2011年の家電市場、大容量冷蔵庫や掃除機、コーヒーメーカーが好調――GfK調べ

 GfK Japan(ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン)は、2011年の家電およびIT市場の販売動向を発表した。生活家電の分野では、大容量冷蔵庫や掃除機、コーヒーメーカーが好調だった。

 冷蔵庫は、エコポイント制度で需要が増加した2010年比では、8.5%減の478万台だった。しかし、省エネ製品への買い替えが市場を下支えし、 2008年比では3%増、2009年比では5%増となった。全販売台数のうち、年間消費電力が300kWh以下の製品は、前年の40%から63%まで拡大した。

 容量別では、451L以上の大容量クラスが好調で、冷蔵庫全体に占める販売台数の割合は24%と、前年より2%増加。GfKでは、容量401L以上の大容量クラスのユーザーが、より容量の大きいモデルへの買い替えが進んだと見ている。

 掃除機は、前年比4%増の788万台で、2年連続のプラス。市場の70%を占めるキャニスター型は前年並みの販売台数だったが、ロボット掃除機やスティック型が2台目としての需要を取り込み、市場を広げたという。

 また、ロボット掃除機の割合は前年より1%増の3%、スティック型は同2%増の13%となった。このほかキャニスター型では、サイクロン式のラインナップが増えて販売を伸ばし、キャニスター型に占めるサイクロン式の割合は前年の36%から42%へと伸長している。

 一方のコーヒーメーカーは前年を9%上回る166万台となり、うち8割をドリップ式が占めた。ドリップ式の販売台数は前年より2%増え、堅調に推移している。なおドリップ式のうち、保温効果のあるステンレスポットタイプの割合は22%となった。

 また、エスプレッソマシンは2年連続のプラス。販売台数は前年比65%増を記録し、コーヒーメーカー全体では14%を占めるに至った。背景には、製品のラインナップが増えたことと、店頭での取り扱いが増加したことがあるという。また、エスプレッソマシンの94%が、ポッドを入れ替えて抽出する「ポーションタイプ」という。

 2011年の国内における家電小売市場の規模は約8兆5,000億円で、2009年とほぼ同規模。エコポイントの駆け込み需要によって伸長した 2010年の9兆4,000億円には及ばないものの、節電志向の高まりによる省エネ製品への買い替え需要の増加や、アナログが停波し、テレビなどの映像機器の買い替えが進んだことが背景にある。

 販売チャネルではホームセンター、販売形態ではインターネット通販が好調だった。なお、家電市場におけるインターネット通販の構成比は、前年から1%高い7.5%となった。





(小林 樹)

2012年2月15日 15:56