三洋、iPadもXperiaも充電できる高出力モバイル電源
「eneloop mobile booster」

三洋電機のモバイルバッテリー「eneloop mobile booster KBC-L2BS」(写真中央)

 三洋電機は、高出力化でiPadやXPERIAの充電に対応したモバイルバッテリー「eneloop mobile booster(エネループ モバイルブースター) KBC-L2BS」を、10月21日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は6,000円前後。

 eneloop mobile boosterは、電池容量5,000mAhのリチウムイオンバッテリーを搭載したモバイル電源で、本体に内蔵したUSB端子から、携帯電話や携帯ゲーム機などのモバイル機器が充電できるというもの。今回発売するKBC-L2BSでは、出力電流を従来モデル「KBC-L2AS」の500mAから1Aに高めた点が特徴。このためiPadなどのタブレット形機器、Xperiaなどのスマートフォンなど、充電に大電流が必要となる機器に接続した場合には、本体側で電流を制御し、自動的に1Aで出力し、充電できる。なお、大電流が不要の機器には、自動的に500mAに出力を抑える仕様となっている。

 さらに、本体にはマイクロUSB端子用のアタッチメントも同梱されており、XPERIAのようなマイクロUSB端子を使う機器にも充電できる。

iPhoneはもちろん、iPadにも充電できるソニー・エリクソンのスマートフォン「XPERIA」にも使用できる
出力が高いほど、早く充電できるXPERIAに接続する場合には、付属のマイクロUSB端子用のアタッチメントを使用する

 出力用USB端子は、従来モデルに引き続き2口用意されており、最大4時間の充電が可能となる(500mA出力時。1A出力時、および2口で充電の場合は約2時間)。付属のUSBコードを使えば、パソコンなどのUSB端子から、リチウムイオンバッテリーの充電にも対応する。

 本体サイズは70×22×62mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約130g。充電時間はACアダプタで約7時間、USBで約14時間。充電の目安は、iPadは40%まで充電可(時間は約2時間半)。iPhone4は2回のフル充電が可能(約2時間半~3時間)。


スティックブースターにもマイクロUSB端子が付属。DS専用タイプも

スティック形の「eneloop stick booster」の新製品も発売される。写真はニンテンドーDSiに使用できる「KBC-DS3AS」

 このほか、スティック形のモバイルバッテリー「eneloop stick booster(エネループ スティックブースター)」の新製品として、「KBC-D1BS」「KBC-DS2AS」「KBC-DS3AS」の3製品も、同時に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はKBC-D1BSが3,000円前後、KBC-DS2ASとKBC-DS3ASは3,500円前後。

 いずれも、本体にニッケル水素電池のeneloop2本を入れて、モバイル機器を充電するポータブル形の電源。KBC-D1BSは、前年モデル「KBC-DAS」と同様、USB出力でさまざまな機器が充電できる製品だが、今回はマイクロUSB端子用のアタッチメントを同梱した点が特徴。Xperiaの充電にも対応している。

 「KBC-DS2AS」「KBC-DS3AS」は、任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」を充電するための専用バッテリー。ニンテンドーDS純正のACアダプタと同じ電圧・電流で出力できる仕様となっている。KBC-DS2ASはニンテンドーDSLite、KBC-DS3ASはニンテンドーDSiとDSi LL用となる。

 本体サイズは18×148mm(直径×高さ)で、単三型のニッケル水素電池「eneloop HR-3UTGA」が2本付属する。出力は、KBC-D1BSが500mA、KBC-DS2ASが450mA、KBC-DS3ASが600mA。

接続しているところeneloop電池は電圧が安定しているため、長時間の出力が可能という


パナ子会社化後も、グループ全体で充電池への置き換えを

三洋電機 モバイルエナジーカンパニー グローバルCRM事業部 市販事業統括部 統括部長 白井浩明氏

 三洋電機 モバイルエナジーカンパニー グローバルCRM事業部 市販事業統括部 統括部長 白井浩明氏は、スマートフォンのほかiPadなど、モバイル機器の売り上げの伸びとともに、モバイルバッテリーの売り上げが急増している点を指摘。「モバイル機器の薄型・軽量化が進み、多機能化による消費電力も増加傾向にあり、内蔵される電気が切れやすい傾向にある。そこで、外出先でも充電できる緊急充電器のニーズが非常に拡大している。昨年モデルで『iPhone対応』という点を訴求したところ、売り上げが急増した」という。今回、KBC-L2BSで出力を1Aとしたことについては「スピーディに充電したいモバイル機器のヘビーユーザーにとって、非常にうれしい進化」としている。

 また、三洋電機は10月からパナソニックの完全子会社となるが、白井氏は「今後はパナソニックグループとして、シナジーを発揮していきたいが、三洋のブランドがどうなるかについては、現時点では方向性は決まっていない」と述べた。そのうえで、合併後の充電池事業については「当社ではエネループ、パナソニックでは『充電式エボルタ』というブランドで、乾電池から充電池への置き換えを一緒に標榜してきた。1社で打ち出すより、2社でしっかりブランド戦略を打ち出していくことが、乾電池からの置き換えの流れをさらに加速できるのでは」と述べた。

スマートフォン市場は急速に拡大しているというスマートフォン市場に合わせて、三洋のモバイルバッテリーの売上も急増しているという




(正藤 慶一)

2010年8月31日 16:07