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パナソニック温水洗浄便座「おしりの多様性」考えた3つの水流
2025年1月20日 09:05
パナソニック ハウジングソリューションズは、3つのおしり洗浄モードを搭載した瞬間式の温水洗浄便座「ビューティ・トワレ RTシリーズ」を2月19日に発売する。価格はオープンプライス。家電量販店などで取り扱い、店頭で値引きされないメーカー指定価格での販売対象となる。
ラインナップと店頭予想価格は、ナノイーXによる除菌脱臭機能を備え、便ふた自動開閉の「DL-RT50」が51,300円、ナノイーX非搭載で自動開閉の「DL-RT40」が46,800円、ナノイーX非搭載で便ふた手動開閉の「DL-RT20」が36,000円(すべて税別)。いずれもホワイト、パステルアイボリー、ピンクの3色展開。
同社の社内アンケートでは、温水洗浄便座の「おしりの洗浄感」について、約6割が「洗浄が弱すぎる」「洗浄が細すぎる」といった不満を持つことが明らかに。従来品は洗浄幅と洗浄の強さの調節のみ可能だったが、新製品は新たに「ソフト」「バブル」「パワービート」の3つの洗浄モードを搭載することで、好みに合わせて洗い心地を選べるようになった。
パナソニック ハウジングソリューションズ 水廻りシステム事業部 総括担当の窪井健司さんは「これまで製品の清潔性を強化してきたが、肝心要の『おしりを洗うこと』にフォーカスできていなかった。これまでの製品との画期的な違いを感じていただきたい」としている。
おしりのトラブルから癒しまで「おしりの多様性」考えた3モード
新搭載のおしり洗浄モードについて、「ソフト」はやわらかく安定した水流で、おしりにトラブルのある人にもおすすめ、「バブル」は気泡を含んだゆらぎのある水流で、癒しを感じたい人に、「パワービート」は水塊化したまとまりのある水流で、力強く洗いたい人におすすめと説明している。洗浄の強さはそれぞれ3段階で調節可能。
従来品(RRTKシリーズ)と比べて洗浄強さは約1.2倍、弱さは約1.5倍となり、瞬間式でのおしり洗浄の強弱幅は業界トップクラス(同社調べ)の0.015N~1.12Nとしている。
実際に体験したところ、ソフトは水道の蛇口から水が流れているような感覚でほとんど刺激を感じなかった。バブルは「トトトトト……」とリズムを感じるような水流で新感覚。パワービートは「ダーーッ」と強めの圧で噴射され、とにかくパワフルだった。なお、従来の水流と最も似ているのはパワービートとのことだ。
新搭載の洗浄モードの洗浄感については、関西学院大学 工学部 長田典子教授の協力のもと、感性工学に基づいた検証がされており、従来品よりも「洗い心地がやさしい」「癒され感がある」「洗い心地がよい」と感じられていることがわかった。
3つの洗浄モードを1つのノズルで実現するため、独自の水路構造を開発。2つの水路の流量を調節することで、各モードの水流を作り上げている。新構造により、ポンプレスでも水流を強くすることが可能になったため、洗浄時の動作音や振動も低減。この構造については現在特許出願中という。
なお、ビデ洗浄では3つの新モードは利用できないが、新製品はノズルの吐水穴を従来の4つから3つへと変更し、よりやわらかくマイルドに洗浄できるようにしている。
従来同様、ステンレス製のノズルを採用するほか、ノズルの使用前後には自動でクリーニングする機能を搭載する。
さらに、温水洗浄便座に着座しなかった時間帯を曜日ごとに学習して節電する「スマート暖房便座」も継承。電気代を最大約34%削減できるという。年間電気代は、便ふた自動開閉のDL-RT50/DL-RT40が約2,570円、手動開閉のDL-RT20が約3,220円(31円/kWhで計算)。便ふた自動開閉モデルは、センサーで人を検知後に便座を温めるため、手動開閉モデルと比べて電気代を抑えられる。
同社によると温水洗浄便座の普及率は1992年が14.2%であったのに対し、2024年には82%に達しており、直近の交換需要は約2,000万台と推定。新製品はポンプが不要になったことや、部品の見直し、再生樹脂の使用により部品コストが低減。価格を抑えて買い替えやリフォーム需要に対応するという。