三菱重工、停電時に電力を供給するマンション向け蓄電池

リチウムイオン二次電池蓄電設備

 三菱重工は、停電時に電力を供給するリチウムイオン二次電池「定置用蓄電池システム」を、東京都国分寺市に建設中のマンション「パークシティ国分寺」に、9月に納入する。同社のリチウムイオン二次電池が集合住宅に採用されるのは初めて。

 定置用蓄電池システムは、40kWhの蓄電容量を持った蓄電・非常用のリチウムイオン二次電池。建物の屋上に設置された太陽光発電設備で電力を蓄え、作られた電力を夜間の共用部に供給する。また、停電時には最大40kWh相当の電力を、緊急性の高い設備に賄えるという。

 同社によると、本来は2012年に発売予定だったという。しかし、東日本大震災の影響で節電や蓄電設備の需要が高まっていることから、予定を前倒しにして、製品化を進めたという。

 また、出力3kW~数千kWの同様の蓄電システムも開発中。マンションだけでなく、ビルや工場、ショッピングモール、ガソリンスタンドなどで幅広く活用できるものにするという。

 同社では、これからもエネルギーを有効に活用するため、蓄電の用途を積極的に開拓し、無駄なエネルギー消費のない社会を作ることに貢献していくとしている。

 パークシティ国分寺は、JR中央線沿線にある約1万3,000平方mの敷地に建設されている環境調和型のエコマンション。延べ床面積は約3万7,000平方mで、戸数は331戸。三井不動産グループのエコマンションのフラッグシップモデルとして、2012年からの入居開始をめどに分譲が行なわれている。





(小林 樹)

2011年4月26日 13:32