ニュース
パナソニック、次亜塩素酸の除菌効果を広い実使用空間で検証
2025年1月27日 07:05
パナソニック 空質空調社は、群馬パース大学と共同で、実使用空間における次亜塩素酸を用いた浮遊菌・付着菌の除菌効果を検証した。国内の空気浄化/空調業界において、実使用空間における浮遊菌および付着菌への除菌効果の検証は初めて(1月16日時点)。
同社は、次亜塩素酸を30年以上にわたって研究し、菌・ウイルス抑制のエビデンスを蓄積している。2022年には愛知県春日井市に「IAQ検証センター」を設立し、研究体制を強化した。今回の成果は、空気中の浮遊菌や付着菌に対する除菌効果を示し、感染リスクの低減に向けた可能性を広げるものとなっている。なお、この検証はパナソニックの技術研究成果もしくは研究中の内容であり、製品による効果ではない。
実験は、群馬パース大学の教室と実習室で実施。約70畳の教室では、学生が授業を受ける環境下で次亜塩素酸水溶液を生成する機能と集じんフィルタを搭載した検証装置を設置し、月曜から金曜の5日間24時間稼働させた。その結果、浮遊菌が約85%減少したことが確認された。さらに教室内にはカビやバチルス属菌、黄色ブドウ球菌等の種々菌や真菌が浮遊していることが分かった。
一方、約56畳の無人の実習室では、教室と同様の検証装置から8m離れたところに大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌を付着させたシャーレを配置し、気体状次亜塩素酸による付着菌の減少効果を調べたところ、検証装置なし(自然減衰)に対して、24時間で黄色ブドウ球菌の99.9%の減少が確認された。
今回の研究結果に対し、群馬パース大学の木村博一教授は「さらなる実使用空間での試験を通じて、次亜塩素酸技術が感染リスクの低減に効果的であることを証明することを期待している」と述べている。
今後も同社は、次亜塩素酸技術を活用した「感染制御空間」の実現に向け、研究と産学連携を進めるとしている。