象印、“家庭でおいしいごはん”を炊くための炊飯器や精米器を披露

8月に発売される高級炊飯器「極め炊き NP-LU10」

 象印マホービンは、8月11日に発売するIH式炊飯器「極め炊き NP-LU」など、同社の炊飯器・精米器を解説する記者向けの説明会「“炊き方知ってる象印”が推奨する『理想のごはんの炊き方』」を、29日開催した。

 NP-LUは、同社の炊飯器では最高級ランクに当たる炊飯器。希望小売価格は、5.5合炊きの「NP-LU10」が97,650円、1升炊きの「NP-LU18」は100,800円。7月8日に既に発表されている。

 従来機種「NP-LT」に引き続いて、米のα化(糊化)が始まる70℃から加圧をスタートし、デンプンをきめ細かく分解して、ごはんの甘みを引き出す「パワー圧力」機能を搭載。また、蒸らし時にも3段階に分けて圧力をかけるため、余分な水分が飛び、粘りと弾力がたっぷりのごはんができあがるという。

 NP-LUでは、内釜の内部にプラチナの微粒子をコーティングした「プラチナ真空釜」を新採用。プラチナの触媒作用により、釜内部の水質が弱アルカリ性にか変化するため、米の表面のタンパク質が分解し、中心部まで水が浸透しやすくなるという。これにより、熱が米の中心に伝わり、ごはんの甘みの元となる還元糖の量が、従来製品に比べ約30%アップするという。

 炊飯機能としては、米にじっくりと水を給水することで、還元糖の量を約2.3倍をアップする「熟成炊き」メニューも搭載。また操作部には、有機ELディスプレイを採用。メニューや炊きあがりのお知らせなどを、文字で表示する。

沸騰前と沸騰後に、釜内部に圧力を加える「パワー圧力」機能を搭載新搭載の「プラチナ真空釜」プラチナの触媒作用により、釜内部の水が弱アルカリ化。米の中まで水が入るため、α化がより促進される

 商品企画部 サブマネージャーの後藤譲氏は、象印では「おいしいごはん」の条件として「ふっくら感があり、ごはんに光沢がある」という“外観”、「粘りと弾力があり、しっかりとした歯ごたえがある」という“食感”、「ごはん特有の甘みがある」という“味”の3点を設定していると説明。特に、「粘りや弾力といった食感が、味に非常に大きく影響する」という。そこで象印の炊飯器では、炊飯工程で圧力を掛けることによって、ごはんのα化を促進し、米本来の粘りや弾力を引き出しているという。

象印が掲げるおいしいごはんの条件は「外観」「食感」「味」。特に、粘りや弾力といった食感が大きく影響するという象印マホービン 商品企画部 サブマネージャーの後藤譲氏本体操作部には、有機ELのディスプレイを採用
会場では、同社の一般的なIH式炊飯器との味くらべも行なわれたこちらは普通のIH炊飯器で炊いたごはんNP-LU10で炊いたごはん。米の芯まで火が通っているためか、しっかりと味が出ている感じがした。食感もモチモチとした歯ごたえがある
象印の精米器「BT-AE05」。2003年に発売された。希望小売価格は52,500円

 精米器に関する製品説明も行なわれた。象印の精米器は、玄米同士をすりあわせながら精米する「圧力式」という方式を採用。圧力式は羽根を回して米を攪拌しながら精米する「回転式」とは違って、米粒の割れが少ない、やさしい精米ができるという。この圧力式は、米屋の業務用精米器にも導入されていることから、同社では「米屋さんの本格精米」を売り文句としている。

 機能としては、玄米の糠を3/5/7割の3タイプに削り分けられる「3分づき/5分づき/7分づき」モードや、酸化が進んでしまった白米の表面を削って、おいしさと鮮度をリフレッシュする「白米リフレッシュコース」などがある。

 同社では、精米したてのごはんのおいしさを消費者に勧めるキャンペーン「銀つやごはん」を6月よりスタート。同社の家庭用精米機の購入者に家庭菜園セット「べジキューブ」をプレゼントするほか、専用のウェブサイトを開設し、おいしいごはんの炊き方の解説や、精米したてのごはんが食べられる飲食店などを紹介している。後藤氏は「今後も炊飯器メーカーとして、本当に美味しいごはんを楽しむためのトレンドづくりを、(炊飯器や精米器など)ハード面と(キャンペーンなど)ソフト面の両面で行なっていきたい」と、今後の展望を語った。

玄米同士をやさしく擦り合わせる「圧力式」を採用玄米の糠を3/5/7割に削り分けられる「分づき米」モードも搭載酸化が進んでしまった白米の表面を削る「白米リフレッシュコース」
精米したてのごはんのおいしさを勧める「銀つやごはん」キャンペーンも開催ラインナップは3種類。BT-AE05は無洗米も作れる
玄米(写真上)をBT-AE05で精米した白米(写真下段右)。下段左は市販の白米米ぬかは本体の透明ケースに収納される。もちろん、料理や肥料として使用できる


BT-AE05が精米している動画。運転中は掃除機のような音を立てながら、玄米が本体内を循環している

 このほか、炊飯器でごはんをおいしく炊くためのポイントや豆知識も披露された。例えば、「米を研いでから炊飯するまで、米をしばらく水に浸しておく」というのは誤りで、洗米後すぐに炊飯をスタートしても、炊飯器が自動で予熱工程においてしっかりと吸水するため、問題なく炊けるという。さらに、ごはんが炊きあがってからフタを開けずにしばらく蒸らすというのも、炊飯器が自動で蒸らしを行なうため不要だという。逆に、炊飯後にすぐにごはんをほぐさないと、劣化が早まってしまうという。

炊飯に関する豆知識。炊飯器で炊く場合には、炊飯前に米を水に浸しておく必要はないという炊飯完了後の蒸らし時間も不要。むしろ、素早くごはんをほぐさないと、劣化が早まってしまうらしい約7~8時間以上保温する場合は、2回に分けた方が電気代はかからないという
フードプランナーの福田芳子さん

 説明会には、フードプランナーの福田芳子さんも参加。福田氏は「昔の炊飯器と比べると、今のものは格段とおいしくなっており、炊飯器を変えるだけでここまで変わるのかという実感があります」と、炊飯器がごはんの味を左右するポイントとなっていることを説明した。





2009年7月30日 00:00