シャープ、“ヘルシオ”の技術を搭載したIHクッキングヒーター

ヘルシオIHセンター

 シャープは、グリル部に過熱水蒸気による調理機能を搭載したIHクッキングヒーター「ヘルシオIHセンター」2サイズ、全6機種を6月10日より発売する。タイプは天面の幅が75cmの「KH-AX7」と、幅が60cmの「KH-AX6」の2タイプ。更に、トッププレートの色調、全面部の色調でそれぞれ3機種ずつ用意される。希望小売価格は、「KH-AX7」が472,500円、「KH-AX6」が451,500円。


トッププレート、全面部の色調がシルバー系の「KH-AX7W-S」トッププレートの色調がブラックで、全面部の色調がレッド系の「KH-AX7B-R」グリル部には、「HEALSIO」のロゴが記載されている
トッププレートはIHヒーターが3口用意されているグリル部を引き出したところ専用の角皿は波形のものが採用されている
グリル内部の過熱水蒸気噴射口中を真空状態にして調理するため、取り出し口内部にはゴムのパッキンが備えられている

 “健康調理”が特徴の同社のオーブンレンジ「ヘルシオ」の技術を搭載したIHクッキングヒーター。

 ヘルシオの過熱水蒸気調理では、水蒸気を300℃以上の高温にし、蒸気で食品を調理するのが特徴。水蒸気を庫内に充満させ、酸素を追い出すことで、食品の酸化を防ぎ、身体に良いビタミンなどの成分を壊さずに加熱できる。さらに食品の内部まで蒸気が浸透することで、食品の余計な油や塩分を落とす効果もある。同社では、“健康調理”が可能な独自の技術として、2004年よりウォーターオーブンとして発売している。

過熱水蒸気調理により、減塩効果がある。塩鮭の場合、グリル調理に比べ、約7倍の塩分を落とせるという天ぷらの温めなどにも対応する。レンジで加熱するのに比べると約61kcal削減できる真空状態で調理するため、酸化に弱い成分をキープする役割もある

 ヘルシオIHセンターでは、ヘルシオの過熱水蒸気調理機能を搭載するために、まずエンジンの大幅な小型化を図った。ヘルシオに搭載されているエンジンでは、本体に給水した水をヒーター部分に移動してから水蒸気を作り、庫内に送り込んでいたが、ヘルシオIHセンターでは、給水部にヒーターを設置し、給水タンク一体型のエンジンに改良し、エンジン体積はヘルシオに比べ約1/3となっている。

ヘルシオのエンジンを搭載するために、大幅な小型化を図ったヘルシオIHセンターのグリル部のカットモデルヘルシオIHセンターのエンジン部分
ヘルシオIHセンターの給水カップをセットする場所。エンジンと一体になっており、カップ下にはヒーターが設置されているヘルシオの給水部分。ヘルシオでは、水を移動してから加熱して水蒸気化させるため給水部分にはヒーターなどは用意されていない専用の給水カップ。容量は200ml

 また、より使いやすくするため、ヒーターはグリル部の上下に埋め込んだ。そのため、庫内はフラットで、掃除がしやすくなってる。同社によると、グリル部の内部がフラットなのは“業界初”の技術だという。また、庫内面積は260×356×65mm(幅×奥行き×高さ)で、同社の従来機種KH-BC75の216×285×54mmに比べ、広くなっており、出し入れがしやすくなっている。

グリルの上に設けられているヒーター部グリル部の中はフラットになっている

 グリル部は、過熱水蒸気調理のほか、通常のグリル調理、オーブン調理も可能。通常の焼き魚以外にも、「あたため」、や鳥の唐揚げなど「調理メニュー」、「ヘルシー焼野菜メニュー」などを備える。

過熱水蒸気による調理以外にもオーブン調理、グリル調理に対応している調理中に出た余分な油“揚げずに作る”鳥の唐揚げなどヘルシオの得意料理も搭載されている

 本体の操作は全てタッチパネルに対応している。過熱水蒸気調理に対応しているグリル部では、グリル部横に収納式のタッチパネルを用意し、加熱方法や調理メニューはここで選択する。ヘルシオ本体の特徴でもある指定された食材を庫内に入れるだけで、調理が行なえる自動調理メニューでは、全43種類を搭載。タッチパネルで、料理名を選ぶだけで、簡単に調理が行なえる。

グリル部の操作画面。液晶のタッチパネルが採用されている画面は見やすいように角度が設けられているIHヒーターの操作も全てタッチパネル

 ヘルシオ本体と比べて異なる点としては、過熱水蒸気の温度。ヘルシオでは、300℃以上の高温の水蒸気となっているが、ヘルシオIHセンターでは230℃となっている。また、ヘルシオでは、自動調理メニューとして、最大231種類が搭載されているが、ヘルシオIHセンターでは43種類となっている。また、最上位機種の「AX-X1」などの搭載されているカロリー表示などの機能も省略されている。

 天面のIHヒーターは3口を備える。従来は、小型の一口にラジエントヒーターを採用していたが、ヘルシオIHセンターでは、3口全てにIHヒーターを採用した。両側の二口の火力は3kWで、中央が1.6kW。それぞれの加熱面の下には、火加減が一目でわかる「光サイン」を搭載している。これは、使用時の火力の強さを色で表示するもので、強火の時は「赤」、中火の時は「紫」、弱火の時は「青」で表示される。火力調節は左右が10段階、中央が7段階に対応している。

排気ダクトもフラットでお手入れが楽になっている3口全てIHヒーターに対応しているトッププレートの色調はブラックも用意されている

 なお、本体の最大消費電力は5.8kW。そのため、グリル部、IHヒーター全ての火力を最大にして同時に使用することはできない。

 天面サイズが75cmの「KH-AX7」の本体サイズは、750×567×233mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約27kg。グリル庫内の有効寸法は、260×356×65mm(幅×奥行き×高さ)。

シャープ株式会社 健康・環境システム事業本部 調理システム事業部長 岡田 圭子氏

 シャープ株式会社 健康・環境システム事業本部 調理システム事業部長 岡田 圭子氏はヘルシオIHセンターの発売について「30~40代の女性の中でヘルシオの認知度は80%を超えており、1つのブランドとして自信をもっている。現時点ではIHヒーターとしてはほぼゼロに近いシェアだが、2009年度の売り上げ目標としては2万台を考えている」とし、製品への自信を見せた。


調理例

塩鮭さばのピリ辛あえ&りんごポテトサラダ鳥のネギ味噌焼き
モーニングセットなど、異なる食材と一度に調理することもできる塩さばは、大きめのものを一度に4つまで焼ける油が落ちて、さっぱりとした焼き上がり




(阿部 夏子)

2009年5月14日 16:22