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照明なのにプロジェクター? パナソニックが新しい空間演出するラボを体験した
2022年12月28日 13:05
パナソニック エレクトリックワークス社は、プロジェクターと照明が一体になった空間演出を体験できる「BSP-LAB(ビーエスピーラボ)」をオープンした。壁や床などに動きを感じさせたり、大自然のようなくつろぎの空間を作るなど、光や映像、音を組み合わせた様々な空間演出を体験できる。
これまで「Space Player LAB(スペースプレーヤーラボ)」として展開してきたスペースを12月にリニューアルしたもので、パナソニックが展開するスポットライト型プロジェクター「Space Player(スペースプレーヤー)」のほか、ダウンライト型プロジェクター「BioSHADOW(バイオシャドー)」など様々な製品を組み合わせて、どのような空間を作れるかを実際に体験可能な場所となっている。
これらの製品の特徴は、従来は照明の設置に使われていたスペースを活用して、光だけではない新しい表現を可能にできる点。
例えば店舗やオフィスの受付、マンションの共有スペースに自然の豊かな映像をとりいれたり、歯科医院やクリニックの待合室にリラックスできる空間を演出するなど、従来のスペースに追加して、新しい雰囲気を作ることができる。
プロジェクターだけでなく、新たに照明器具に設置できるワイヤレススピーカーや、ナノイー発生機も製品化。音や空気まで快適さを追求した空間にできるように進化している。
今回オープンしたBSP-LABは、こうした空間を作りたい施主やデザイナーなどに向けて、導入前の検討や商談の場として使われる。見学には予約が必要で、サイトにて受け付けている。
壁や床に新たな演出。絵画や置物も活用できる
BSP-LABで実際にどのような演出ができるのかは、言葉で説明するよりも、写真や動画で見た方が分かりやすいため、それらを中心に説明する。
スポットライト型プロジェクターのスペースプレーヤーは、天井の照明用レール(配線ダクト)や天井、壁などに取り付けることで、目的の壁や床に映像を投射できる。複数台を組み合わせて1つの映像を表示しても、境目の違和感なく表現可能。明るさ1,000lmと2,000lmの2タイプを用意する。
面白いのは、白い壁だけでなく、絵画や置物、観葉植物など、その場にあるものと組み合わせたプロジェクションマッピングのような使い方も手軽にできること。例えば受付にある企業のロゴなどに動きや影を付けたり、モノクロの写真や絵にカラーの表現を加えて雰囲気を変えるといったこともできる。
バイオシャドーは、ダウンライトのように天井へ埋め込んで目立たずに設置できる。木漏れ日や水面、流れる雲など、製品名の通り影が印象的な映像を、上から壁に投射。春と秋で映像を変えるなど、さりげない演出で季節感を表現できる。
これらのプロジェクターに、ワイヤレススピーカーを組み合わせると、鳥のさえずりや水の流れ、音楽などをBGMとして加えることができ、映像で表現した場所の臨場感を高められる。スピーカーは複数台の設置も可能。天井に目立たず設置できるため、家で映画やテレビなどを見るのとは違って映像を集中して見るのではなく、光と音に包まれながら、自然にその場の雰囲気を感じさせるような表現だ。
上記以外にも活用の幅は広く、例えば鏡を合わせた部屋にスペースプレーヤーやバイオシャドーを設置すれば、無限の空間に自然やラインアートなどが広がるといった表現もできる。これまで見せたようなリラックス映像だけでなく、例えばイベント会場のエントランスなどで、ド派手な光の演出などを使えば、これから始まるワクワク感を盛り上げてくれそうだ。
また、3面を映像に囲まれたスペースであれば、視界のほぼ全てが映像だけになり、巨大な絵画や街の風景に浸る、といった使い方もできる。
バイオシャドーはプリインストールされた映像を最適に壁などへ表示するものだが、スペースプレーヤーはオリジナルコンテンツの制作も有料で受け付けるとのこと。これらを組み合わせることで、さらに多様な表現が可能になる。
従来のような1台の高画質なプロジェクターで大画面を投射するのとは違った、その場所ならではの表現を、映像や光、音の組み合わせで実現する新しい可能性を、このスペースで体験できた。こうした製品と技術、コンテンツにより、店舗やオフィス、イベント会場などのイメージを大きく変えることができそうだ。