fi経由でワイヤレスで再生できる。
照明モードとプロジェクターモードは、付属のリモコンから切り換える。リモコンは手のひらサイズで、電源は単四形乾電池2本。
光源はレーザーダイオード。光源寿命は20,000時間。明るさは1,000lm。解像度は1,039,680画素(WXGA相当)。本体重量は3kg。消費電力は125W。
会場ではほかに、美術館への導入提案として、胸像の横に解説を投影したり、胸像に眉毛や目を投影して動かすような事例も展示されていた。
新市場として“プロジェクションライティング”を提案
Space Player(スペースプレイヤー)の名前には、“空間の価値向上”と“照明と映像の融合”という2つの意味が込められている。同社では、演出照明事業全体の販売規模として、2018年に200億円を目指し、そのうちSpace Playerは30億円程度を見込んでいる。
パナソニック エコソリューションズ社の道浦正治 ライティング機器ビジネスユニット長は、開発時に苦労した点として、「配線ランプに取り付けるための構造的な制約や、サイズをコンパクトにすること」を挙げた。一方でこれまでライティング部門が培ってきた技術と、AVC部門やビジネスとしてきたプロジェクター技術を融合させることで、これらの課題をクリアしたという。
パナソニックにおいて、ライティング事業の占める販売規模は約4%。パナソニック エコソリューションズ社の北野亮 副社長兼ライティング事業部長は、今後の方向性について「国内事業の盤石化と、海外市場の拡大が大きな課題」と話す。国内事業については、「潜在的なLED照明の需要を掘り起こすほか、今回の新商品のような店舗向けのソリューション型照明に力を入れていきたい」とした。
一方で海外市場については、「まず中国やアジア地域に対し、日本が先行しているLED化の強みを活かして住宅用のLED照明器具を展開したい。2つ目はインドに対し、子会社であるANCHOR(アンカー)ブランドによる従来型の蛍光灯型ライトの販売を拡大したい。3つ目は欧米のLEDデバイス事業を伸ばしたい」と語った。